iPad Pro 10.5とSurface Proを比較 人気プロ絵師によるお絵描きレビュー(2/5 ページ)
旬なデバイスのお絵描き性能をrefeia先生が確かめる。描き味の簡単なインプレッションをお願いしたらなぜかガチレビューに。
iPad ProとSurface Proのペンを見比べる
つぎにペンを見てみましょう。Surface Proは遅延と筆圧レベルが向上し、傾き検出に対応した新Surfaceペンが、iPad Proは従来のApple Pencilが利用できます。重量はともに約21gで、いずれもペンとしてはずっしりとした重みを感じます。
ちなみにワコムのプロペン2は約15gで、自分が一番使い慣れたワコムの細身のクラシックペンは約12g。筆記用には重いペンを好まれる方も多いと思いますが、お絵描き用には軽いほうがよいと個人的には思っているので、ワコムのペンがしっくり来ます。
特にApple Pencilは長くて重心が高い上に、重い金属部品が両端に寄った作りのため、指を使った動きをしようとすると慣性力による抵抗を強く感じます。対してワコムのプロペン2は持ったときに軽く、重心が親指と人差し指の輪っかの中ほどにあるので非常に動かしやすいです。このあたりはペンタブレットを作り続けてきたメーカーはさすがに強いと思えましたし、出るかは知りませんがApple Pencilの新型には改善を期待したい部分でもあります。
ガジェオタ的にペンの性能を比較してみる
さて、今回は2機種ということもあってレビューの負担も大きいし、簡単に描画してみてインプレッション述べてくれればいいですよ、と編集Gさんには言われているのですが、せっかく手元に旬の最新ガジェットが2つそろっているじゃないですか。いろいろ血が騒ぐじゃないですか。
なので、ジッターと視差、遅延、筆圧について、簡単に見比べておくことにしました。
まずはジッターからです。ジッターとは、タブレットにゆっくりと斜めの線を引いたときに、意図していないのに線がぐにゃぐにゃと曲がる現象です。長らく、ワコム製以外のWindowsタブレットで、これが解決している機種は大変珍しい存在でした。
それでは、新しいSurface Proはどうでしょうか。今回は新Surfaceペンと、旧Surfaceペンの両方をお借りできたので比べてみます。ジッターの有無を見る方法は、フリーハンドでゆっくり、斜め線を並行に引きます。何本か引いて、パターンのような揺らぎが見える場合は手振れではなくジッターです。以下がある機種でジッターが発生している様子です。
また、以前iPad Proにガラスフィルムを貼ったらジッターが出るようになった経験から、今回は両機種でiPad Pro用のガラスフィルムを貼り付けた状態も含めてテストしています。樹脂のフィルムは手元になかったのでクリアファイルを乗せ状態で試していますが、こちらはあまり参考にしないでください。さらに、他機種でペンを大きく傾けて描いた場合にジッターが強く出るケースがあったため、こちらも両機種で試しています。
さて、Surfaceペンの結果です。どうでしょう。新ペンでは一定間隔でピクリと跳ねる不思議なジッターが表れていますが、 ごく小さいです。旧ペンではやや大きな波線になっています。新ペンのジッターはお絵描きソフトの手振れ補正が有効になっていれば気にしなくてよいレベル。自分はこれは本当に上出来だと思いますし、Surfaceペンがついにジッターを気にしなくていい状態になったと感激しました。対して旧ペンは正直なところ、がっつり作業するにはちょっと……という状態です。
次にiPad Proです。この安心感……! というレベルの優秀さですね。しかしやはり、ガラスフィルムを貼った状態では若干ジッターが表れています。
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