「HP」という社名は創業者の“コイントス”で決まった――シリコンバレー生誕の地「HP Garage」で知る、意外な逸話(3/3 ページ)
HPとHPE(Hewlett Packard Enterprise)のルーツは、米カリフォルニア州パロアルト市にある民家とガレージにある。現在そこは「HP Garage」としてHP/HPEの顧客向けのミュージアムとして運用されている。その展示内容と、HPが社名を決定するまでの“逸話”を紹介しよう。
「HP」は「PH」になったかもしれない――その理由は?
既に述べた通り、現在のHPとHPEが分社する前の社名は、2人の創業者の名字をつなげた「Hewlett-Packard」だった。日本なら「ホンダ・フジサワ」「イブカ・モリタ」みたいに考えれば、どんな語感を持つ社名なのか実感が湧きやすい(分かるとは思うが、前者は「本田技研工業」、後者は「ソニー」のことである)。
このHewlett-Packardという社名だが、パッカードが先でヒューレットが後という可能性、つまり「PH(Packard-Hewlett/パッカードヒューレット)」となったかもしれないという逸話は余り知られていない。
HP Garageの説明員によると、1939年の創業時にコイントスで社名を「Hewlett-Packard」とするか「Packard-Hewlett」とするか決めたのだそうだ。その結果、ヒューレットを先に持ってくることになり、後にその省略形である「HP」がブランドとしても定着することになった。
もしもコイントスの結果が逆だったとしたら、今私たちが「HP」と呼んでいる社名は「PH」だった可能性があったのだ。どちらの方がよかったかを論じることにはあまり意味がないかもしれないが、パッカード氏には非常に申し訳ないけれど、なんとなく「Hewlett-Packard」や「HP」の方がしっくりくる――そう感じるのは筆者だけだろうか?
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