みんな、11インチiPad Proの256GB版を買うといい(4/6 ページ)
さぁ、プロイラストレーターのrefeia先生がみんなの悩みにズバリ答えるよ! そう、買いたいけどなかなか踏ん切りが付かないiPad Proのお話です。
メインメモリ6GBは必要?
さて、次は6GBのメインメモリです。現状、明らかに必要とは言えません。なぜなら、今までのiPad Proといえば4GBしかなく、OSもアプリも4GB製品のために設計されてきたからです。それは今後も当面は続くと思いますし、有利になるとしても、お絵かきアプリや画製作成などの、ヘビーなクリエイティブ系のアプリの動作が滑らかになる程度にとどまると思います。
それでもなお、今から4GBに行くのは避けておきたいといえるポイントが2点あります。
- iPadOSはPCライクに進化しようとしている
- iOS製品はメモリ容量を境目にしてフェードアウトさせられる
この2つです。
まずiPadOSでは、マルチタスクとファイル管理などがずっとリッチになり、マウスとトラックパッドに対応し、2020年にはiPad Pro用のMagic Keyboardが発売されました。
「iPad Proは、今後、PCのように、多機能に、多様に、マルチタスクに、なります……カチコチ……カチコチ……」方向指示器の音がしますね。iPadOSもiPad Pro自体も、今までよりリッチな、メモリを大量に使う機能も増えていくでしょうし、キーボードとトラックパッドやマウスを駆使して重いWebアプリのブラウザタブを大量に開いて──のようなPC的に使う機会もあるかもしれません。
もう1つ、メインメモリの多い方が良い理由は、iOS製品は伝統的に、あるメモリ容量から下はOSのアップデートから外れたり、動作速度が低下しがちになったりすることです。
例えばiOS 13では、iPhone 5s、iPhone 、初代iPad Airなどのメモリ1GB機がサポート対象から外れました。また、2010年に発売された初代iPadは、同年に発売されたiPhone 4より画面表示用リソースなどが多く必要になるのが分かり切っているにも関わらず、メインメモリがiPhone 4の半分の256MBしか搭載されていませんでした。
その結果、iOSのメジャーアップデートが発売後2年までという短さで、他の機種よりだいぶ早く退役iOSデバイスにされてしまいました。このAppleの“悪逆非道”をボクは忘れていません。
メインメモリ4GBの従来のiPad Proがすぐさま冷遇されていくとは思えませんが、iPad Proには今後メモリが必要になっていく気配が満ちています。中古が安く手に入るとか、既にiPad Proを持っているとかならいいですが、今から買うのにわずかな額を節約して4GB版へ行くのは控えた方が良いでしょう。
ストレージの余裕は心の余裕
次にストレージです。これも自分が好きな容量を買えばいいのですが、迷っている人向けに、256GB決め打ちで損はしないという話をしようと思います。自分は128GBでやりくりできるだろうと思っていましたが、あえて256GBを買いました。なぜかというと、iPad Proはストレージを増設できないので、何か都合が悪いとすぐに詰んでしまうからです。
ポータブルSSDやUSBメモリを活用するのはどうでしょう。最近は外部ストレージが飛躍的に使いやすくなりましたが、まだ暗号化ファイルシステムに対応していません。自分なら、仕事やプライベートに関係あるデータを暗号化なしで持ち歩きたくはないです。
クラウドストレージを使えばよいという説もあります。自分も、データの軸はクラウドストレージにしています。ですが、PCでもそうですが、クラウドストレージはどれだけローカルにあるまま使える機会を増やすかが快適さに直結します。容量が逼迫(ひっぱく)してしまえば手元に保持する設定も限界があるでしょうし、キャッシュの挙動も貧相になるでしょう。待ち時間や手間が面倒になってしまっては元も子もありません。クラウドなら無限~みたいな過信はしない方が良いと思います。
もう1つ、iPad Proを中古で売ることも考えているなら、最上位または最下位といった「端」のモデルを避けておくと、買い取り価格が維持されやすいのでは、という考え方もできます。
ランキングを見ていると、128GBモデルも十分にボリュームゾーンっぽいです。ただ、今仮に3年前のiPad Proを買うなら「64GBだとProとしては心もとないな……」と思いますよね。そして、いま十分に使えると思って128GBを買ったとします。これを3~4年後に売ろうとした場合はどうでしょうか。
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