キンタロー。も驚くほぼ「入力ゼロ」の“次世代”確定申告 2026年の弥生は3つのAI活用とデスクトップ製品強化を両輪に(1/3 ページ)
個人事業主やフリーランスを悩ませる「面倒・難しい・不安」という確定申告の課題に対し、AI-OCRやマイナポータル連携による「入力ゼロ」に近づく新たな体験を提示する弥生。同社の2025年度振り返りと2026年度の方針を聞いた。
2月16日から確定申告の受付が始まる。同社のソフトウェアにおいてAIを活用した新たな申告が可能になることを訴求した。
個人事業主やフリーランスが確定申告で直面している課題として、「面倒」「難しい」「不安」を挙げ、同社の申告ソフトを通じて、これらを解決できるとする。
確定申告の「面倒・難しい・不安」をAIで解消
弥生では、2026年2月9日に開催した事業戦略説明会において、確定申告の際に同社製品における最新のAI活用事例を取り上げた。
ゲストとして登壇した芸人のキンタロー。さんは、「これまでは、AIに旦那のグチをつぶやいて、納得のいく答えをもらって喜んでいたが、AIの真骨頂はここではない。AIに無駄な力を使わせていた。AIの正しい使い方をしたいと思った」と語り、会場を沸かせた。
キンタロー。さんは、2024年に個人事務所を設立し、弥生のクラウド請求書作成ソフト「Misoca(ミソカ)」のユーザーでもあるという。「イチローのものまね芸人であるニッチローさんに勧めてもらった。周囲の人からは『請求書発行が早いですね』と言われる」というエピソードを披露した。
「もともと、紙の領収書の整理が苦手で、確定申告と聞くと早くやらなくちゃいけないと思い、憂鬱(ゆううつ)な気持ちになる。ネタを考える脳と、事務作業をする脳は回路が違う。脳の切り替えと作業時間の確保は強敵である」とした。
同社は確定申告を「面倒、難しい、不安」から、「楽に、かんたんに、安心に」に変えることができる3つのキープロダクトとして、「やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン」「スマート証憑管理」「スマート取引取込」を紹介した。
スマート証憑管理では、請求書や領収書、スマホで撮影した書類などをアップロードするだけでデータ化して読み込みが完了し、手による入力は不要になるという。
例えば、PDFの書類をアップロードすると弥生のAIが瞬時に解析し、日付や金額などを自動的に読み込むことができるのに加え、AI-OCRによる自動仕訳も行う。取り込んだ書類は、紙での管理が不要になるため、紛失の心配がないというメリットがある。
スマート取引取込では、銀行口座やクレジットカードのデータを自動で取り込み、AIが勘定科目を推測して、自動仕訳候補を生成する。作業時間は最大90%削減でき、手入力や計算ミスの削減もできるという。仮に取り込んだデータに修正が必要な場合にも簡単に作業が行える。
弥生 NEXT Business Unit クラウド成長推進部 経理財務GTMチーム リーダーの喜多佑介さんは、「銀行口座やクレジットカードとの連携により、通帳から書き写す作業は不要になる。AIの力を使うことで勘定科目を推測し、すぐに登録ができる」とした。
そして、「やよいの青色申告 オンライン/やよいの白色申告 オンライン」では、行う作業を明確にするガイド機能の搭載や、作業進捗の可視化機能などを提供している。e-Taxとの連携により、提出までを自宅で完了できるという。
喜多さんは「確定申告のボタンをクリックすると、後は質問に答えるだけで決算書や申告書を作成できる。マイナポータルと連携して本人確認を行い、控除額の明細を取得できる。住宅の売買や株式の売買、その他の所得があった場合も、ガイダンスに則って作業を進めることで、特定の書類の作成が可能だ。確定申告書類が完成すると、そのまま提出できて申告作業が完了する。弥生の申告ソフトは、マイナポータルに完全対応しており、これが新たな形となる。紙の証明書を探す手間も入力する必要もない。入力ゼロに近づくことができた」としている。
今回のデモンストレーションでは、ふるさと納税への申告を容易にする機能も紹介した。
ふるさと納税を行った際には、確定申告において寄付先ごとに金額を入力したり、マイナポータルとの連携設定を行ったりといった手続きが必要だが、これが面倒であるという声が多く、さらに申告後に控除が反映されたか確認しづらいなどの課題も指摘されている。
同社は「ふるさと納税が、確定申告の面倒さを膨らませている」と指摘する。
キンタロー。さんは、「周囲の人からふるさと納税を勧められるが、確定申告でやることが増えてしまう。そんな余裕はないのでやっていない」とし、「ふるさと納税は、準備を万端にできる人、丁寧な暮らしをしている人、余裕がある人しかできないというイメージがある」と述べた。
弥生ではマイナポータル連携を活用し、スマホなどにマイナンバーカードをかざすだけで、国税庁のデータと自動的に連携。控除額などを自動で取得し、一覧で自動入力できるという。証明書を探したり、手入力のミスがなくなったりするというメリットもあるという。
同社は確定申告の作業が「面倒」な原因として、作業時間の確保や、帳簿の作成および整理、控除申請への対応など、作業負担が多く、事務作業のための時間を捻出する難しさが背景にあると指摘する。
また「難しい」では、どこから手をつけていいのかという初動の迷いや、頻繁に変わる税制への対応、複雑な計算ロジックなどの専門知識の壁があることを挙げた。さらに「不安」では、計算ミスや申告漏れ、個人情報やマイナンバー情報などを取り扱うセキュリティに対する懸念があるという。
同社のAI機能を活用することで、こういった課題の解決が可能であるとした。
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