カラー対応にメリットはあるのか? E Ink搭載Androidタブレット「BOOX Nova Air C」を試す(2/3 ページ)
Onyx International製の「BOOX Nova Air C」は、カラー表示に対応する7.8型E Ink(電子ペーパー)を搭載するAndroidタブレットだ。E Inkのカラー対応のにメリットはあるのか――実際に使って検証してみよう。
ノートアプリでの手書き(手描き)の追従性は十分
ペンでの手書き(手描き)機能としては、オリジナルの「ノートアプリ」がプリインストールされている。このアプリは各種テンプレート、手書き文字のテキスト認識、キーボードからのテキスト入力など、一般的なノートアプリで求められそうな機能は一通りそろっている。E Inkを搭載していることもあり、ペン色を変えての描画も可能だ。
E Inkの仕様もあってか全体的に彩度は低めだが、描画の追従性は悪くない。十分に実用できる。
ノートアプリ作成したノートは、専用のクラウドストレージにバックアップできる。クラウドストレージは最大5GBまで無料で利用できるが、事前に「Onyxアカウント」を作成する必要がある。
他のデバイスとのファイルのやり取りは、Webブラウザからクラウドストレージにアクセスすることで行える。また、同一のWi-Fi(無線LAN)ネットワークにつながっている場合は、他のデバイスから直接Nova Air Cにアクセスしてファイルの交換を行えるようにもなっている。
データは「BooxDropアプリ」を介して他のデバイスとやりとりできる。専用のクラウドストレージを介したやりとりに加えて、同じネットワークにつながっている他のデバイスから直接アクセスしてやりとりすることも可能だ
「Google Play」によるアプリ追加も可能(要設定)
BOOX Nova Air Cは“普通の”Androidデバイスでもある。そのため、「Google Playストア」からサードパーティー製のアプリをダウンロードすることも可能だ。もちろん、同ストアにある各種ノート/メモアプリなども利用できる。
ただし、Google Playサービスの有効化作業が必要となる。このことに関する補足説明は紙面で付属しているので、よく読んだ上で作業をすれば問題はない。
Google Playストアを利用できるようにした後、ノートアプリの定番ともいえるMicrosoftの「OneNote」を使ったみた……のだが、描画の遅れが気になる。もう少し正確にいうと、ペン種や線幅に関係なく、細くて黒い線の描画は問題なく追従するのだが、線のカラーや線幅の反映がワンテンポ遅れる感じである。
この遅延は後述する「アプリの最適化」でリフレッシュモードを変更すれば改善可能で、メモ用途がメインなら実用上の問題もなくなる。それでも、イラスト描きで求められる繊細な操作は厳しいかもしれない。
ただし、これはあくまでもOneNoteを使った際の感想であって、プリインストールのメモアプリでは全く問題は感じられない。アプリがE Inkのことを想定しているのか否かの差なのかもしれない。
アプリの最適化設定で「手書きの最適化」を有効にした上で、リフレッシュ時間を最短に設定してOneNoteでメモを取った様子。実用上の問題はないが、描画の遅延は解消しきれなかった。標準のノートアプリでは発生しない現象だけに、何が違うのか気になる所ではある
関連記事
カラーE Inkを採用した7.8型Androidタブレット「BOOX Nova Air C」
SKTは、ONYX Internatinal製となる7.8型タブレット「BOOX Nova Air C」の取り扱いを開始する。シリーズ初の「ペン入力」は使いやすい? 選べるペンの書き味は? Amazonの電子書籍リーダー「Kindle Scribe」速攻レビュー
Amazonが新型電子書籍リーダー「Kindle Scribe(キンドル スクライブ)」を発売した。Kindleシリーズとしては初めてペン入力に対応したことが特徴の本機だが、その実力はいかほどのものか。レビューしてみよう。【訂正】E Inkタブレットとは思えない快適さ! 「BOOX Tab Ultra」+専用キーボードでテキスト入力専用機として使って分かったこと
ONYX Internatinalから発売されたE Ink搭載のAndroidタブレット「BOOX Tab Ultra」には、オプションで専用キーボード付きケース「BOOX Tab Ultra キーボード付ケース」が用意されている。これを使って、テキスト入力に特化した形で試してみた。FCCL、電子ペーパー端末「QUADERNO」をアップデート 暗記学習向け機能を搭載
富士通クライアントコンピューティングは、同社製電子ペーパー端末「QUADERNO」のアップデートを発表した。注目は有機EL+E Inkの「ThinkBook Plus Twist」 Lenovoが中小ビジネス向けPCの新製品を披露
CES 2023に合わせて、LenovoがSMB(中小ビジネス)向けPCの新製品を発表した。ここ数年の恒例になっているデュアルディスプレイノートPC「ThinkBook Plus」は姿を変えて、ツイストヒンジを持つ2in1モバイルノートPCとなった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.