「M1 Ultra」という唯一無二の超高性能チップをAppleが生み出せた理由:本田雅一のクロスオーバーデジタル(5/5 ページ)
M1 Maxで最大と思われていたAppleの独自チップだが、それを2つ連結させた「M1 Ultra」が登場した。半導体設計、OSと開発ツール、エンドユーザー製品の企画開発、その全てを束ねるAppleだからこそ生み出せた唯一無二のチップだ。
Macの移行完了はどうなるのか
今回のM1 UltraとMac Studio、そしてカメラ、マイク、スピーカーの品質を高めた「Studio Display」の登場で、iMacの27インチモデルは現行モデルから消えた。Mac StudioとStudio Displayで代替できるためだ。
しかし、前述したようにメモリやPCI Expressカードの拡張性で違いがあるため、Mac Proは現行機種として残っている。もう一つ、Mac miniのIntelプロセッサモデルも販売が継続されているが、こちらはどこかのタイミングで、M1 Pro搭載モデルが用意される可能性もある。M1 Pro搭載モデルがMac Studioに用意されていないのは、ラインアップ上の何らかの都合だと考えられるからだ。
ではこの先、どのようにAppleは残された移行計画を達成するのだろうか。
共有メモリアーキテクチャを生かすのであれば、M1ファミリーの拡張では難しい。M1 Maxを4個接続しないのか、という疑問を持つ方もいるだろうが、前述したように4個分のSoCリソースをコントロールするだけの回路を内蔵させているとは思えない。
あるいは年内に「M2」という新しいSoCファミリーが誕生し、残る余白を埋めてくれるのかもしれない。
Appleの半導体生産パートナーである台湾のTSMCは、既にM1シリーズで採用した5nmプロセスより微細化した4nmプロセスでの製造を進めているといわれ、年内には3nmプロセスのN3を用いたSoCの量産に入るとアナウンスしている。iPhoneに向けた次世代のAシリーズはもちろん、次世代のMシリーズについてもこうした製造技術の進化が計画に影響を与えることとなる。
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