3万4800円のお手軽モバイルPC 「m-Book C」実力検証(3/3 ページ)
気軽に持ち運んで自由に使えるモバイルPCがあると、合間に学校の課題や打ち合わせの準備をしたりでき、時間を効率的に使える。SNSでちょっと気の利いた投稿をするにも便利だ。
地味な改良の成果か、ストレスがない操作感
ベンチマークテストで性能を確認しよう。評価機のスペックはCPUがCeleron N3450(開発コード名=Apollo Lake)、メモリが4GB、グラフィックス機能がIntel HD Graphics 500(CPU内蔵)、メインストレージが32GB SSD(ADATA SP600)、OSは64bit版Windows 10 Home という内容だ。
Atom系の中では最新のApollo Lakeを搭載しているためか、PCMark 8のスコアはHomeで1862と、Cherry Trail搭載タブレットなどと比べて1.5~2割ほど良いスコアが出ている。オフィスでの基本的な作業をシミュレートするWorkでは2772とかなり良いスコアだ。
Serial ATA接続のSSDのCrystalDiskMarkのスコアは、シーケンシャルリードが一般的なeMMCよりは良いが、さほどの違いはない。32GBという小容量ではNAND構成、独立コントローラの最適化の余地も少なく、ワンチップのeMMCと似たような性能になるのだろう。
もっとも、体感性能は悪くない。Atom系CPUを搭載したモデルとしてはモタ付き感がない。Cherry TrailやBraswellを搭載した製品に比べてストレスは明らかに少ない。地味に改良の成果か操作感にストレスは感じない。
3D系ベンチマークテストの結果は下記の通り。基本的にゲームには向かないが、ブラウザベースのソーシャルゲーム程度ならば問題なくできる。
静音ではないが放熱性能は優秀
バッテリー駆動時間は、bbench 1.01(海人氏・作)を使い、無線LANで常時接続し、60秒間隔でのWebサイト訪問、10秒間隔でのテキスト入力を行なう設定で計測した。電源プランは「バランス」で、バッテリー駆動時のディスプレイの輝度は40%で固定した。結果は、バッテリー残量5%になるまで、5時間44分動作した。ビジネスをバリバリこなす用途には少し物足りないが、許容範囲だろう。
静音性については、最近のPCとしてはあまり優秀とはいいがたい。アイドル時の動作音は基本的には目立たないが、バックグラウンドタスクの影響か不意に動作音が大きくなることがある。動画再生時などは普通の音量でコンテンツを楽しんでいれば気になることはないものの、それなりの音はする。発熱は底面の左端が中心だが、手がよく触れるパームレストまではほとんど伝わってこない。これから暖かくなっても熱が原因で不快になることはなさそうだ。
前面正面5cmの距離からの測定(室温20度、暗騒音32dB) | |
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アイドル時: | 34.3dB |
低負荷時(Hulu高画質動画再生: | 38.6dB |
高負荷時(3DMark/Cloud Gate): | 45.4dB |
サブマシンに最適なコスパ抜群のモバイルノート
マウスコンピューターのWebサイトでの直販価格は3万4800円(税抜)だ。送料/手数料、税金を含めた総額では4万円をわずかに上回るが、それでもコストパフォーマンスは抜群だろう。
この3万4800円のモデルはストレージ容量が32GBと少ないため、容量をやりくりする運用の工夫が必須だが、こうした工夫が面倒な場合は、ストレージ容量の多い上位モデルを選ぶと良い。4万4800円で500GB HDDのモデル(MB-C250B1)と120GB SSDのモデル(MB-C250B1-S1)が用意されているが、筆者のお勧めは断然後者。HDDとSSDでは体感性能が天と地ほどに違うし、120GBあれば基本的な作業であれば当面不足なく、足りなくなれば外付けやクラウドを活用した運用をするのも難しくない。
用途としてはWebブラウズや動画鑑賞、SNSへの投稿などといった基本的な作業に限定されるが、最新のCPUとSSDの採用によって、そうした作業であればストレスなくこなすことができ、しっかり打てるキーボードを搭載しているので、レポート作成、企画書や報告書を作成などにも適している。そして、小型軽量なのでどこでも気軽に持ち出して使えて、低価格であるということがセールスポイントだ。入門用PC、あるいはサブPCとして、低価格なモバイルPCを探している人は検討してみてはいかがだろうか。
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