ナイアンティックが東京に開発拠点 エンジニアやデザイナーを年内に倍増へ
IngressやポケモンGOを開発・運営しているNianticが都内に開発拠点「Tokyo Studio」を開設。ポケモンGOのゲームディレクターとして知られる野村達雄氏が代表を務め、ARや位置情報技術を用いた新規コンテンツの開発にも取り組む。
位置情報ゲーム「Ingress」(イングレス)や「Pokemon GO」(ポケモンGO)を開発・運営している米Nianticの日本法人・Niantic Japanが都内に開発拠点「Tokyo Studio」を開設した。ポケモンGOのゲームディレクターとして知られる野村達雄氏が代表を務め、ARや位置情報技術を用いた新規コンテンツの開発にも取り組む。「日本から世界に向け、グローバル基準でインパクトのあるプロダクトを発信する」(野村氏)
Tokyo Studio設立の理由について野村氏は、「これまでは(開発拠点間の)時差や文化の違いなど、乗り越えなければならない壁が多かった。日本に軸足を置くことで開発速度を上げたい」と話す。また位置情報ゲームの舞台あるいは市場として日本は重要だという。「歴史のある日本は、街中に面白いスポットがたくさんある。例えばポケモンGOでは、渋谷あたりに『みずポケモン』がたくさん出ることを不思議に思ったプレイヤーが調べたところ、暗渠(あんきょ)だったという話がある。またIngressやポケモンGOのプレイヤーも多く、市場としての可能性も感じている」と話す。
Tokyo Studioでは今後、IngressやポケモンGOの開発を継続するとともに、エンジニアやデザイナーの採用を進め、新規コンテンツの開発にも取り組む。スタッフの数は「年内に倍程度」(野村氏)に増やす方針だ。「Nianticは、『人を外に連れ出す』ことが究極のミッション。位置情報やARといった技術を用い、Nianticのプラットフォーム上で新しいタイトルのゲームを作る。現状、スタッフは全員日本人だが、国籍や年齢、性別は問わずNianticのミッションに共感していただける方にジョインしてほしい」(野村氏)
Niantic Japanの村井説人代表は、「NianticはARや位置情報のパイオニア。『未来の主役』になる技術と捉えている。一方で日本には、映画やアニメ、ゲームなど、世界に誇る、世界で評価されているIP(知的財産)がたくさんある。日本にチームを作ってコラボすることが重要」と期待を寄せた。
Nianticは、2010年に米Googleの社内スタートアップとして設立。12年に発表したIngressが累計2000万ダウンロードのヒット作となり、15年にGoogleからスピンアウト。翌16年にはポケモンGOをリリースし、累計ダウンロード数は全世界で8億を超えている。
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