キヤノン、特大インクで印刷コストを抑えたA4複合機「PIXUS MX923」:2万円切りのADF/FAX付きモデルも
「PIXUS MX923」と「PIXUS MX523」は、キヤノンのビジネス向けA4インクジェット複合機。従来機からFAXやADFといった特徴を継承しつつ、スマートデバイスやクラウドサービスとの連携強化、印刷コストの低減を果たした。
キヤノンは2月7日、インクジェットプリンタ「PIXUS」シリーズの新機種として、ビジネス向けA4複合機「PIXUS MX923」と「PIXUS MX523」を発表した。2013年2月21日に発売する。価格はオープン、同社オンラインショップの直販価格はMX923が2万9980円、MX523が1万9980円。
いずれも自動両面対応のプリント、ADF付きのスキャン、メモリカード/USBストレージからのダイレクトプリント、コピー、スーパーG3対応FAXといった機能を1台に集約した複合機だ。
PC用インタフェースはUSB 2.0に加えて、IEEE802.11b/g/nの無線LAN、100BASE-TXの有線LANを内蔵。PCを使わずにクラウド上の写真やデータを印刷できる「PIXUSクラウドリンク」に対応する。専用アプリ「Easy-PhotoPrint」を使うことで、iOS/Android/Windows RT搭載機からのワイヤレスプリントも可能だ。AirPrintとGoogle Cloud Printもサポートする。
印刷にかかるコストと手間を見直した上位モデル「PIXUS MX923」
PIXUS MX923は、2012年5月に発売された「PIXUS MX893」の後継機。MX893の後部トレイを排し、前面2段カセット給紙を採用することにより、下段カセットでは普通紙の給紙容量が従来比約1.7倍の最大250枚まで増量した。上段カセットははがきを40枚セットできる。CD/DVD/Blu-ray Discのレーベルプリントも行える。
また、既存の標準/大容量インクタンクに加えて、特大容量の顔料ブラックインクタンクを新たに用意。これを利用すれば、A4普通紙のモノクロ文書印刷にかかるインクコストが約2.6円まで下がる(標準インクでは約3.9円、大容量インクでは約3.0円)。
さらにモノクロプリントヘッドのノズル数を従来比2倍の1024ノズルに増量し、A4普通紙のモノクロ印刷速度は約15ipmと、従来比約1.2倍の高速化を果たした。ノズル数は計5120ノズルで、A4普通紙のカラー印刷速度は約10ipmだ。インクカートリッジは5色独立式で、顔料ブラックと染料ブラック、シアン、マゼンタ、イエローを備える。プリントエンジンの最高解像度は9600×2400ドット、最小インク滴は1ピコリットルだ。
プリントエンジンは最高解像度が9600×2400dpi、最小インク滴が1ピコリットル。スキャナはCISセンサーを採用し、光学解像度は2400×4800dpi(原稿台)、600×600dpi(ADF)だ。A4原稿を最大35枚まで積載できる自動両面対応のADFも装備する。
操作パネルには3.0型液晶モニタを搭載。本体サイズは491(幅)×396(奥行き)×231(高さ)ミリ、重量は約11.7キロだ。消費電力はコピー時が17ワット、USB接続での待機時が約1.0ワットになる。
ADFとFAXを搭載したエントリークラスの「PIXUS MX523」
PIXUS MX523は、2012年4月に発売された「PIXUS MX513」の後継機。前面に普通紙を100枚セットできる給紙トレイ(1段)を備えている。
インクカートリッジは顔料ブラックと染料3色(シアン/マゼンタ/イエロー)の一体型を採用し、標準容量と大容量を選択できる(特大容量は用意されない)。ノズル数は計1792ノズルで、印刷速度はA4普通紙カラーが約5.5ipm、モノクロが約9.7ipmだ。
プリントエンジンは印刷解像度が4800×1200dpi、最小インク滴が2ピコリットルとなる。スキャナはCISセンサーを搭載し、光学解像度は1200×2400dpi(原稿台)、600×600dpi(ADF)だ。ADFは片面対応で30枚積載できる。
操作パネルには、2.5型液晶モニタを装備。本体サイズは458(幅)×385(奥行き)×200(高さ)ミリ、重量は約8.7キロだ。消費電力はコピー時が19ワット、USB接続での待機時が約1.0ワットになる。
関連記事
クラウド連携を強化した上位モデルも:キヤノン、2万円切りでADF/自動両面印刷/FAX付きのA4複合機「PIXUS MX513」
キヤノンはA4インクジェット複合機「PIXUS MX513」と「PIXUS MX893」を4月上旬から順次発売する。いずれもADF、FAXを搭載したビジネス向けのモデルだ。A3シングル機や家庭向けエントリー複合機も:キヤノン、操作パネルを一新したビジネス向けインクジェット複合機「PIXUS MX883」など4モデル
キヤノンは、インクジェット方式のビジネス向けADF/FAX付きA4複合機2モデル、ビジネス向けA3プリンタ、家庭向けA4複合機を3月上旬より順次発売する。2万円切りの下位モデルも投入:キヤノン、SOHO向けのADF/FAX付きインクジェット複合機「PIXUS MX870」など3モデル
キヤノンはADF/FAX搭載のA4インクジェット複合機「PIXUS MX870」と「PIXUS MX350」、A4インクジェットプリンタ「PIXUS iP2700」を2月下旬に発売する。9600dpiのフィルム対応薄型スキャナも:キヤノン、FAX機能を強化したインクジェット複合機「PIXUS MX860」
キヤノンはADF/FAX搭載のインクジェット複合機「PIXUS MX860」と、9600dpiでのフィルムスキャンに対応した薄型スキャナ「CanoScan LiDE 700F」を発表した。キヤノンの新機軸:普通紙でもカラー印刷が美麗な複合機――「PIXUS MX7600」を試す
キヤノンの「PIXUS MX7600」は、独自技術によって普通紙での印刷品質を高めたインクジェット複合機だ。普通紙で高品位なカラー印刷が行える秘密とは?人気モデルをより多機能に:“家庭も仕事もこれ1台”な複合機を求めて――キヤノン「PIXUS MX850」実力診断
キヤノンの家庭向け複合機で売れ筋といえば「PIXUS MP610」だが、これに仕事向けの機能を加えたのが「PIXUS MX850」だ。守備範囲の広い1台だが、その実力は?5色インク搭載のモバイルプリンタも:キヤノン、新インクで普通紙印刷の品質を高めたADF付き複合機「PIXUS MX7600」
キヤノンはビジネス向けのインクジェット複合機「PIXUS MX7600」と、重量2キロのA4対応モバイルプリンタ「PIXUS iP100」を5月下旬に発売する。実売8000円前後のA4プリンタも投入:両面ADF、有線LAN、FAX搭載のインクジェット複合機――キヤノン「PIXUS MX850」
キヤノンはホームオフィス向けのインクジェット複合機「PIXUS MX850」と、A4単機能プリンタのエントリーモデル「PIXUS iP2600」を3月上旬に発売する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.