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第4回 かなーり心地よいHelixの「変形+着脱」機構、各モードのメリットを再確認してみる「ThinkPad Helix」ロードテスト(1/2 ページ)

ThinkPad Helixには、ラップトップモード、スタンドモード、タブレットプラスモード、タブレットモード、4つのスタイルに変形する機構がある。これを使っていくうえで基本となるのは、やはりラップトップモードとタブレットモードになるだろう。

ThinkPad Helix、各モードの実用性を確認する

レノボ・ジャパン「ThinkPad Helix」

 着脱変形機構を特長とするハイブリッドUltrabook「ThinkPad Helix」は、ラップトップモード、スタンドモード、タブレットプラスモード、タブレットモードという4つの形態がある。

 中でも使う機会が多いと思うラップトップ(ノートPC)モードは、Helixのフルパワーが得られるモードだ。ThinkPad Helixは、CPUに搭載されたcTDP(Configurable Thermal Design Power:設定可能な熱設計電力)と呼ぶTDPを切り替える仕組みを採用しており、形状(モード)変更に応じてこれが切り替わる。ラップトップモードではTDP 最大17ワットで動作、他方のスタンドモードとタブレットプラスモードではこれが同13ワットに、そしてタブレットモードでは同10ワットと設定されている。

 ラップトップモードでは計3基のファンで冷却する。1基はタブレット/本体部に内蔵、残る2基はキーボードドックのヒンジ部に内蔵されている。タブレット時は1基のみのファンで冷却するので、TDP 17ワットでは発熱が冷却性能を超えてしまう──このため、TDPを切り替えて(落として)対応するというわけだ(逆に、タブレットモードは高負荷の処理はあまり行わないと想定されるため、TDPを落とすことでより長時間動作の方向に切り替わると考えてもいいだろう)。

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 なお、スタンドモードとタブレットプラスモードはキーボードドックに装着するので、ファンは計3基稼働する。ただ、これらのモードはタブレット/本体を裏返して装着するスタイル。裏面で熱放射ができず、結果として冷却性能が少し劣る可能性があるため、中間のTDPに設定している。

ヒンジ部分に搭載された2基のファン。ここからCPUのあるタブレット側へとエアフローを吹き付ける。左右2本のツノのようなものは、タブレット部をしっかりと安定して固定するドッキングガイドである
バッテリーのみのキーボードドックはかなり薄く、熱さそのものX1 Carbonとだいたい同じだ。パームレストやキートップ部はほとんど発熱しない。熱による不快さをほぼ感じず、これも“良好なキーボード環境”とする評価の1つになる

 さて、ThinkPad Helixはタブレット部に(PCとして動作が完結するよう)CPUやその他PCとしての基本部品が内蔵されている。そのため熱くなるのはタブレット部裏面に集中する。キーボードドックには発熱する可能性のある部品がバッテリー程度しかなく、キーボード操作時に感じる熱による不快さはほとんどない。タブレット部、特に裏面はそこそこ熱を持ち、それはディスプレイを閉じる際に「んん?」と感じるほどに発熱する。そしてベンチマークテストのような高い負荷をかけると、簡易赤外線温度計測定で50度ほどまで温度が上昇し、明確に「熱い」という印象に変わる。

Helixの赤ポッチは、高さを抑えた専用設計のものとなっている。キャップ形状はソフトドームタイプに限定されるのが少し残念

 ほか、ThinkPadならではのトラックポイントのキャップ──“赤ポッチ”も少し気になる。ThinkPad Helixのキーボードはその薄さを実現するため、専用サイズのキャップを採用している。専用のため、既存ThinkPadシリーズのそれのように数種類のキャップはなく、標準で採用されている「ソフトドーム」形状に限られる。「ソフトリム」や「クラシックドーム」タイプが用意されていないのは少し残念だ。

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