2025年のPC業界を振り返る キーワードは「EOS特需」「メモリ逼迫(ひっぱく)」「Snapdragon」(2/4 ページ)
2025年もまもなく終わる。PC業界にとって、この年はどういう年だったのか。振り返りたい。
10~12月はDRAM/フラッシュメモリの供給不足や価格高騰が話題に
2025年の第4四半期(10月~12月)は、DRAMやフラッシュメモリなどの供給不足から価格の上昇が世界的に見られた。
クライアントPC向けメモリ/SSDに限っていうと、Windows 10のEOSに伴うPC本体の需要が一段落し、PCメーカーが生産/出荷を調整することでモジュールの供給はむしろ増えて、価格も下落すると考えられていた。
しかし、市場では予想と逆の現象が発生している。要因は大きく2つあり、1つはクライアントPCのメモリにおいてDDR4/LPDDR4(X)規格からDDR5/LPDDR5(X)規格への急速な移行が進んでいること、そして何よりも大きいのはデータセンターで使われるAIサーバにおけるDDR5/LPDDR5(X)メモリの需要が膨大に増えていることだ。
DRAMベンダーが生産ラインを利幅が大きな「HBM(High Bandwidth Memory)」にシフトしていたことなども重なった結果、いろいろな所から“引っ張りだこ”状態なDDR5/LPDDR5(X)メモリの供給不足が発生し、需要と供給のバランスが崩れて価格が急上昇しているというのが現状である。
「需要が大きいなら、DRAMやフラッシュメモリのベンダーが供給を増やせばいいのでは?」と思うかもしれないが、半導体製品は基本的に「規模の経済」で、工場を増やすには数十億~数百億円単位の投資が必要だ。それだけの投資をして、工場が完成した頃には需要が一巡していて、投資が無駄になってしまう――そんなことも容易に想定される。
2009年にドイツのQimonda(キマンダ)、2012年に日本のエルピーダメモリが経営破綻したのは、まさにこのパターンで、半導体工場の新増設は簡単ではないことを証明してしまった。
このようなこともあり、この価格高騰をどうにかするには「DDR5/LPDDR5(X)メモリの需要が一巡するのを待つ」「どこかのベンダーがHBMなどの生産を取りやめて(減らして)、代わりにDDR5/LPDDR5(X)メモリの生産量を増やす」といった対応で、市場における需給状況をリバランスするのを待つしかない。
しかし、言うまでもなく市場経済において需給のバランスを決めるのは市場の論理であり、リバランスがいつになるのかは誰にも言えない(予想できない)状況だ。
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