「VAIO Z(2021年)」の5Gモデルが電波法に抵触する可能性 至急ソフトウェアの更新を
2021年に発売された「VAIO Z」の5G通信モジュール搭載構成において、国内の認証を取っていない周波数帯域(バンド)の電波を発する可能性があることが分かった。そのまま使うと電波法に抵触するため、可能な限り速やかにソフトウェア/ファームウェアの更新を行おう。
VAIOは、2021年に発売したノートPC「VAIO Z」「VAIO Pro Z」の5G対応モデルに搭載されているソフトウェアを更新するように呼びかけている。この更新を行わない場合、PCとしての安全性や機能には問題ないものの、電波法に抵触する恐れがある。該当するユーザーは、可能な限り早くソフトウェアの更新を実施するようにしたい。
事象の概要
VAIO Z/VAIO Pro Z(以下まとめて「VAIO Z」)の2021年モデルでは、一部の構成にTelit Wireless Solution製の5G通信モジュールを搭載している。このモジュールでは、5G NR(5Gの通信規格)のうち、国内では3.7GHz帯(n77/n78)と4.7GHz帯(n79)の通信について国内における認証を取得している。
しかし先般、このモジュールが5G NRにおいて認証を取得していない周波数帯の電波を発射する可能性があることが判明した。VAIOによると、11月1日現在においてau(KDDI/沖縄セルラー電話)またはソフトバンクの5G通信サービスを利用した場合に、一部エリアで本事象が発生することが確認されたという。他の通信事業者の5G通信サービスでも、潜在的に同事象が発生する可能性もあるとのことだ。
事象の解消方法
今回の事象は、5G通信モジュールのソフトウェアを更新し、モジュール内のファームウェアを書き換えれば解決できる。更新用のソフトウェアはVAIOのサポートサイトで配信されている。
このツールが既にVer.1.0.0.14以上になっている場合は、本事象への対策が済んでいる(更新対応は不要)。バージョンはWindows 10/11の「設定」の「アプリと機能」において「Telit FN982m Mobile Broadband」をクリックすれば確認できる。
ツールがVer.1.0.0.14未満である場合は、アップデートプログラムをダウンロードした上で、以下の手順でファームウェアの更新を行おう。
- 本体の電源をいったん切る
- 本体からSIMカードを取り外す
- 本体の電源を入れる
- タスクバーの「携帯ネットワーク」がオンに、その他のネットワーク接続がオフなっていることを確認する(Windows Updateによる更新を回避するため)
- 起動しているアプリを全て終了する
- ダウンロードしたアップデートプログラムを実行する
- 指示に従って操作を進める(最長で5分程度コマンドプロンプトが表示される)
- 「セットアップが正常終了しました。」と出たらOKをクリック
- 完全なシャットダウン(※1)を行い、本体の電源を切る
- 電源が切れた後、3秒以上待ってからSIMカードを再度取り付ける
- 本体の電源を入れる
- ファームウェアの更新が完了するまで待つ(数分かかる場合あり)
- 更新ダイアログが消えたら、「設定」の「携帯電話」でAPN(※2)が正しく設定されているか確認する
- 本体を再起動する
(※1)Shiftキーを押しながら「シャットダウン」をクリック(ダイアログボックスの場合は「シャットダウン」を選んだ後、Shiftキーを押しながら「OK」をクリック
(※2)モバイルデータ通信の接続先情報
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