PCがクラッシュ! 締め切りが目前に迫ったときにあなたはどうする?【前編】(2/3 ページ)
PCは突然に壊れる。それは予想もしなかったときに、切羽詰まった土壇場で発生する。そのとき、あなたはどうする?
わらにもすがる思いでデータ復旧会社へ連絡
スマートフォンでデータ復旧会社をいろいろと見比べる。30分後、TVなどでよく取り上げられている会社を選んだ。24時間電話対応していたので、おもむろにかけてみると、
「直接、記憶媒体を調査するので機材を持ち込んでほしい」
と言われた。仕方なくPCを購入時の段ボールに詰め、キャリーカートに入れて、僕が住んでいる東村山から銀座まで1時間以上かけてゴロゴロと運んだ。
大きなビルのワンフロアにある会社に到着すると、すぐにPCを検査してもらうことになった。
検査には1時間以上かかるので一旦外出しても良いと言われたが、コロナ禍の銀座をウロウロと出歩くのも気が引けたため、面接用の部屋で待たせてもらった。
待っている間に、編集者に
「PCが急に壊れてしまいました!! 締め切り遅れそうです!!」
とメールを送る。こういう場合、編集者はまず真に受けてくれない。
「PCが壊れたということにして、締め切りを伸ばそうとしているんだな」
と受け取る。
「分かりました(ニヤニヤ)。なるべく早く描いてくださいね~」
と返信が来る。
「いやいや、本当の本当に壊れたんですー!!」
と心の叫びを電波に乗せていると、検査が終わり担当者が戻ってきた。
「HDD機器を調べさせてもらったのですが、理由は分かりませんが磁気ヘッドの部分が動かなくなっていました。ただし不幸中の幸いで、磁気ディスクには全く傷が入っていなかったのでデータを復旧できる可能性は高いです」
と説明してくれた。
ひとまずはホッとしたが、見積書を見てめまいが発生した。
- 部品交換/物理修復費:4万8000円
- クローン作製費:5000円
- 論理解析費:0円
- 論理作業費:2万2000円
- 成功報酬費:3万円
お見積もり金額:税込み11万5500円
である。
11万円以上もかかってしまっては、仮にデータが復旧しても完全に赤字である。逆にもし復旧できなかったら、締め切りは完全にアウトだ。
少し悩んだものの、やはり締め切りを優先させることにし、PCを預けて肩を落としながら帰宅した。
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