最近のSurfaceはお絵描き主用途もいける? プロ絵師が「Surface Pro 9」を試したぞ!:ある日のペン・ボード・ガジェット(4/4 ページ)
イラストレーター refeiaさんの連載第4弾は、日本マイクロソフトの最新2in1PC「Surface Pro 9」です。最新CPUを備えたSurface Pro 9の書き味はどうでしょうか?
まとめ
それではまとめていきましょう
気に入った点
- コンパクトで見た目も品質も良いボディー
- 一般用途にもイラスト用途にも便利なキックスタンド
- 角度が選べてタイプ感も悪くないキーボード
- ペンが実用的な性能を備えて見た目もかわいい
- ペン収納部のおかげで、運搬時に外れたり紛失したりする心配がない
- クリエイティブ作業も快適にこなせる高い性能
- 静かな冷却ファン
- クイックな専用充電器と、汎用(はんよう)的なType-C充電のどちらでも充電できる
- 3:2のアスペクト比で使いやすいディスプレイ
- 標準的な発色と、鮮やかな発色を選べる
- タブレット端末としては満足できる内蔵スピーカー
難点になりうる点
- 別売で高価なキーボードとペン
- ペンの使用感がチープで、作業効率にも悪影響がある
- イラスト用途ではバッテリー持続時間が物足りない
- (別売のペン充電器を買わない限り)本体にキーボードを装着しないとペンを充電できない
といったところですね。
Surface Pro 9は、性能もよく、質感もよくて「運べるメインPC」にしてもいいと思えるWindowsタブレットです。ゲームや3D/動画系クリエイティブ用途で要求が高い場合は仕方ないとしても、静止画系までのクリエイティブならば、多くを不満なくこなすことができるでしょう。
一方で、ペンの性能自体は進化しているにもかかわらず、描き味や感性に訴える負の影響が大きく、「主にイラスト製作に使いたい」とは簡単には言えないデバイスです。ならばそれでノーディールかというと、そうでもありません。
イラスト用途にiPadをおすすめしやすい理由として「つぶしが効く」というのがよく言われます。もしイラスト用途が成就しなかったとしてもiPadは依然として良いタブレットで、多くの場合で満足度が高い使い道を提供してくれるからです。
ならば本機はどうでしょう? ペンのできが惜しいといっても、手軽にお絵描きをしたり、出先である程度の作業をしたりするのに十分な能力は依然として持ち合わせています。それに、本機は高性能で柔軟なWindows PCです。自分に合ったMicrosoft Pen Protocol対応ペン(互換ペン)を探してもいいですし、がっつりやりたいなら液タブを繋げてしまえばいいです。純正キーボード/ペンのセットと同じぐらいとなる3万円台の予算があれば、実用的な液タブが買えますしね。
つまり、ペンが合わなかったからといって詰まないという面に限っては「つぶしが効く」レベルはiPadより上です。外観や性能だけでなく、アスペクト比3:2のディスプレイ/キックスタンド/キーボードとペン収納機構/デュアル充電仕様など、Surfaceの世界観は今なお独特で魅力的なので、これらに共感しているならば購入後もいろんな用途に満足感を伴って使っていくことができるはずです。
価格が14万6080円~と割安感があるシリーズではないですが、表面的なコスパよりも、しっかりたくさん使った体験の積み重ねが自分にとって得るべきものなのかで検討したいモデルと言えるでしょう。
それはそうと、次世代Surface ペンはもうちょっといい感じにしてください。よろしくお願いします。
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