1993年生まれのパソコン「FMV」がイメチェン 狙いは「国内重視」と「顧客拡大」(1/2 ページ)
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が、個人向けPCブランド「FMV」を刷新する。その狙いはどこにあるのだろうか?
既報の通り、富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は1月16日、個人向けPCの新製品を発表した。
新製品を機に、FCCLは個人向けPCのブランド「FMV」をリニューアルする。
FCCLはなぜ、FMVブランドをリニューアルするのだろうか。
新FMVブランドの象徴的な製品だという「FMV Note C」。いわゆる「Z世代」の社員をプロダクトマネージャーに据え、そこに技術者を始めとするベテラン社員の知見を組み合わせることで「従来の『FMV』のイメージをあえて覆す製品」に仕上げたという
1月16日に行われた発表会の登壇者。左からFCCLの佐藤快氏(FMV Note C ブランドマネージャー)、ファッションモデルの八木莉可子さん(FMV Note Cのイメージキャラクター)、FCCLの大隈健史社長、同社の堀志織氏(FMV Note C ブランドマネージャー)
FMVは2025年10月で「32歳」
FMVは、富士通の国内向けPC/AT互換機向けのブランドとして1993年10月に生まれた。FMVの「V」は、本来は欧米の言語しか扱えないPC/AT互換機用の「MS-DOS」において、日本語表示を行うソフトウェア「DOS/V」に由来する。当時、富士通は国内で独自アーキテクチャのPC「FMR」「FM TOWNS」も展開していたため、「V」は独自アーキテクチャPCと区別する意味合いも持ち合わせていた。
- →初代FMVの紹介(富士通)
1994年には、個人向けデスクトップPCのサブブランドとして「DESKPOWER(デスクパワー)」が登場した。FMV-DESKPOWERはプリインストールアプリが豊富で、購入したらすぐに使い始められるという特徴を持っていた。OSやアプリの導入作業を省けるということは、当時は画期的なことだった。
富士通の国内向けPC/AT互換機初号機である「FMV-466D」は1993年10月に登場した。ボディーデザインは当時のFMRと同一だったが、本体左上のロゴステッカーとフロッピーディスクドライブの台数で一応の区別が付くようになっている
1995年にはノートPCも登場する。ノートPCには「BIBLO(ビブロ)」というサブブランドが付与され、デスクトップPCと区別された。当初、FMV-BIBLOは個人/法人向け共通のブランドだったが、1998年には法人向けに「LIFEBOOK(ライフブック)」という新たなサブブランドが登場している(当初は「FMV-BIBLO LIFEBOOK」を名乗った)。
海外向けモデルにも使われたLIFEBOOKブランドは、2010年から国内の個人向けモデルにも使われるようになった。これは海外と製品ブランドを統一する観点から行われた取り組みで、国内向けデスクトップPCも同じタイミングで海外向けだった「ESPRIMO(エスプリモ)」ブランドに変更されている。
- →初代FMV-BIBLOの紹介(富士通)
1995年に登場した「FMV-450NL」は、FMVとしては初めてのノートPCで、BIBLOのサブブランドが付与された。余談だが、FMVにプリインストールされていたMS-DOS/Vは、日本語フォントがMicrosoft純正ではなく(FMR/FM TOWNSとほぼ同一の富士通オリジナルに差し替えられていた
そんなこんなで2025年10月、FMVブランドは32歳の誕生日を迎える。
富士通(2016年からはFCCL)が1993年から作ってきた主なPC。2018年に「ふくまろ」や電子ペーパー端末「QUADERNO」が含まれているのは、FCCLのポートフォリオ拡大を反映しているものと思われる
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