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今どきの10万円PCはどこまでパワーアップできる? メモリ/ストレージ/GPUを強化してみて分かったこと今は臥薪嘗胆(3/3 ページ)

税込み10万円以下で一通りのシステムが手に入る、マウスコンピューターのスタンダードデスクトップPC「mouse DT3」。この標準構成のモデルをベースに、お手頃なパワーアップを試してみた。

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グラフィックスカードを追加して大幅パワーアップ

 最後に、グラフィックスカードを増設してゲーミングPCに仕立ててみよう。

 前述したように、mouse DT3は標準でCPU内蔵のグラフィックス機能を利用しており、BTOでもグラフィックスカードの追加は行えない。ただ、マザーボードにはPCI Express x16スロットがあるので、動作保証対象外ではあるがグラフィックスカードを任意に追加可能だ。

 ここでは、本機が搭載するCPU、価格や性能のバランスを考えて、GeForce RTX 3060搭載カードを選んだ。今回用意したのは、MSIの「GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC」だ。グラフィックスメモリは12GB(GDDR6)、ブースト時のコアクロックは1807MHzで、負荷が低い場合は2基のTORX Fanが停止するなど静音性も高い。

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 一時は価格が高騰していたグラフィックスカードだが、3060クラスなら5万円以下で入手できるようになり、今回もちょうど5万円で入手できた。

 ただし注意したいのは、グラフィックスカードの追加に伴う消費電力の増加だ。GeForce RTX 3060のTDPは170Wで、推奨の電源ユニットは550Wとなる。mouse DT3の標準構成の電源ユニットは350Wで、BTOメニューでは500W/700W(80PLUS BRONZE)か700W(80PLUS GOLD)が用意されている。

 将来的にグラフィックスカードを追加する予定があるのなら、あらかじめ700Wを選択しておくと安心だろう。今回は、別途CORSAIRの750W電源「RM750x」(80PLUS GOLD)を用意してユニットを交換した上でテストを行った。費用は1万7000円だった。


今回はMSI(エムエスアイコンピュータージャパン)の「GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC」を用意した。3基のDisplayPort 1.4出力端子とHDMI 2.1対応の出力端子を1基備えている

mouse DT3に装着したところ。カード長が約253mmと短めなので、ケース内にもゆとりをもって増設可能だ

別途用意したCORSAIRの「RM750x」を取り付けたところ。ケーブルがモジュール式なので、ケース内部がスッキリとする

 メモリを16GB、SSDを1TBに増強した上でグラフィックスカードを加えてベンチマークテストをしたところ、笑ってしまうほどスコアが目に見えて向上した。当然といえば当然だが、やはり外付けグラフィックスカードの追加は効果が絶大だ。

 ゲーム用途だけではなく、静止画や動画の編集、配信、さらにはビデオ会議といったさまざまな作業で恩恵を受けることができる。ただし、あまりにハイエンドなグラフィックスカードを追加しても、今度はCPUがボトルネックとなったり、電源が不足したりする場合もあるため、この辺りはバランスが肝要だ。


PCMark 10のテスト結果。グラフィックスカードの追加により、大きくスコアが伸びている。グラフでは省いたが、Gamingのスコアもメモリ16GBで1793だったのが、1万5934と約8.9倍にアップした

3DMarkのテスト結果。3060搭載カードでは負荷が軽いテストということもあり、圧倒的なスコア差になった

同様に、FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマークでも桁違いのスコアになっている

CINEBENCH R23のスコア比較

パーツの強化で性能を高められるデスクトップPCの魅力

 今回のパワーアップにかかった費用は、総額で8万円(電源ユニットを除けば6万3000円)程度かかった。予算が許せば、最初からゲーミングPCなりハイエンドPCを選んでおけばいいのだが、そうは問屋が卸さないという人も多いはずだ。

 ここで検証したのはあくまで一例であり、CPUの換装を含めてバリエーションは豊富にある。繰り返しになるが一連の作業は動作保証対象外であり、故障時のサポートも受けられないが、まずはベースモデルとして手持ちのPCから乗り換えて、お金がたまり次第パーツを順次強化していく醍醐味(だいごみ)を得られるのも、デスクトップPCならではだろう。手持ちのパーツを流用できるなら、それを使うのもアリだ。

 このmouse DT3は、ボディーサイズが約170(幅)×419(奥行き)×360(高さ)mmとコンパクトで、重量も約6.1kgと軽い。ドライブベイは5インチオープンベイが2基、3.5インチオープンベイが1基、3.5インチシャドウベイが2基、2.5インチシャドウベイが1基と豊富だ。

 ユニークなところでは、BTOオプションで「外付け電源スイッチ」を選ぶことができる。これを使うとPC本体から離れたところから電源のオン/オフができるようになる。ケーブルの長さは約2mあり、付属のキーボードとマウスもワイヤレスのため、本体の設置場所の自由度がグンと上がる。机の下やモニターの奥など手の届きにくい場所に設置した際も便利に使える。


BTOメニューに用意されている「外付け電源スイッチ」は、背面の専用端子に取り付ける。価格も2970円と手頃だ

外付け電源スイッチを使えば、PC本体を机の下に設置し、写真のように机上をスッキリとさせることもできる

 デスクトップPCを設置するスペースがあるのが前提にはなるが、一から自作PCをスタートするのは面倒だったり、手持ちのPCが古すぎたりする場合は、Windows 10からのリプレースを兼ねてmouse DT3のようなモデルを買うのも大いにアリだ。

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