今ベストな「5万円台スト5PC」の形を再考する【追加ベンチマーク編】:お手軽ゲーミングPCの道(5/5 ページ)
2020年3月からスタートした本連載だが、この4カ月間で外部環境が大きく変化した。それらの最新動向をチェックしつつ、初号機のAMDモデルに加え、弐号機のIntelモデルを作り、格安ゲーミングPCの勘所を探った。
興味深い結果も
ということで、ストVベンチ、FFXVベンチ、PCMark 10の3つの測定結果についてより細かく見ていくことにする。
まずストVベンチは、3つのGPU全てでほぼ60fpsをマーク。優劣差は見当たらない。この3つのGPUでは、どれもストVは余裕だということだ。
そして、FFXVベンチはGeForce GTX 1660が明確に優秀なスコアを収めていることに興味が湧く。まあ、これはPC版「ファイナルファンタジーXV」の開発において、NVIDIAのシェーダーライブラリー「NVIDIA GameWorks」を利用したことが公言されているので、そのあたりの影響が出てた可能性が高いのだろうか。
PCMark10は、意外にも両CPUともに最も古いGPUのRadeon RX 570がトップスコアをマーク。この結果は意外だが、よく考えると納得できそうな理由が思いつく。PCMark10は、3DCG関連のテストもあるにはあるが、2DCG関連や映像/写真加工のテストが多い。
そうしたテストでは、メインメモリ/グラフィックスメモリ間の転送が多くなり、同時にGPUコアからのグラフィックスメモリへのアクセス頻度も高くなる。そう、PCMark10のスコアはグラフィックスメモリ帯域性能を反映しやすいということだ。
Radeon RX 570は、世代的には古いGPUだが、グラフィックスメモリバスが256bit幅で、このバス幅が8GHz相当のGDDR5メモリと組み合わされることで、その帯域は毎秒256GBに達する。この値は、他2つのGPUよりもだいぶ高い値だ。Radeon RX 570がトップスコアの理由はここにありそうだ。
終わりに
「Ryzen 5 1600AF」は、オリジナルの「5万円台スト5PC」で見繕ったCPU「Ryzen 5 1600」の実質的なマイチェンモデルなので、まぁ想像通り、PC版ストリートファイターVを最高設定でプレイするにあたって何の問題もなかった。
6コア6スレッドのCore i5-9400Fも、同様に問題なしだ。これも、前回のベンチマークテスト編で6コア6スレッドのRyzen 5 3500で問題がなかったので、この結果にも「まぁそうだよね」という感想しか出てこないかもしれない。Radeon RX 5500 XTとGeForce GTX 1660の2つのGPU達についても同様だろう。
ただ、今回の追加ベンチマークテストによって、PC版ストVを最高設定で快適に遊ぶためのCPU選び、GPU選びの目安情報が増えたことは、「自作PCにあまり詳しくない人」や「手持ちPCのGPUアップグレードを考えている人」にとっては参考になったのではないかと思う。
この連載で作ったオリジナルの5万円台スト5PCでは、AMDのCPUとGPUの組み合わせになってしまっていたが、今回の評価で、IntelのCPUとNVIDIAのGPUを組み合わせでも、PC版ストVを最高設定で快適に遊べるPCは(そこそこ安価に)作れる! と言うことを示せたのは良かったと思う。
今回はここまで。
次回は、「PCの性能測定」的なところから一旦離れて、PC版ストVを快適にプレイするためのグッズ選びのような話をしていきたいと思う。
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