新登場「AI PC」の実力は? 日本エイサーのCore Ultraプロセッサ搭載「Swift Go 14」を試して分かったこと(1/3 ページ)
日本エイサーの「Swift Go 14」の最新モデルは、国内で初めてのCore Ultraプロセッサ搭載ノートPCの1つだ。設計を刷新したCore Ultraプロセッサの実力はいかほどのものか、Swift Go 14の評価機を通してチェックしてみよう。
日本エイサーが12月15日に発売した14型モバイルノートPC「Swift Go 14」の最新モデル(SFG14-72)は、同日に発表されたIntelの最新CPU「Core Ultra 7 155H」をいち早く搭載した。日本向けモデルの直販価格は21万9800円(税込み)となる。
Core Ultraプロセッサは、IntelのCPUとしては久しぶりにプロセスルールと内部構造が更新されており、ブランドを刷新したこともあって注目度は高い。
今回、日本エイサーから本機の「16GBメモリ/1TB SSD」構成(※1)の評価機を借用できたので、Core Ultra 7 155Hの実力と発熱などをチェックしていこう。
(※1)日本では「32GBメモリ/512GB SSD」構成が販売される(評価する構成は日本未発売となる)
先進技術の詰まった「Core Ultra 7プロセッサ」を搭載
先述の通り、本機にはCPUとしてCore Ultra 7 155Hが搭載されている。開発コード名「Meteor Lake」で知られるIntelの最新CPUのHシリーズ(高性能ノートPC向け)の中位モデルだ。
先代の第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake)からの進化点は数多い。まずCPUダイの構造がガラリと変わり、「Compute」「Graphics」「SoC」「I/O」と4種類のダイを「タイル」として組み合わせて1つのCPUパッケージを作る「タイルアーキテクチャ(チップレット)」技術を採用している。これはIntel製CPUのメインストリーム製品としては初めての取り組みだ。
CPUコアが内包されているComputeタイルには、最新のプロセスルール「Intel 4」を適用すると共に、性能優先の「高性能コア(Pコア)」と電力効率優先の「高効率コア(Eコア)」共にブラッシュアップを行い、電力効率が向上している。さらに、メモリコントローラーや電力管理を担当する「SoCタイル」には、より省電力を優先したCPUコア「低電力Eコア(LP Eコア)」を統合し、Pコア/Eコアと合わせて3種類のコアを最適に使い分ける仕組みとなった。
加えて、SoCタイルにはAI処理用のNPU「Intel AI Engine」を統合。Graphicsタイルに備わるGPUコアも「Intel Arc Graphics」に刷新され(※2)、大幅に処理能力が向上している。
(※2)Intel Arc Graphicsの名称は、メインメモリが容量16GB以上かつデュアルチャンネル構成の場合に付与(条件に合致しない場合は「Intel Graphics」という名称になる)
CPUとしてCore Ultra 7 155Hを搭載する。内蔵GPUはメインメモリの構成によって名称が変わるが、本機は容量16GB以上かつデュアルチャンネル構成なので「Intel Arc Graphics」となる
「GPU-Z」で内蔵GPUの情報をチェックする。本文にもある通り、Core UltraプロセッサのGPU名称はメインメモリの構成で決まるが、本機の場合は「Intel Arc Graphics」となる。アーキテクチャを刷新し、描画性能が大幅に向上している
メインメモリは最新かつ高速なLPDDR5X-6400規格を採用し、評価機は16GBを備える。ストレージはPCI Express 4.0接続のSSDで、評価機は1TBのモジュールを搭載している。
「CrystalDiskInfo」でSSDの情報をチェック。本機にはMicron製のSSD「Micron 2550シリーズ」の1TB/Type 2280モデル(MTFDKBA1T0TGE)を搭載していた。公称のシーケンシャルアクセス速度は、読み出しが毎秒5000MB、書き込みが毎秒4000MBとなっている
次のページでは、CPUやSSD以外のハードウェア面での特徴をチェックしていく。
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