VESAが「DisplayPort 2.1a」を発表 2mのパッシブケーブルで最大54Gbpsの映像伝送に対応
VESAが、DisplayPort 2.1規格のマイナーアップデートを発表した。従来は最大40Gbpsでの伝送に対応していた「DP40ケーブル」を「DP54ケーブル」に改め、最大54Gbpsでの伝送に対応することで「8K4K/120Hz」「8K2K/240Hz」の映像を最長2mのケーブルで送れるようにする。
VESA(Video Electronics Standards Association)は1月8日(米国太平洋時間)、最新の映像伝送規格「DisplayPort 2.1a」を発表した。本バージョンでは、高解像度映像を伝送するための「UHBR(Ultra High Bit Rate:超高ビットレート)ケーブル」の規格が更新され、長さ2mのパッシブケーブルで「8K4K(7680×4320ピクセル)/120Hz」「8K2K(7680×2160ピクセル/240Hz」の映像を送れるようになる。
DisplayPort 2.1aの概要
その名の通り、DisplayPort 2.1aは2022年10月に公表された「DisplayPort 2.1」のマイナーバージョンアップとなっており、UHBR(Ultra-High Bit Rate)伝送に対応するケーブルの仕様にアップデートが行われる。
DisplayPort 2.1におけるUHBR伝送には、1レーン当たり10Gbpsで伝送できる「UHBR10」と1レーン当たり13.5Gbpsで伝送できる「UHBR13.5」、1レーン当たり20Gbpsで伝送できる「UHBR20」の3種類が存在する。UHBR伝送に使えるケーブルは、UHBR10信号を最大4レーン(=最大40Gbps)で伝送できる「DP40ケーブル」と、UHBR20信号を最大4レーン(=最大80Gbps)で伝送できる「DP80ケーブル」の2種類がある。
今回策定されたDisplayPort 2.1aでは、DP40ケーブルを廃止した上で、新たに「DP54ケーブル」を定義する。DP54ケーブルは、UBHR13.5信号を最大4レーン(最大13.5×4=54Gbps)で伝送可能なスペックを備える。これにより、長さ2mのDP54パッシブケーブルで「8K4K/120Hz」「8K2K/240Hz」の映像を送れるようになる。これまでケーブル長不足に悩まされがちだった状況(特に超ワイド湾曲ディスプレイの利用時)において、ケーブル選びで悩まされることが少なくなりそうだ。
なお、VESAによると、認証を取得した全てのDP40ケーブルは、DP54ケーブルと同じように使える(=UBHR13.5信号を4レーン伝送できる)ことを確認できているという。また、UHBR20伝送には引き続きDP80ケーブルが必要とある。
DisplayPort 2.1aでは、DisplayPort 2.1で規定された「DP40ケーブル」が「DP54ケーブル」にリプレースされる。既存のDP40ケーブルはDP54ケーブルとしても利用可能だ
車載用用途向けのエラー訂正機能も
DisplayPort 2.1aでは、新しい「Automotive Extension Servicesプロトコル」も追加される。その名の通り、これは車載デバイスでの利用を想定したもので、デバイス内部接続向けの「Embedded DisplayPort(eDP) 1.5a」にも規定される。
車内で映像を伝送すると、振動によってケーブルやコネクターの状況が変化し、映像(フレーム)の脱落や繰り返しが発生することがある。そこで新プロトコルでは映像伝送時に全てのフレームに対してCRC(巡回冗長検査)多項式数学的署名を添付し、フレームの前後関係を明確にすることで、映像の脱落や繰り返しを防ぐという。
またこのプロトコルでは、映像の送出元から表示デバイスに制御データやコマンドを伝送するためのオプションとして「DisplayPort Auxチャンネル」も盛り込まれている。このチャンネルで伝送される信号は暗号化されるので、クラッカーが表示内容を改ざんすることを防げるという。
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