その名はnull4(テトラヌル)――大阪・関西万博の「null2」の次世代パビリオンが2027年の横浜園芸博に“転生” 落合陽一氏が語る狙いとは?:null2は2026年中に「null2n」として常設化(1/3 ページ)
大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「null2(ヌルヌル)」がGREEN×EXPO 2027に“「null4(テトラヌル)」として転生することになった。それに先駆けて、null2を常設展示化した「null2n(ヌルヌルネクサス)」が2026年内に横浜ランドマークタワーにオープンする。
TEAMZは4月7日から8日にかけて、東京都内でWeb3/AIのイベント「TEAMZ SUMMIT 2026」を開催した。
本イベントのメインステージではさまざまな講演が行われたが、特に注目が集まっていたのが、2025年の大阪・関西万博におけるシグネチャーパビリオンの1つ「null2(ヌルヌル)」のプロデューサーを務めたメディアアーティストの落合陽一氏による講演だ。
「null2」は、建物の斬新なフォルムで大きな話題となったが、2027年に横浜市で開催される「2027年国際園芸博(GREEN×EXPO 2027)」では、null2が“転生”したという設定のパビリオン「null4(テトラヌル)」が設置される。
これまで、null4は名前しか明らかにされていなかったが、落合氏は今回の講演で外観やコンセプト、設置場所などを初公開すると予告していた。これは聞きに行くしかない――そう考えた筆者は、落合氏の講演を取材した。
4つの回転するパビリオンから構成される「null4」
null4に関する講演は、落合氏とマクニカの宮城教和氏(DXコンサルティング統括部 統括部長)の2人によって行われた。「null4」という名前は、null2の2乗、つまりnullの4乗という意味で「テトラヌル」と読む。
落合氏の発言は以下の通りだ。
大阪・関西万博の「null2」は、非常に多くの人に来ていただいた。外観だけなら1200万人くらいの人が見ていて、中に入った人も53万人以上だ。日本の美術館の中ではかなりたくさん入った方だと思う。大阪・関西万博は2025年で終わったが、日本でやる最後の文化的な大きなイベントになるかもしれない2027年の国際園芸博が続いて開催されるということがポイントだ。
null2は、もう一度見たいという人が非常に多かった。null2は20万人のデジタルヒューマンを作ったプロジェクトで、デジタルの世界に自分のコピーや音声、データを持っていった。移転プロジェクトのクラウドファンディングも、1日で1億円くらい集まった。
今回、発表するnull4は、ヌルヌルとヌルヌルで「テトラヌル」になっている。場所は(国際園芸博会場の)「SATOYAMA Village」にある横浜市の花壇の奥で、4つのパビリオンが並んで回転する。花畑の中央でAI制御で回転し、“しゃべる建物”が4つある。
「園芸博なのに、なんでこんなものを持ってくるんだ?」という話もあるが、園芸を単に緑で見せても能がないので、鏡によって反射される、庭園が変わっていったときに、風景を変え続ける彫刻であり、建築であり、パビリオンでもある、といったものができるといいなと考えて作っている。
パビリオンを回転させるのは、工学的な困難がたくさんあるが、頑張って作っている。元々null2を作ったきっかけは、ヌルヌルする彫刻を昔から作っていて、でも「パビリオンのサイズで曲面形状は、なかなか作れないだろう」と思って、ああいう形にしたのだが、大阪・関西万博を通して曲面形状も頑張ったらできるということが分かり、やりきってみようということになった。前回(null2)のテーマは「さよならホモサピエンス」だった。「人間よりAIが賢くなったときに、人間は何をするんだろう?」と、人間はもうサピエンスじゃないよというところまで語り切ったが、今回のテーマは“その後”に焦点を当てている。
その後というと、自然と共に憩う人間というのが重要になる。AGI(汎用人工知能)が来たら「来年からどうしよう、俺?」とかみんなが言うと思う。なので「どうしよう、俺?」になった人たちが、庭に集ってお酒飲んだりとか、なんかふわっと空を見上げたりする伴走物として、人間より賢くて、でかくて、不思議な形をしたものがそこにあるというものを、うまく構成したいと思っている。
昼は花畑、夜はダンスパーティができるように(している)。実は、1棟の上がステージになっていて、DJライブもできるようになっている。昼と夜の“二面性”がある空間を構築している。
文明にさよならしたら、自然の中で憩うしかない。自己が解体して、その後「人間はどうやって戻ってくるんだろう?」というところをテーマにしたいなと考えている。「おかえりヌルの森」だ。
文明が自動発展し、サピエンスを手放した人類が憩う、最後の場所というところ。大阪・関西万博では「ヌルの森へようこそ」と言ってたんですが、本当の森に引っ越したのはなかなか味わい深い。
null2のMirrored Body(デジタルアバターを使った入場アプリ)は20万弱のダウンロードを達成し、万博会場からの移設費用を賄うためのクラウドファンディングは1日で支援額が1億円に達した。記録映画の上演も、30分で800席が埋まる盛況ぶりだった。宮城氏が社外取締役を務める「サステナブルパビリオン2025」は、null2の“永続的リユース”、言い換えるとMirrored Bodyの基盤を進化/発展させるビジネス開発をするための会社だ
null4は花壇の中に作られ、季節に応じて異なる表情を見せる。風景を“変換”する彫刻である4棟の回転するパビリオンがメインで、「展示」ではなく「未来を説明する場所」でもなく、「美しい計算機自然の余暇」をもたらすものとして開発したという
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