組子細工を組み込んだ「FMV Note C」登場! 島根富士通がPCの累計生産台数5000万台突破を記念して(1/2 ページ)
島根富士通が、これまで生産したPCが累計5000万台を突破したとして、島根県にある同社の生産工場で記念イベントを行った。
2月13日、富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の子会社で、ノートPCやデスクトップPCの生産を担う島根富士通が、同社の生産工場である本社工場においてPCの累計生産台数5000万台突破の記念イベントを開催した。
累計生産台数5000万台の歩み
今回の累計生産台数“5000万台突破”については、2024年3月に掲載された記事に詳しいが、同社内ではプロジェクトチームやワーキンググループが始動し、特別モデルの製作が進められていた。
そもそも、島根富士通の本社工場は1989年12月に始動し、1990年10月から富士通初のPC専門工場として操業を開始した。初期に生産していたのは「FMRシリーズ」「FM TOWNSシリーズ」といったデスクトップPCで、1995年以降はノートPCの生産に特化し、2011年からタブレットPCの生産も開始しており、2021年にはデスクトップPCの生産も再開している。
年間生産台数は1991年度で約11万2000台、2020年度には約240万台とピークを迎え、2022年度でも約170万台ものPCを生み出した。
その歩みを振り返ると、1995年8月に累計100万台、2000年7月に500万台、2003年6月に1000万台、2008年2月に2000万台、2013年5月には3000万台、2019年5月に4000万台を達成している。
ちなみに、5000万台の生産は2025年1月20日だったという。
組子細工をはめ込んだ5000万台記念モデル
節目節目で作られた歴代記念モデルの中で、特にこだわって製作されたのが4000万台の記念モデルで、「LIFEBOOK UH-X/C3」をベースにして天板に八雲塗が施されている。デザインは「日本の夕日百選」に登録されている同社地元の宍道(しんじ)湖の夕日がモチーフで、限定1台のみの生産となる。
工場の入口には、累計生産台数において節目となった歴代モデルが展示されている。累計2000万台の際は、モバイルPC「FMV-BIBLO LOOX R70Y」をベースに、天板をイタリアンレッドに塗り上げたモデルを一般販売(限定222台)した
そういった経緯を踏まえ、今回の5000万台記念モデルにはFCCLの最新モバイルPC「FMV Note C」を特別仕様に仕立てたモデルが公開された。
FMV Note Cは、1月に行われたFMVブランドのリニューアルで、その象徴的存在といえる注目モデルだ。
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記念モデルの天板部分には、島根の伝統工芸の1つ「組子細工」(くみこざいく)がはめ込まれており、キーボードもSimane Fujitsuの略となる「S」「F」「J」がアクセントカラーに採用されている。ボディーカラーも特別仕様だ。
組子細工とは飛鳥時代から継承される日本の伝統技術で、釘や接着剤を使わずに木だけで幾何学模様を作り出す。
5000万台記念モデルを手にする関係者。左から、出雲市長の飯塚俊幸氏、島根富士通 代表取締役社長 神門明(ごうど あきら)氏、富士通クライアントコンピューティング 代表取締役社長 大隈健史氏、島根県知事の丸山達也氏
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