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“うさぎ年”らしい飛躍の年に――日本HPが2023年の事業方針を説明 周辺機器やゲーミングを強化(1/2 ページ)

2023年はうさぎ年である。日本HPは、親会社であるHPの掲げる「Future Ready戦略」に基づき、2022年を上回る「飛躍の1年」を目指していくという。

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 日本HPは1月19日、報道関係者を対象とする「2023年事業説明会」を開催した。説明会はオンラインと対面のハイブリッドで開催され、同社の岡戸伸樹社長を始めとする各事業部の責任者が登壇した。

岡戸社長
岡戸伸樹社長はオンライン登壇となった

世界経済が落ち込む中でも「成長分野」で収益を確保

 日本HPの親会社である米HPの2022年度(※1)の連結業績は売上高が約630億ドル(約8兆1245億円)、営業利益が約54.8億ドル(約6964億円)となった。プリンティング事業(マイナス6%)の落ち込みもあり、売上高は前年度比で微減となったが、利益は着実に増えている。

(※1)日本HPおよびHPの会計年度は前年11月1日から10月31日まで

微減
売上高は前年度比で0.8%減の約630億ドルとなった

 一方で、同社が成長ビジネスとして位置付けている「周辺機器」「ゲーミング」「ワークフォースサービス&ソリューション」「個人向けサブスクリプション」「インダストリアル&グラフィックス(業務用印刷)」「パーソナライゼーション&3Dプリンティング」の6分野は着実に成長しており、売上高は合計で約110億ドル(約1兆4176億円)となった。2023年度も、HPグループとしてこれら6分野に注力していくという。

事業分野
HPが成長分野と位置付けている6つの事業領域。これらの売上高が成長したことで、全体の売上高は微減で済んだという側面もあるようだ

 周辺機器分野では、コールセンター向けのヘッドセットや会議室用のスピーカーフォン、ビデオバーを手がける「Poly」を2022年8月に子会社化した。PolyはHPグループのブランドの1つとなり、周辺機器分野における成長ドライバーとしての役割を果たしていくことになる。また、ワークフォースサービス&ソリューション事業との相乗効果も期待されている。

Polyが仲間入り
PolyがHPに加わることで、ハイブリッドワーク時代に向けた製品のポートフォリオが一層充実した

 ゲーミング分野では、2021年6月にKingstonが保有していたゲーミングブランド「HyperX」のうち、メモリ/ストレージ部門を除く周辺機器部門を買収した。これも同社のゲーミング部門の成長につながっているという。

 同社は「OMEN」「VICTUS」というゲーミングブランドを保有しているが、両ブランドはPC本体、HyperXはゲーミングアクセサリーと“すみ分け”を行うことで、より一層の成長につなげる方針だ。

ゲーミング
HyperXは、HPのゲーミング周辺機器を担うブランドと位置付けられた
ゲーミング
HPはOMENブランドのゲーミング周辺機器も展開していくが、一部を除いて順次HyperXブランドに集約していく方針だという。説明会の展示でも「OMENブランドのゲーミングPCと、HyperXブランドのゲーミング周辺機器」という見せ方をしていた
日本でもすごい
HPのゲーミングPCは特にデスクトップモデルの評価が高く、日本でも3年連続でデスクトップゲーミングPCの単独ブランドシェア1位を獲得している。ゲーミングノートPCも合わせて、成長率も高いという

 新型コロナウイルス感染症の拡大、そして世界情勢が激動する中、HPは2023年度から「Future Ready」という3カ年計画を開始した。この計画は「お客さま(ユーザー)」を中心に据えた事業成長戦略で、「ポートフォリオ(製品戦略)」「企業運営」「人材」の3分野に焦点を当てている。

 ポートフォリオでは、目まぐるしく変動するユーザーのニーズに合致する製品やサービスを取りそろえていくという。企業運営面では、HPグループ社内におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)をさらに推進し、ユーザーのニーズに柔軟に対処する“ゆとり”を作っていく。人材面では「レジリエンス(思考や行動のしなやかさ)」を重視し、アイディアや実行力のあふれる、多様性のある人材を育て行くという。

 一見すると「当たり前のこと」を言っているようにも思えるが、岡戸社長は「当たり前だからこそ、基本に立ち返って考えることが重要」と意義を強調する。

Future Ready
HPでは2025年度までの3カ年計画「Future Ready」を発表した。ユーザーを中心に据えて、これからの時代に即した商品開発、事業運営と人材育成を進めてというもので、変化の激しい時代だからこそ「基本」が大切だということになる
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