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オフィス内で紙を作る! 麻布台ヒルズで動くエプソンの製紙機「PaperLab Q-5000」を見てきた(1/2 ページ)

エプソン販売は、麻布台ヒルズとのコラボレーションパートナーに参画、同社製の乾式オフィス製紙機「PaperLab」を導入した森ビルとの成果を発表した。

 エプソン販売は9月25日、森ビルが運営する麻布台ヒルズとのコラボレーションパートナーへの参画を受けて成果を発表、乾式オフィス製紙機「PaperLab Q-5000」の導入実態も公開された。


7月に発表された森ビルが運営する麻布台ヒルズとの取り組み

 コラボレーションパートナーへの参画は7月1日に発表済みで 今回の取り組みでは乾式オフィス製紙機の最新モデル「PaperLab Q-5000」を導入し、森ビルオフィス内で紙資源の循環を実現しているのが特徴だ。

 また麻布台ヒルズ内の一部広告掲出場所では、同社製プリンタを用いた広告出力にも対応しており、VOC(揮発性有機化合物)の含有量が少ないレジンインクを用いることで環境負荷低減に貢献できるとしている。

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コロナ禍を経て企業の環境意識は大きく変化

 麻布台ヒルズで行われた発表会では、エプソン販売 代表取締役社長 栗林治夫さんと同社取締役 マーケティング本部長 豊田誠さん、森ビル タウンマネジメント事業部 メディア事業企画部 部長 山本栄三さんが登壇し、エプソングループの環境への取り組みや、森ビルとのコラボレーションについての現状と今後について話された。


発表会に登壇したエプソン販売 取締役 マーケティング本部長 豊田誠さん、同社 代表取締役社長 栗林治夫さん、森ビル タウンマネジメント事業部 メディア事業企画部 部長 山本栄三さん(左から)

 冒頭で栗林さんは「エプソングループは持続可能で心豊かな社会の実現を目指し、環境への取り組みを重要な使命と捉え、具体的な目標とアクションを掲げて実践している。気候変動などの環境問題は喫緊の課題であり、顧客の環境意識も高まっている」と述べた。

 特に経営層から環境対応に関する相談が増えていることを指摘し、エプソングループとして環境活動を一層強化する方針を示した。


エプソングループの環境への取り組み

具体例としてインクジェットプリンタを挙げ、消費電力削減はもちろん、CO2排出量を3分の2に削減できることで、顧客の印刷における環境負荷を軽減するとした

乾式オフィス製紙機「PaperLab」は、オフィスで使った用紙や名刺などを再生/再利用することで、環境負荷の高い水を使わずに紙資源の循環を実現できるとアピールした

エプソン販売が提供する価値

 続いて、豊田さんが同社が行った調査(2025年版 ビジネスパーソンの職場における環境問題に関する意識と実態調査)の結果発表を行い、「前回調査を行った2019年と比較して、企業の環境問題への関心は全項目で10ポイント以上向上し、特に製造業では20ポイント以上向上している。環境への関心が全体的に高まっている」とデータで示した。

 また「2019年度の調査では、取り組みの目的が圧倒的にコスト削減だったが、今回の調査では企業イメージの向上や社会的責任といった側面が大きく伸びている」と指摘した。


エプソン販売が行った調査では、コロナ禍前に比べて製造業で環境配慮への関心が大きく変わったそうだ

調査結果のまとめ

アンケート結果では、紙が一定量残る現場もあり、そこでPaperLabを活用する事例も複数あるという

森ビルのオフィス内にPaperLabを導入して分かったこと

 エプソン販売と森ビルとの協業は、2018年の「チームラボ ボーダレス」でのプロジェクションパートナーとしての協力関係が始まりだ。「麻布台ヒルズの『グリーン&ウェルネス』な街作りと、エプソンの『人と地球を豊かに彩る』というパーパスの方向性が一致したため、コラボレーションパートナーとなった」と豊田さんは経緯を説明した。


不動産業界にある根強い紙文化という課題に対し、森ビル社内の作成文書はペーパーレス化を進める一方で、法的に必要な書類や取引先との重要書類はPaperLabを活用して紙資源循環を実現し、街の活性化につなげたいとした

 紙を無理になくすのではなく、使用済みの紙を資源として循環させるという発想から、オフィス製紙機「PaperLab」が生まれた。これにより、新たな形のペーパーレスを推進できるとして、麻布台ヒルズの森ビル内でPaperLab Q-5000が導入された。


PaperLab導入後、社員アンケートで約8割が「紙資源の循環への意識が高まった」と回答した。オフィス内にPaperLabが設置され、紙が再生される過程が常に見える状態(見える化)であることが、社員の意識向上に非常に大きな影響を与えているのが分かる

ペーパーラボの導入が森ビルへの愛着や誇りにどう影響したかという質問に対し、約8割の社員が前向きに捉えていると回答しており、エンゲージメント向上にも寄与しているのが伺える

麻布台ヒルズのオフィスでは1日で約700枚の紙が再生されており、水資源やCO2排出量を大きく削減しているという

今後は再生紙の背景を顧客に説明することで、お互いの環境意識を高めるきっかけになる可能性があるとした

 続いて、麻布台ヒルズで森ビルの社員約120名が利用しているPaperLabの現場を見ていこう。

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