レビュー

「Let'snote RZ4」で“Core M”の性能を試す注目PC最速レビュー(1/3 ページ)

久々の10.1型ディスプレイ、2in1で重さ745グラムのボディ、そして衝撃のブルー&カッパー。そんな注目ポイント満載のモデルが搭載した最新CPUの性能を検証。

ココが「○」
・10.1型ディスプレイ搭載のLet'snote
・最新のCore Mを搭載
・745グラムの軽量ボディ
ココが「×」
・評価が分かれる個性的なカラー
・実測7時間半のバッテリー駆動時間
・メモリ8GB構成は23万5000円から

思わず声が出る重さ745グラムのボディ

 Let'snote RZ4は、10.1型ディスプレイを搭載する2in1タイプのノートPCだ。クラムシェルスタイルとスレートスタイルの変形は、Let'snote AXシリーズやLet'snote MXシリーズ(そして、ほかのPCメーカーながらレノボのYOGAシリーズ)と同様の、液晶ディスプレイを360度開く“フリップ”方式を採用している。

多くのベテランLet'snoteユーザーが待っていた10.1型ディスプレイ搭載の「Let'snote RZ4」

 2in1タイプのノートPCでは、Let'snote RZ4のようなフリップ方式のほかに、液晶ディスプレイをスライドしてスレートスタイルに変形する方式や液晶ディスプレイ部分とキーボード部分を分離する着脱式(デタッチャブル)方式が主流になっている。

 スライド方式はスレートスタイルにしてタブレットのように使う場合でもキーボードが露出しないが、スライド機構が複雑になって重量がかさみ、機構が複雑ゆえに折りたたむのに手間がかかるケースもある。着脱方式は本体を取り外すだけでスレートスタイルに移行できるが、キーボード側に本体を支えるだけの重さが必要になるため、クラムシェルスタイルとして使う場合、本体とキーボードユニットを合わせると重くなってしまう。

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 フリップ方式は、液晶ディスプレイをぐりんと開いてクラムシェルスタイルからスレートスタイルに変形できるので移行の手間はかからない。また、着脱方式のようにキーボード側をバランスをとるためだけに重くする必要もない。

“変形”はLet'snote AXやLet'snote MXと同じように、液晶ディスプレイを360度開いてクラムシェルスタイルからスレートスタイルに移行する

堅牢性を実現する2つの新技術

 Let'snote RZ4はフリップ方式を採用することで、745グラムという軽さを実現した。同じフリップ方式を採用する2in1モデルでは、11.6型から13.3型のディスプレイを搭載することもあって本体の重さが1キロを超えているが、745グラムのLet'snote RZ4ならスレートスタイルにしてタブレットとして使う場合でも、10型ディスプレイ搭載タブレットと同じ感覚で本体を持って使い続けることができる。

 745グラムはNECのLaVie Zより軽い。LaVie Zはディスプレイサイズが13.3型なので、ディスプレイ対本体の重さという意味ではLet'snote RZ4を上回るが、本体を持ったときに、思わず「うぉ!」と声が出てしまうのは、LaVie ZもLet'snote RZ4も同じだった(評価者の個人的経験ではあるが)。Let'snote RZ4の場合は、2in1で同じサイズのディスプレイを搭載するタブレットとほぼ同じ重さを実現したということで実用的な価値がある。

 Let'snoteシリーズは、軽量化とともに衝撃に耐える堅牢性も重視している。Let'snote RZ4でも工場出荷時に「76センチ底面方向動作落下」「非動作時100キロf加圧振動」「非動作時自由落下」「非動作時局部加圧」「ヒンジ開閉耐久」「キーボード打鍵」といった試験に耐えている。軽量化と堅牢性を両立するために本体機構では「VHフレームストラクチャー」と「複合ダンパー構造」を導入した。

 VHフレームストラクチャーは、トップキャビネット(本体のキーボード側を構成するボディ。底面側はボトムキャビネットと呼ぶ)を構成するパネルで必要な強度にあわせて厚さを変えている。外部側面や主要部を四角に囲んだ“強度隔壁”では0.55~0.8ミリ厚のパネルを使う一方で、それ以外のパネルは0.4~0.45ミリと従来のLet'snoteシリーズの0.45~0.6ミリから薄くなった。また、トップキャビネットとボトムキャビネットを固定するネジも強度確保のために利用しており、ネジ穴周辺部分のパネルも強度確保のために厚くしている。

トップキャビネットに導入した「VHフレームストラクチャー」は、必要な強度にあわせてパネルの厚さを変えている

 複合ダンパー構造は、液晶ディスプレイを保護するために導入した。従来のLet'snoteと同じく天面にボンネット構造を導入してパネル内側の厚さを一部変える「偏肉構造」で強度確保と薄型化を両立しているが、それに加えて、液晶パネルの外側に硬度が異なる2種類のダンパーを重ねることで外部から受ける衝撃を吸収して液晶パネルを保護している。

 Let'snote RZ4の液晶ディスプレイで右端(左利きなら左端)をつかんで開閉すると、天面部分がしなるので不安になるかもしれないが、複合ダンパーの採用を知った上で、何度開閉しても液晶ディスプレイの表示に問題がないことを経験すれば、安心して使うことができるだろう。

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