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最大128コア! AMDが第4世代EPYCに「多コア全振りモデル」と「L3キャッシュ爆増しモデル」を追加

AMDのデータセンター/サーバ向けCPU「第4世代EPYCプロセッサ」に追加ラインアップが登場した。クラウドネイティブサービス向けに多コア全振りしたモデルと、テクニカルコンピューティング向けにL3キャッシュ容量に全振りしたモデルを選べるようになった。

 AMDは6月13日(米国太平洋夏時間)、データセンター向けCPU「第4世代EPYCプロセッサ」のスケーラビリティー重視モデル(開発コード名:Bergamo)と、3D V-Cacheテクノロジーを適用してL3キャッシュを増量したモデル(開発コード名:Genoa-X)の出荷開始を発表した。


第4世代EPYCプロセッサのポートフォリオ。未発売は、2023年下期(7~12月)にリリース予定の通信機器向けの「Siena」(開発コード名)だけとなった

第4世代プロセッサは、ワークロード(作業)別にプロセッサを使い分ける戦略を取っている

EPYC 97X4プロセッサ(開発コード名:Bergamo)

 クラウドネイティブなサービスを提供するデータセンター(サーバ)への導入を前提に、スケーラビリティーを重視したBergamoは「EPYC 97X4プロセッサ」という名称で製品化された。


EPYC 97X4プロセッサの概要

 CPUコアはスケーラビリティーを重視した「Zen 4cアーキテクチャ」で、最大で128コア256スレッド構成となる。オリジナルの「Zen 4アーキテクチャ」と比べると1コア当たりの性能は若干低いが、サーバエンドで稼働する仮想マシン(VM)など、物理コア(や論理スレッド)がたくさん必要な用途では稼働効率が高まるというメリットがある。

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 ラインアップは以下の通り。

  • EPYC 9734
    • CPUコア:112コア224スレッド
    • 動作クロック:2.2GHz~3GHz
    • L3キャッシュ:256MB
    • TDP:320~400W(定格は340W)
  • EPYC 9754
    • CPUコア:128コア256スレッド
    • 動作クロック:2.25GHz~3.1GHz
    • L3キャッシュ:256MB
    • TDP:320~400W(定格は360W)
  • EPYC 9754S(マルチスレッド非対応
    • CPUコア:128コア128スレッド
    • 動作クロック:2.25GHz~3.1GHz
    • L3キャッシュ:256MB
    • TDP:320~400W(定格は360W)

EPYC 97X4プロセッサのラインアップ

多コアCPUゆえに、同じ処理をこなす際に必要なサーバの台数を減らせることが魅力である

競合と比べると多くの処理でスループット(実効処理速度)が高い

3D V-Cache搭載第4世代EPYCプロセッサ

 Genoa-Xは「AMD 3D V-Cache搭載第4世代EPYCプロセッサ」として投入される。開発コード名から分かる通り、オリジナルの第4世代EPYCプロセッサ(開発コード名:Genoa)に3D V-Cache Technologyを適用したCPUで、L3キャッシュを最大で1.1GBまで拡張している。


3D V-Cache搭載第4世代EPYCプロセッサ

 ラインアップは以下の通り。

  • EPYC 9184X
    • CPUコア:16コア32スレッド
    • 動作クロック:3.55GHz~4.2GHz
    • L3キャッシュ:768MB
    • TDP:320~400W(定格は320W)
  • EPYC 9384X
    • CPUコア:32コア64スレッド
    • 動作クロック:3.1GHz~3.9GHz
    • L3キャッシュ:768MB
    • TDP:320~400W(定格は320W)
  • EPYC 9684X
    • CPUコア:96コア192スレッド
    • 動作クロック:2.55GHz~3.7GHz
    • L3キャッシュ:1152MB
    • TDP:320~400W(定格は400W)

3D V-Cache搭載第4世代EPYCプロセッサのラインアップ

高度なCPU演算が必要な用途

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