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「正しく評価できるベンチマークテストはまだない」──AMDに聞く“FXが遅い”理由:“Zambezi”が悪いわけじゃない(2/2 ページ)
AMDユーザーが期待して待ちに待ったBulldozerアーキテクチャ。しかし、FXシリーズのベンチマークテストスコアは思わしくない。その理由を米本社CPU担当に聞く。
“先を行くアーキテクチャ”を評価できるベンチマークテストはまだない
AMDのCPUにおいて、Bulldozer世代のアーキテクチャを採用したZambeziコアは、新世代の“ハイエンド”CPUとして、AMDも性能を重視する“エンスージアストユーザー”のためのAMD FXシリーズのブランドで自作PC市場に登場した。しかし、レビュー記事で紹介したように、ベンチマークテストの結果は、インテルの“エンスージアストユーザー向け”モデルだけでなく、クアッドコアのCore i7-2600KやAMDの6コアモデルであるPhenom II X6 1100Tにも届かない。
この原因について、マリニコビック氏は「CPUの64ビット化のときも、Fusion APUで統合したGPUコンピューティングでもそうであったように、ハードウェアの進化に対して、それを有効に活用するソフトウェアの進化は遅れてやってくる。これは、Bulldozerで採用したマルチコアのアーキテクチャでも同じで、ソフトウェアが、8コアを有効に利用する用意がまだできていない。現在利用できるベンチマークテストも同様で、Bulldozerアーキテクチャの特性を十分に利用できていないため、スコアとして反映されない。FXシリーズは先を見て開発しているのだ」と説明する。
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