ニュース

Yoga搭載E Ink専任研究員に「親指シフトキーの対応は?」と聞いてみた(1/2 ページ)

レノボ・ジャパンが「Yoga新コンセプト」説明会を開催。個人向けのプレミアムなPCを「YOGA」、バリュークラスを「Ideapad」に。

 レノボ・ジャパンは、10月4日にデュアルディスプレイ搭載のノートPC「Yoga Book C930」をはじめとする新製品の日本市場投入を発表した。同日開いた製品説明会では、新製品それぞれの概要解説とともに、レノボにおける個人向けノートPCの新しいブランドコンセプトも紹介した。

 新しいブランドコンセプトについては、レノボ・ジャパンで執行役員常務を務める河島良輔氏から説明があった。レノボにおける「YOGA」ブランドは2012年から始まっているが、その当時のコンセプトでは、ディスプレイが360度回転することでクラムシェルスタイルのノートPCからテントモード、スタンドモード、そして、タブレットモードと、利用場面に合わせて使いやすい形態に変形できる柔軟な機構をヨガに例えていた。


Yogaの新コンセプトを説明する河島良輔氏

 レノボ・ジャパンは、新しいYOGAブランドコンセプトについて「Different is better」のキーワードを掲げた上で「自分の個性を表現できるPC」と述べている。さらに河島氏は、革新的で優れた品質を兼ね備えていることもYOGAの条件とした。「これからは、個人向けプレミアムなPCはYOGA、バリュークラスはIdeapadとしていく」(河島氏)

advertisement

新コンセプトは個性を重視する「Different is better」

 このコンセプトの変更に合わせて、レノボは個人向けPCのラインアップを一新した。Yoga Book C930以外にも、AV利用を重視した「Yoga C930」、CPUにSnapdragon 850を搭載したことで20時間を超えるバッテリー駆動を可能にした「Yoga C630」、そして、Yogaシリーズでは初めて「C」以外の識別文字を掲げた「Yoga S730」などが登場する。これらは既にIFA 2018の開催期間中に発表していたが、河島氏は日本市場投入時期と想定価格についても明らかにしている。


新コンセプトに合わせて個人向けPCラインアップも一新する

 新製品それぞれの具体的な特徴については、レノボ・ジャパンコンシューマー製品事業部部長の櫛田弘之氏から説明があった。


新製品の概要を説明する櫛田弘之氏

Yoga Book C930の薄さをアピール

ボディーの厚さは9.9mmで重さは無線LANモデルで775g

左側面

右側面

 デュアルディスプレイ搭載ノートPC「Yoga Book C930」では、キーボードユニットの代わりにE Inkを採用したメリットを訴求している。櫛田氏は、E Inkの画面を切り替えることでキーボードレイアウトを言語に合わせて自由に切り替えたり、付属する「Lenovo Precisionペン」を使った手書き入力を利用できたりと、柔軟な使い方を紹介。他にもユーザーのキータイプの傾向を学習してキートップの位置をずらしてタイプミスを減らす「アドバンスド・エルゴノミック・バーチャルレイアウト」などを解説した。

 これらの機能は従来のYoga Bookでも導入していたが、Yoga Book C930では、キーをタップしたときにタイプした感覚を再現するフィードバックを強化し、従来の振動やクリック音だけでなく、新たにアニメーションを導入して視覚的にもタイプしたことを認識できるようにしたと説明している。


キーボードユニットの代わりにE Inkを搭載した「Yoga Book C930」

キーボードレイアウトはJIS配列

ASCII配列など

言語に合わせて自由に変更できる

従来のYoga Bookと同様にタイピングを支援する機能を用意した

さらにタイプしたキーをアニメーションで再現することで視覚的にも確認できるようになった

キーボード手前のタッチパッド。サイズ固定の「クラシック」レイアウト

使わないときには小さく表示し。使うときに大きくできる「モダン」レイアウトを用意。キートップカラーではブラックとホワイトを選べる

さらに設定では、

E Inkに表示する画像も用意している

「ボディーが薄すぎてディスプレイが開けない」ため、天板を2回ノックすると自動で開く仕掛けも備える

入力デバイスとして「Lenovo Precisionペン」を付属

本体に磁力で固定可能。筆圧を4096階調で検知できる

 なお、E Inkの採用によってソフトウェアで入力キーやボタンの配置が自由に変えられるYoga Book C930だが、その変更を可能にするSDKやAPI情報をユーザーに公開する可能性について、大和事業所でE Inkパートの開発に携わったレノボ・ジャパン基礎研究・先端技術専任研究員の戸田良太氏は、「プログラムによる入力キーレイアウト変更は技術的に可能だが、キーロガーの埋め込みなどセキュリティリスクが懸念されるので、現時点では個人向けでも法人向けでも公開は考えていない」と説明している。また、グループ企業となった富士通が考案した「親指シフトキー」レイアウトに対応する可能性についても「現時点で私(戸田氏)は全く聞いていない」との回答だった。


主なスペックと出荷時期、そして想定価格

 「Yoga C630」ではCPUにSnapdragon 850を採用したことで可能になった「25時間のバッテリー駆動」がアピールされた(レノボ独自テストの結果。櫛田氏は「日本向け出荷で必要になるJEITA準拠のテストでは、25時間よりやや短くなるかもしれない」と説明している)。

 また、櫛田氏は、LTEモデルの投入や指紋センサーによる認証、重さ1.2kg、厚さ12.5mmの軽量薄型ボディーといった携帯利用で重要な要素を備えている点、手のひらの感触が快適になるようにソフトタッチ加工を施したパームレスト、アルミニウム天板にメタルヒンジといったアクセントなどデザイン面の工夫も取り上げた。なお、日本市場出荷時期については「2018年中」としたものの、想定価格については現在精査中として明らかにしていない。


Snapdragon 850を搭載した「Yoga C630」

左側面

右側面

長時間バッテリー駆動だけでなく、デザインや使い勝手も重視する

Yoga C630の主なスペックと出荷予定時期。価格は未定
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.