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富士通の「親指シフトキーボード」が2021年5月をもって終息 関連ソフトも販売終了へ

1980年に誕生した富士通の「親指シフトキーボード」。その販売が2021年5月をもって終息することになった。これに伴い、同キーボードをサポートするワープロソフト「OASYS」とIMEソフト「Japanist」などの販売も順次終了する。

 富士通は5月19日、同社が考案した「親指シフト」配列のキーボードの販売を2021年5月をもって終了することを発表した。それに伴い、同配列キーボードを搭載する「LIFEBOOK」の企業向けカスタムメイドモデル、同配列キーボードをサポートするワープロソフト「OASYS V10.0」やIMEソフト「Japanist 10」の販売も順次終了する。


富士通の親指シフトキーボード「FMV-KB613」(出典:富士通)

 親指シフト配列のキーボードは、富士通が1980年5月に発売したワードプロセッサ「OASYS 100」で初めて世に送り出された。その後、OASYSはもちろん、同社のPC「FM R」や「FM TOWNS」、FM R/TOWNSの後継となるPC/AT互換機「FMV」にも親指シフトキーボードのオプションが用意されてきた。日本語入力時の効率が良いことから、同配列のキーボードは現在でも熱狂的なファンが存在する。

 富士通は「JIS配列キーボードがデファクトスタンダードとなり、親指シフトの機能優位性を十分に訴求できない状況が続いて」いる中で、親指シフトキーボードを存続すべく「業務効率化や商品の価格アップなどの施策を講じて」きたものの、やむなく同キーボードの販売とサポートを終了することになったという。

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OASYS 100で初採用された親指シフトキーボード。当時、同機種のプリンター込みの販売価格は270万円だった(出典:富士通)

販売とサポートを終了する製品

 富士通が販売とサポートを終了する親指シフトキーボードとその関連製品は以下の通り。

  • LIFEBOOKカスタムメイドモデル(親指シフトオプション):2021年3月販売終了、2026年4月サポート終了
  • FMV-KB613(PS/2接続キーボード):2021年5月販売終了、2026年6月サポート終了
  • FMV-KB232(USB接続キーボード):同上
  • OASYS V10.0:2021年5月販売終了、2024年5月サポート終了(※1)
  • Japanist 10:2021年5月販売終了、2026年6月サポート終了(※2)

(※1)個人向け販売分については、2020年9月販売終了、2023年9月サポート終了
(※2)2024年6月以降は新規の障害(不具合)調査やソフトウェア修正は行わない

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