インテルがオンラインイベントで明らかにした「Blue Carpet Project」への意気込みとこれから:クリエイターを包括的に支援(1/2 ページ)
インテルが、PCメーカー/パーツベンダーを始めとして、さまざまな教育機関やクリエイティブカンパニーと連動して、クリエイターを包括的に支援する「インテル Blue Carpet Project」を展開する。ここでは、第1回イベントの模様をお届けしよう。
インテルが、さまざまなプラットフォーム、さまざまな創作ジャンルで優れた作品を生み出し、新たな挑戦をし続けるクリエイターを支援するプロジェクト「インテル Blue Carpet Project」を開始した。
次世代を担うクリエイター育成における教育機関との連携は大変重要
3月22日に開催された第1回イベント「インテル Blue Carpet Fes 2022 Spring」の冒頭で、同社の鈴木国正代表取締役社長が、このプロジェクトおよびイベントの開催に至った背景を次のように述べた。
「まず2021年のPC年間出荷台数を見ると、テレワークの継続的なニーズなどによって、2020年比で13.5ポイント増加し、3億5000万台近くに達する見通しになる。2021年の後半は少し減速傾向にあったものの、ゲーミングPCやビジネス向けPCだけでなく、クリエイター向けのPCもけん引した」と述べ、「昨今はクリエイターによる表現手段が多様化したことに加え、クリエイティブな活動を支える高性能PCやIoT機器などのデバイスの低価格化も後押しし、創作活動に向けた市場が活性化している。クリエーター・エコノミーの市場規模は2021年5月時点で約1042億ドル(約11兆円)規模に拡大しており、多くの人々がクリエイティブな活動を始める機会が拡大している」(鈴木氏)
さらに鈴木氏は、「クリエイションとテクノロジーの関係がますます高密度になっていく中で、当社のテクノロジーがそこに介在することで、クリエイティブ制作全体の底上げを図るのと同時に、そこから生み出されていくコンテンツをより多くの人々に届くことを支援していくこと――。それこそがインテルの使命であると考える」とし、「このプロジェクトタイトルにインテルのコーポレートからでもあるブルーを入れて、その青いカーペットの上でパートナーのみなさまと一緒に、クリエイターの活動を盛り上げていきたいと思っている」とまとめた。
続いて、Blue Carpet Projectの概要を、同社第二技術本部の安生健一朗部長が説明した。
学生向け作品発表会「インテル Blue Carpet Studio」の概要。今後も多様なジャンルのクリエイターが参加し、インテルはその創作活動を通じて、Windows PCによるクリテイティブの世界を発信するという
Blue Carpet Projectは「当社のテクノロジーによりクリエイティブシーン全体の底上げを図るとともに、次世代のクリエイターが主役になれる機会を作り、そこから生み出されていくコンテンツがより多くの人々に届くことを支援するのが目的だ」(安生氏)
プロフェッショナルから学生に至るまで、次世代を担うさまざまなクリエイターに、インテルのCPUを搭載した最新のPCを提供し、最先端のテクノロジーを体感してもらいながら、Windows PCによるクリエイティブの可能性の拡大をサポートするという。
また、Blue Carpet Projectの資産を最大限に活用した学生向けの作品発表会「インテル Blue Carpet Studio」も開催する。コンテストではなく、優劣をつけない展示会形式で制作工程も含めて発表する、日本初のWindows PCによるクリエイティブ祭典を目指すとした。
他にも、メンバーによる次世代クリエイターへのワークショップの実施、メディア露出のサポートなど、クリエイターの活動全般を支援する。これらを年に数回ほど開催する予定だという。
安生氏による概要説明の後、パートナーを代表して東京芸術大学物学長大学院製造研究科の岡本光子教授が、「NFTはもしかしたら大学に対しても、また若手芸術家に対しても何かしらメリットをもたらすものではないかと考えている。大学としては、デジタル技術を使ったビジネスのエコシステムが成り立つのではないかとも考えているが、バーチャル空間でもアートや心のゆとりが必要だ。そういうところでも芸術大学が寄与できるのではないかと思っている」とあいさつした。
Blue Carpet Projectの活動に賛同したクリエイターの一覧
- ティーアンドエス 代表取締役社長 THINK AND SENSE 部 プロデューサー 稲葉繁樹氏
- アニメーション作家/ディレクター 稲葉秀樹氏
- こびとのくつ 代表取締役社長 ビジュアルテクノロジスト/レタッチャー 工藤美樹氏
- 映像イラストレーター ケイゴイノウエ氏
- 映像ディレクター 佐々木章介氏
- CONDENSE リーダー/パフォーマー/演出家 Toyotaka氏
- ディレクター/CG デザイナー 西郡勲氏
- ティーアンドエス 取締役 THINK AND SENSE 部 部長 プログラマー・ヴィジュアルアーティスト 松山周平氏
次に、イベントで行われたワークショップの模様をお届けする。
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