「プログラミング教育」が必修化されたのはなぜ? それを支える「GIGAスクール構想」とは?:短期集中連載「プログラミング教育とGIGAスクール構想」 第1回(1/4 ページ)
2020年度は小学校、2021年度は中学校で新しい「学習指導要領」が完全実施される。特に小学校の課程では「プログラミング教育」が導入されるなど、非常に大きな変化がもたらされる。必須化の背景はどこにあるのか、そしてそれを支える「GIGAスクール構想」とは何なのか。
この4月から2020年度が始まり、小学校の教育課程で新しい「学習指導要領」が完全実施された。2021年度には、中学校の教育課程における新学習指導要領も完全実施される。
学習指導要領は、ほぼ10年に1回の頻度で改訂されている。今回の改訂では、各教科において「プログラミング教育」や「アクティブ・ラーニング」が導入され、小学校における「外国語」が正式な教科となる。従来の改訂と比べると“改革”ともいえる比較的大きな変更といえる。
しかし、この指導要領改訂の“肝(きも)”ともいえる、小中学校へのPCの導入台数は、まだまだ少ない。この課題を解決すべく、文部科学省は2019年12月、「児童・生徒に1人1台のPC」の実現を目指す「GIGAスクール構想」を発表。全国の小中学校のICT環境の整備支援を急ぐことになった。
このように、今年(2020年)は、子どもの教育現場が大きく変わる年となる。そこで、数回に分けて、プログラミング教育の“そもそも”の話から現場の最前線まで、教育に起こっている変化を追いかけることにした。
今回はプログラミング教育が必修化された背景と、それを支えるGIGAスクール構想について解説する。
本連載の執筆に当たり、NECの田畑太嗣氏からさまざまな話を伺った。田畑氏はNECの第一官公ソリューション事業部の初中等・教育産業グループで部長を務め、日本教育情報化振興会 政策検討委員会の委員、学習ソフトウェア情報研究センターの理事や、文部科学省の「2020年代における教育の情報化に関する懇談会」のメンバーなどを歴任してきた。日本の情報教育に関する第一人者である。
なお、記事中で掲載している資料は、特記のない限り文部科学省が公開しているものを利用している。
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