Special

MSIの高性能&多機能マザー「MPG Z890 CARBON WIFI」で組み立てもスマート&スムーズに 自作PCはここまで来たぞ!(3/3 ページ)

Intelの最新CPU「Core Ultra 200S」シリーズ対応のIntel Z890チップセット搭載マザーボードが各社から登場した。MSIの「MPG Z890 CARBON WIFI」は高性能かつ多機能ながら、組み立てやすさも追求したユニークなモデルだ。

PR
前のページへ |       

これは技あり! EPS12Vの位置

 EZ DIYではないが、今回の組み立てで楽だと感じたのがEPS12Vの位置だ。本製品を含むMSIのIntel Z890シリーズでは、なぜかEPS12Vがメモリスロット横にある。通常ならバックパネルの後ろにあるが、PCケースの壁、トップファン、VRMヒートシンクに囲まれた窮屈な場所でマザーボード組み込み後にEPS12Vケーブルを着脱するのは困難だった。

 これがメモリスロット横に移ったことで、周囲のクリアランスも十分に確保され、マザーボード組み込み後でも楽々とEPS12Vの着脱が可能になった。


従来製品のマザーボードだと、EPS12Vのコネクターがマザーボードの左上部分にあり、一度ケースに組み込むと冷却ファンやケースの天面部分が干渉してしまい、ケーブルの着脱が困難だった

その点、本製品ではスペースに余裕があるメモリスロットの脇になったことで、窮屈感が解消されたのが分かる

老眼の人は特に重宝する「EZ Front Panel Cable」

 もう1つ、作業の手間を軽減してくれるのが、「EZ Front Panel Cable」だ。PCケースにある電源スイッチやLEDランプ用のフロントパネルケーブルは、マザーボード上のピンヘッダーに挿す必要がある。

 通常は2本組ないしはバラバラのケーブルで、電源スイッチ/リセットスイッチ/電源LED/アクセスLEDと4種個別に接続していく。マザーボードをPCケースに組み込んだ後では、窮屈なケース内、さらに細いピンに挿していく作業はけっこう神経を使う必要があった。

 EZ Front Panel Cableは、これを中継するケーブルだ。先にマザーボードにEZ Front Panel Cableを挿しておけば、少し延長された見やすい位置でケーブルを接続でき、あるいは逆にフロントパネルケーブルをEZ Front Panel Cableに挿してから、マザーボードに接続することもできる。若い人はともかく、老眼が始まった年代の人方には必須のEZ機能だ。


中継ケーブル状のEZ Front Panel Cableを介して、フロントパネルケーブルを簡単に接続可能だ

 なお、安価なケースや古いケースでフロントパネルケーブルがカラフルなものも、ブラックケーブルのEZ FRONT PANEL CABLEを使えば見栄えを良くできる。

ケーブルすっきり「EZ Conn-Design」

 簡易水冷CPUクーラーを使う場合、ファンやLEDのケーブルをどうしたらキレイに隠せるかに頭を悩ます方も多いだろう。2in1や3in1ケーブルで集約できるものでも、ファンとLED、2系統は必ず残る。

 EZ Conn-Designは、ファン用/ARGB LED用だけでなく、製品によってはUSB用のケーブルを1本にまとめられる中継ケーブルだ。1本化できるので見栄えがよくなるし、メンテナンス時もあれこれ取り外す手間を省ける。


付属するEZ Conn Cableを利用すれば、簡易水冷用の冷却ファンとARGB LEDを、1本のケーブルにまとめられる。

3ピンと4ピンのARGBとUSB 2.0ケーブルをまとめられるので、組み立て時も取り外し時もこれでかなり楽になり、見た目も良くなる。

はめ込み式の「EZ Antenna」

 おおよそ組み上がってきたところで、無線LANのWi-Fiアンテナを接続する。いわゆる同軸SMAコネクターのWi-Fiアンテナは従来、根本部分のナットをぐるぐる回して固定していた。ここをはめ込み式に改めたのが「EZ Antenna」だ。

 ちなみに、本製品は標準で最新の無線LAN規格であるWi-Fi 7(最大320MHz)をサポートしている。


はめ込み式になったEZ Antennaで、アンテナケーブルの着脱も押し込む/引っ張るだけで楽に行える

アンテナ本体側の台座はマグネットを内蔵しており、金属テーブル上ではピタッと安定装着できる

トラブルシューティングに役立つ「EZ Debug」

 組み立てが完了したら、ケーブルの接続などを再確認して電源をオンしよう。この時、現在のPCでは初回にメモリートレーニングというものが行われるのだが、これがけっこう長い。電源を入れたのにディスプレイ画面に何も映らない状態が続くと不安を覚える人も多いはずだ。

 他にも、組み方やパーツ構成によってはCPUに問題があったりグラフィックスカードに問題があったりすることがある。しかし安心してほしい。「EZ Debug LED」を備える本製品なら、まず現在どのステップにいるのか把握できる。EZ Debug LEDはCPU/DRAM(メモリ)/VGA(グラフィックスカード)/BOOTという4つのLEDで構成されており、現在どの段階にあるのかを確かめられる。

