そもそも“PCオーディオ”って何だろう?:特集“PCオーディオ”へのお誘い(1)(3/3 ページ)
盛り上がりを見せている“PCオーディオ”。ITmediaでも、ついに特集ページを開設するという。そこで今回は、そもそもPCオーディオとは何か――そのメリットと楽しみ方を基本から紹介していこう。
具体的な製品としては、フォステクス「HP-A8」やラックスマン「DA-100」あたりがオススメ。例えばフォステックス「HP-A8」は、今年のトレンドとなっているDSD形式のファイルが再生できるなど、PCオーディオ上級者にも人気の高い高級モデルだし、いっぽうのラックスマン「DA-100」は、高級オーディオメーカーの製品が意外なほど手軽な(とはいってもある程度は高価だが)価格で手に入る、ある意味とてつもなくコストパフォーマンスの良い製品となっている。思い切って高級USB DACを購入し、スタート地点から充実したPCオーディオライフを楽しむのも魅力的なプランだ。
話を元に戻そう。このように、PCオーディオを始める場合は、まずはスピーカーのスタイルから選ぶようにすると無駄がない。スピーカーが決まったら、次にアンプの必要不必要を考え、最後にUSB DACを選ぶという手順がオススメだ。また、PCオーディオにはこれ以外にもいくつかのシステムプランがあるが、基本的にUSB DACを使う(PCとの接続はUSBケーブルで行う)システムを推奨しておきたい。なぜなら、USB DACは現時点で多くの製品がリリースされており、価格も音質も幅広いラインアップが用意されている、旬のアイテムだからだ。つまり進化も早く、後でアップグレードしたくなる部分なのである。
なお、3と4のプランについては、該当する製品が多いため、別途バイヤーズガイドや製品レビューとして改めて紹介していこうと思う。
今回のまとめ
PCオーディオは決して敷居の高いものではないし、それでいて付属スピーカーとは全く違うハイクオリティーのサウンドを楽しませてくれる。また、機器をグレードアップしたり、プレーヤーソフトやOSの設定を変更するなど、さらなる高音質を追い求める“進化する楽しみ”も持ち合わせている。そのあたりも順次紹介していく予定だが、皆さんも是非気軽にPCオーディオの世界をのぞいてみてほしい。次回は、もう1つの注目の動き「ネットワークオーディオ」について、ハイレゾ音源再生も絡めて紹介していこう。
CDリッピングを見直そう
せっかくHDDやSSDが安くなったのだから、ため込む音楽ファイルも少しリッチにしていい。ハイレゾ音源再生もいいけれど、まずは身近なCDリッピングの方法を見直してみてはいかがだろうか。
アップルの「iTunes」やソニー「Xアプリ」などのプレーヤーソフトには、CDリッピングの機能も備わっているが、デフォルトの設定のままだと、かなり圧縮比の高いファイル形式が設定されている。これをそのまま使うと、HDDの空き容量的には都合が良いのだが、音質的にはあまり芳しくなかったりする。そこで、CDリッピングを行う際には、事前に設定の変更を行っておこう。
オススメのファイル形式は、iTunesはAIFF、XアプリではWAVだ。どちらも非圧縮と呼ばれる、CDに収められているデータをそのままに読み込む形式なので、音質劣化がほぼ皆無で、“高音質PCオーディオ”にはもってこいの形式なのだ。アップルロスレスなど、音質劣化のない圧縮形式(可逆圧縮と呼ばれる)もあって、本来ならばこちらでもかまわないのだが、HDD容量に余裕がある昨今、あえてサイズが半分になる程度の低圧縮を行う必要もないだろう。また、DMPで聴く場合など、AACやMP3などの圧縮形式ファイルもすぐに作り出せる(1曲にかかる変換時間はほんの数秒だ)ため、面倒はない。しかもその逆はできない(AACをAIFFに変換することはできるが、CDそのものの音質には戻らない)ため、楽曲の管理は非圧縮形式を推奨したい。
それよりも、CDリッピングの場合は読み込みエラーの発生を気にした方が良いだろう。CDが持つエラー訂正はDVDなどに比べるとやや弱いところがあるため、傷の多いCDなどではエラー補完が効かない=無音として処理されてしまうことがある。こういったケースを防ぐためにも、パイオニアの「PureRead」技術搭載モデルなど、読み込み精度にこだわったDVD/BDドライブを活用するのが堅実といえる。
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