レビュー

スマホジンバルなんてもういらない? AppleのDockKit対応で可能性が広がる「Insta360 Flow Pro」で再考する武者良太の我武者羅ガジェット道(3/3 ページ)

AppleのDockKitに対応したスマホジンバル「Insta360 Flow Pro」のレビューをお届け。iPhoneとの相性はバッチリです。

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構図のバリエーションが増える無限回転仕様

 Insta360 Flowの横回転(パン)の動作範囲は-230度~100度となっていました。モーターの構造上、一定の回転角までしか回せなかったのです。これは他社製のスマートフォン用ジンバルも同様でした。

 しかしInsta360 Flow Proは、右回りでも左回りでも無限に回転できるようになりました。もちろんトラッキングも対応しており、Insta360 Flow Proの回りをぐるぐると回ってみると、常にiPhoneのカメラが被写体を追いかけて回り続けます。

360度パン

 Insta360 Flow Proを誰かが手で持った状態で使うのではなく、内蔵の三脚などで机の上などに置いたときの撮影に便利です。Vlogやライブ配信の構図、画角バリエーションを増やすことができるでしょう。

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“性能アップ/価格ダウン”のハイコスパなジンバル

 その他の機能も、多くはInsta360 Flowを継承しています。グリップカバーは付属しますし、底面部に三脚穴もある。スマートフォン充電用/オプションのLEDライト用USB Type-Cポートも備わっています。


付属のグリップカバーは常につけておくようにしたい

 ジョイスティックでジンバルの向きをマニュアル操作できます。タッチパネルでモードを切り替え、録画ボタンで録画開始/停止です。ギザギザの段が付いたのはズームホイールで、Insta360アプリ使用時にiPhoneカメラのズーム倍率を変更できます。


前面にあるメインコントローラー。黒いタッチパネル表面を右回り/左回りにスワイプするように触れることで、撮影モードが切り替わる

 トリガーは2回押しでセンタリング、3回押しでジンバルの向きを180度回転、長押しでモードをロックします。


背面にはトリガーが備わる

 自撮り棒としても使えるように、5段式のロッドを内蔵しています。ロッド先端部を内側に曲げられるヒンジも備わります。これらの要素は全てInsta360 Flowゆずりです。


ロッドを伸ばすときは力をこめて引っ張る必要がある
歩き

 つまるところ、手で持って録画のためのジンバルとして使うのであれば、Insta360 FlowもInsta360 Flow Proも大きな差はありません。DockKitによるInsta360アプリ以外のアプリで録画/配信や、無限回転トラッキングが必要でなければ、いますぐにInsta360 Flow Proへ買い替えしなくても大丈夫です。

 しかし、これらの機能が欲しい、または他社製のかさばるスマートフォン用ジンバルを使っているのであれば、Insta360 Flow Proの購入を一考してみましょう。なにせ機能がアップしたのに、Insta360 Flowより1100円ほど安い1万9800円です。コスパに優れたジンバルとしてもおすすめします。


スマホジンバルとしておすすめ

 なお冒頭で「1点だけ気になることを除けば~」と記しましたが、それはソフトウェア面での安定性です。NFCペアリングをしているにもかかわらず、DockKit周辺機器としてではなく勝手にInsta360アプリ用の通常のBluetoothペアリングをしてしまうことが多々ありました。これはDockKit側かInsta360 Flow Proの制御側のどちらに難があるのか判断できなかったのですが、ソフトウェア由来のトラブルでしょうから、一日も早い修正を期待したいところです。

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