ワコムの最新液晶ペンタブ「Cintiq 27QHD」を漫画家が使う:大きいことはいいことなのか!?(4/4 ページ)
ワコムから登場した液晶ペンタブレットの新たなフラッグシップモデル「Cintiq 27QHD」を現役漫画家が最速レビュー!
多様なポジションを可能にするCintiq Ergo Stand
Cintiq 27QHDは大画面と引き替えに卓上でかなりのスペースを占有する。今回、110(幅)×73(奥行き)センチの大きめの机に本体を設置してみたが、左右に多少のスペースはあまるものの、結局“Cintiq 27QHD専用机”になってしまって別の作業をするスペースは作れなかった。
しかし、オプションの「Cintiq Ergo Stand」に本体を取り付けて使えば、設置の自由度は高まる。これは24HDが標準搭載していたスタンド機能と同じもので、ディスプレイを垂直に設置したり、あるいは机より手前に引き出したりできるようになる。スタンドはパドル操作で簡単にポジションの変更が可能だ。
垂直設置が可能になると、普段は通常のディスプレイと同じように使い、ペンタブレットとして使う際はディスプレイを寝かせて作業するといったことが可能になる。スタンドの台座自体が奥行き38センチと大きく、垂直ポジションでもそれなりに場所はとるのだが、大きな机であれば“Cintiq 27QHD専用の机”化は回避できるだろう。
以上、Cintiq 27QHDの使用感をレビューしてきた。大きな作業スペースが必要で、さらにディスプレイを1台で済ませたいという人にオススメできる製品だというのが筆者の感想だ。ExpressKey Remoteの採用により操作スタイルが自由になるなど、コツコツと付加機能が進化しているとも感じられた。
一方で、液晶ペンタブレットとしての基本性能については、従来の大画面モデルからそれほど大きな変化は感じられない。13HDの発表時は、画素密度の向上や液晶面の視差軽減などでペンのダイレクト感が高まったことに感心し、同じような進化が大画面モデルにも起きると期待していただけにやや残念だ。個人的には大画面化よりも、今後はペンのダイレクト感を高める高画素密度化・視差軽減・読み取り精度向上といった進化を期待したい。
関連記事
漫画家も欲しがる液晶ペンタブ:お手軽サイズでもプロ仕様!! 「Cintiq 13HD」で描いてみたよ
コンパクトなボディにプロ向けツールとしての性能をギュッと詰め込んだ液晶ペンタブレット「Cintiq 13HD」。液晶画面の解像度も従来モデルからグッと増え、紙のような使い心地をより高いレベルで実現している。知られざる“お絵描き”性能に迫る:筆圧1024段階で5万円台のWindows 8タブレット――「Latitude 10」は漫画家を満足させられるか?
1024段階の筆圧レベルに対応し、画面に直接お絵描きできる“液晶ペンタブレット”的なWindows 8タブレット――それがデルの「Latitude 10」だ。10.1型のピュアタブレットは果たしてイラスト制作に耐える能力を持っているのか? 新米漫画家が試す。こいつ……描けるぞ!:「VAIO Duo 11」を“お絵かきマシン”として使ってみる
“お絵かき”を趣味や仕事にする人にとって、筆圧対応ペンが付属するWindows 8モバイルPC「VAIO Duo 11」は実に興味深い。ソフトの制限はあるが、持ち歩けるお絵かきマシンとしての可能性をビンビン感じるのだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.