ダイソンが空気清浄機付きANCヘッドフォン「Dyson Zone」を日本でも発売 試して分かった装着感:12万1000円から(1/2 ページ)
スタイリッシュな掃除機や扇風機で知られるダイソンが、初のウェアラブル製品として「Dyson Zone 空気清浄ヘッドホン」を発売した。直販価格は12万1000円~13万7500円で、空気清浄機能とアクティブノイズキャンセリング機能を兼ね備える。その実力を試してみよう。
ダイソンが5月23日、同社初となるウェアラブル製品「Dyson Zone 空気清浄ヘッドホン」を発売した。同社の直営店やWebショップ、一部の家電量販店で順次販売が始まる予定で、直販価格は通常モデルが12万1000円(税込み、以下同)、ケースなどが付属する「Dyson Zone Absolute」が13万7500円となっている。
なお、Dyson Zoneは原宿Jing(東京都渋谷区)で開催されているポップアップイベント「Dyson Launch Pad(ダイソンローンチパッド)-ダイソンの出発点」で体験可能で、その場で買うこともできる。
ANCヘッドフォン+空気清浄機=Dyson Zone
Dyson Zoneは、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能付きヘッドフォンと空気清浄機を“一体化”したデバイスだ。エンジニアのジェームス・ディスーザー氏によると、「ダイソンが培ってきた技術を生かした新たなカテゴリーの新製品」とのことで、大気汚染と騒音の2つの課題を解決するべく、6年の開発期間を経て製品化したという。
Dyson Zoneにおける最大の特徴は、同社の得意分野といえる空気清浄機能にある。イヤーカップ内のコンプレッサーが二重構造のフィルター(静電フィルター/カーボンフィルター)を通して外気を取り込み、浄化した気流を口元と鼻を覆うシールドへ届ける構造となっている。静電フィルターは0.1μmまでの粒子状汚染物質を99%捉え、カリウムを含んだカーボンフィルターで二酸化窒素(NO2)や二酸化硫黄(SO2)といった酸性ガスを捕らえるという。
「ダイソンの約30年に渡る、気流、フィルター技術、モーター技術に関する専門知識と、室内外の空気質に関する知見からこの構造を実現できた」(同氏)とのことだ。
この構造で肝となるのが、コンプレッサーだ。モーターが1分につき最大9750回転し、フィルターを通して空気を吸い込み、コンプレッサーを動かして空気圧を高める。
一般に、モーターが回転すると、多量の空気が移動してノイズ(ノッキング音やガリ音)が発生することがある。それを防ぐために、Dyson Zoneでは「モーターをソフトマウント方式で外装から吊り下げる構造とした」(同氏)。3点だけで支える構造とすることで、モーターが常に浮いてた状態となり、振動がヘッドフォン部分に伝わらないようにしたのだ。
口元を覆うシールドは、顔に直接触れない構造となっている。これも開発に6年もかかった理由の1つとのことで、開発当初はシュノーケルのような空気を浄化するマウスピースと、内部にモーターを搭載したバックパックの組み合わせを検討していたそうだ。500個以上あるプロトタイプの初期段階では、1つのモーターを首の後ろに配置していた。それを2つのコンプレッサーに変更し、各イヤーカップに内蔵したともいう。
「このような試行錯誤の末、シールドが顔に接触することなく、きれいな空気を送れるようになった」(同氏)
シールド内のメッシュ部分は取り外して水洗いできる。シールドを傾けると、空気清浄と音楽再生が一時停止し、装着したままでも会話できるようになっている。風量(低/中/高/オート)の調節はAndroid/iOSアプリ「My Dyson」(旧Dyson Link)で行える。
これらの仕組みを実現する上で、ダイソンは医療用の人工肺とセンサーを搭載し、汚染された空気を吸い込む「呼吸マネキン」を作成したそうだ。人間の呼吸パターンを再現すべく実験を重ね、鼻と喉の汚染度を測定し、マネキンの人工肺に入り込んでいく粒子の捕集効果を検証したという。
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