 次々にステップが移っていけば問題なし、どこかで止まっていればそこが問題箇所というわけだ。


EZ DIGI-Debug LED(左の表示機)とEZ Debug LED(右の4つ並んだLED)

 具体的に何が問題かというのは、その横になる「EZ DIGI-Debug LED」の助けが必要だ。こちらはPOSTコードを表示するもので、もしも途中でPOSTコードが止まっていればそのコードを頼りに何が問題なのかを特定できる。

 EZ Debug LEDは、ミドルレンジやエントリーゲーミングクラスの製品にも採用されている。一方でEZ DIGI-Debug LEDが搭載されるのは、本製品などのハイエンドモデルだけだ。

BIOSやMSI Centerも進化してEZ仕様

 無事にPCが起動したら、BIOS(UEFI)以降のEZ機能をスクリーンショット形式でいくつか紹介しよう。


初回起動時に、分かりやすい画面からパワーリミット設定を選べる「MSI Performance Preset」

AI用プロセッサ(NPU)を搭載するIntelの最新CPU「Core Ultra 200Sシリーズ」。このNPUをオーバークロックする「AI Boost」機能にも注目だ

電源設定は統合ユーティリティー「MSI Center」の「USER Scenario」で設定していたが、いちいち切り替えるのは手間がかかる。そのような悩みは「MSI AI Engine」にお任せだ。AIが状況に基づく最適な電源設定、ファン回転数の設定を適用してくれる

 初心者がBIOS設定をしようとしても「どの項目?」「数値はどのくらいが妥当?」が分かりづらい。それらの悩みを、まず「MSI Performance Preset」が手助けしてくれる。

 基本はデフォルトのままでOKだし、パフォーマンス設定もパフォーマンスと引き換えに消費電力が大きくなったり動作音が大きくなったりするのとのトレードオフと考えればよい。オーバークロックではないので、システムにダメージを与えない範囲のものだ。

 NPUのオーバークロックも、AI世代のCPUでは注目機能だろう。また、OSをインストールした後のデフォルトではPC性能を引き出せないというのも、初心者には気づきにくいところだ。ここが分からない人は、とりあえず「MSI AI Engine」をオンにすればよい。分かる人はUSER Scenarioから最適なものに適宜切り替えよう。

MPG Z890 CARBON WIFIとエントリーモデルのEZ DIY機能の違い

 最後に、本製品とエントリーモデルでのEZ DIY機能の実装の違いもまとめた。MSI自体、全ラインアップでEZ DIY機能の普及を進めているためエントリーモデルでもかなりカバーしている。しかし、ハイエンド(構成の)ゲーミングPC固有の機能や固有の問題を解消する機能となると、本製品のみの実装となる。


EZ DIY機能の比較

上級者にも初心者にも、久しぶりのリターン組にもお勧めしたい製品

 実際にPCを1台組んでみて、EZ DIY機能のおかげで十分に時間を短縮できたと感じる。そして肝心なのは、自作PCに慣れている人も楽に組めて親切だと感じられるが、慣れていない人の方がよりEZ DIYの恩恵を感じられるだろう点だ。


同社のミドルタワーケース「MPG GUNGNIR 300R AIRFLOW 」に、Core Ultra 9 285KのCPUと同社製グラフィックスカードの「GeForce RTX 4070 Ti GAMING X TRIO 12G」を組み込んでみた

マザーボードやグラフィックスカードスタンドにあるドラゴンが目を引く

 初めて自作PCを組み立てる人は、本当に問題なく組み立てられるだろうか、どんな工具が必要だろうか……といろいろと不安をお持ちだろう。もちろんマザーボードにも組み立てマニュアルが付属するのでご覧いただくのがベストだ。

 それでも不安でWeb上の組み立て講座も参考にすることもあるだろう。筆者もそういったコンテンツを制作したことがあるが、その中で注意が必要な箇所として重点的に解説を割いた工程の一部を、EZ DIYならすっ飛ばしてくれる。

 ハイエンドゲーミングPCを目指す人にとって、MPG Z890 CARBON WIFIのスペックは十分納得できるものと思うが、さらに一歩、組み立て手順までイメージしていただくとMPG Z890 CARBON WIFIがより魅力的な製品だと気付くことだろう。


「MPG Z890 CARBON WIFI」のパッケージ

 なお同社は、2025年2月28日まで、「冬こそ自作PCレビューキャンペーン」を展開中だ。MPG Z890 CARBON WIFIを含め、対象のマザーボードや一部の同社製簡易水冷クーラー/電源ユニットを購入後に、指定サイトでレビューを投稿した全員が2000円分の「えらべるPay」をもらえる。

 お得なキャンペーンなので、ぜひ活用してほしい。


2025年2月28日まで開催される「冬こそ自作PCレビューキャンペーン
前のページへ |       

提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2024年12月27日

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.