レビュー

ハイアマチュアからプロユースまで 要点をおさえた堅実なクリエイター向けPC「raytrek R5-RL6」写真向けモデルを試す(2/3 ページ)

PCに詳しくないクリエイターも安心。豊富なラインアップがあるドスパラのクリエイター向けブランド「raytrek」から登場したノートPCの新モデルをチェックした。

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クリエイター向けの落ち着いたデザイン パネルや端子も用途に好適

 raytrek R5-RL6の液晶ディスプレイは15.6型で、ボディーサイズは約360(幅)×245(奥行き)×20~28(高さ)mm、重量は約2.2kgだ。ノートブックPCとしては標準的な15.6型は、専有スペースと画面の大きさのバランスがよい。ただ、モバイルも可能だがどちらかといえばデスクトップ代替用途が適している。

 カラーリングはダークグレーで底面はブラックと、落ち着いた色になっている。ACアダプターはディスクリートGPU搭載モデルだけに、出力230Wとパワフルだ。サイズは約150(幅)×75(奥行き)×25(厚さ)mmで、出力230Wとして見ればまずまずコンパクトだが、一般的なACアダプターとして見れば大きめだ。


ボディーサイズは15.6型としては標準的で、重量も約2.2kgと持ち運べるが、据え置きでの利用がほとんどだろう

ACアダプターのサイズは150×75×25mm。230W出力のものとしては多少コンパクトに感じられるが、ノートPCとして見れば大きめであることに変わりはない

 ディスプレイパネルは、クリエイター向けをうたうだけあって高スペックだ。まず画面解像度が2560×1440ピクセルと広く、スタンダードなフルHD(1920×1080ピクセル)に対して一画面上の情報量が多い。実運用ではWindowsのスケーリングを125~150%とすれば、メニューの文字の見やすさと写真データを表示した際の高精細さを両立できるだろう。

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一般的なフルHDよりも高解像度のWQHD(2560×1440ピクセル)パネルを採用する。リフレッシュレートは165Hzと高めだ

 色域では、sRGBカバー率99%(Adobe RGBカバー率74%)とされる。クリエイター向けとして見ると、より高価なモデルではカバー率100%のモデルや、DCI-P3でのスペックをうたうものも多いので、必要十分として見るべきだろう。

 より厳密に色の正確さを求めるのであれば、クリエイター向けのカラーキャリブレーション対応ディスプレイを用意すべきだ。映像出力端子としてHDMI 2.1とThunderbolt 4を搭載しているので、これを活用するのがよいだろう。


狭額縁ベゼルで、実測値は左右が7mm弱、上部が8mm程度で済む。なお、上部ベゼルにはHD画質のWebカメラ、Windows Hello対応のIRカメラが搭載されている

 インタフェースを見ると、背面にThunderbolt 4×1、HDMI 2.1出力×2、2.5GbE対応の有線LAN×1、電源入力があり、右側面にSDメモリカードリーダー×1、USB 3.2 Gen 1×2が並ぶ。左側面にはセキュリティロックスロット×1、USB 3.2 Gen 2×1、マイク入力×1、ヘッドフォン出力×1を備えている。

 USB Type-Cは1基だが、Thunderbolt 4なので高速SSDなども利用できる。一方、USB Type-Aは計3基あるので比較的多く、さまざまな機器を接続する必要があるクリエイター向けとしてはここがポイントになるだろう。映像出力はHDMI 2.1に加えてThunderbolt 4からも可能で、本体ディスプレイ+2画面を構成できる。有線LANは2.5GbE対応なので高速だ。その他に無線LANがWi-Fi 6E対応、Bluetooth 5.3も利用できる。


前面中央にくぼみがあり、液晶ディスプレイを開きやすい

背面にThunderbolt 4、HDMI出力、有線LAN端子がある

左側面にUSB 3.2 Gen 2 Type-A、マイクとヘッドフォンの各端子が並ぶ

右側面にはSDメモリーカードリーダーや2基のUSB 3.2 Gen 1端子がある。USB Type-A端子がやや多めなのも、クリエイター向きといえるだろう

 キーボードは日本語配列で、10キー付き102キーとなっている。メインのキーと10キーとの間に幅広のスペースは用意されていない。主要なキーのピッチは約19mmと標準的で、配列についてもそこまで大きなクセはない。

 特徴を挙げるなら、Deleteキーの位置がBack Space直上ではなく一つ右上なところや、右Shiftの左4つのキーが幅狭であるあたりだろうか。HomeとEndキーがテンキーの上にあるところも、同キーを多用する人はややめんどうな位置に感じるかもしれない。ただ、全体としてはなじみやすく使いやすいといえるだろう。


テンキー付きの日本語102キーで、キーのサイズや配列などはスタンダードといえる

Fn+F7またはF6でキーボードバックライトの点灯/消灯、輝度調節を行える。発光色はライトブルーのみだ

タッチパッドは幅が117mm、奥行きが74mmとまずまず大きい。タッチパッドの左上をタップすると、タッチパッド機能がオフになる

 キーボード上部には電源(右)および電源プロファイル切り替えボタン(左)がある。電源プロファイルはOffice/Standard/Turboの3つを用意する。逆にコントロールセンター的なユーティリティーは見当たらなかったので、本製品ではソフトウェア制御ではなくこのボタンで制御するようだ。


電源ボタンと、その左に電源プロファイル(モード)切り替えボタンがキーボードの上部にある

 Turboモードといっても、ファンコントロールが効いた状態でcTDPを最大にしているといった印象だ。ゲーミングノートPCでよくあるファン回転数を常時全開にするようなものではない。各プロファイルの性能の違いをCINEBENCH R23と3DMarkで計測してみると以下の通りだ。

モード別のCINEBENCH R23スコア Office Standard Turbo
Multi Core 13025 17335 20072
Single Core 1879 1874 1873
モード別の3DMark-Time Spy Standard Turbo
Overall 10717 11094
Graphics Score 10386 10757
CPU Score 13082 13491

 CINEBENCH R23のMulti Coreスコアの通り、CPUについてはcTDPをダイナミックに切り替えているようだ。また、3DMarkではCPUスコアだけでなくGraphicsスコアにも370ポイント程度の差がついている。CPUのcTDPだけでなくGPUの電力制御もしているようだ。raytrek R5-RL6の出荷時のモードはStandardになっているので、購入後にパフォーマンスが必要な際はTurboに切り替えて利用しよう。

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