レビュー

ワコム上位機に肉薄? 10万円で18.4型4K! 高コスパ液タブ「GAOMON Pro 19」の長所と弱点ある日のペン・ボード・ガジェット(2/4 ページ)

GAOMONから新たに登場した18.4型の4K液晶ペンタブレット「GAOMON Pro 19」。実売10万円前後という手の届きやすい価格ながら、広色域ディスプレイと上位機に迫る描き味のペンを備えています。その実力と「買い」のポイントをプロの視点で徹底レビューします。

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広色域に対応したディスプレイを搭載

 ディスプレイの性能もチェックしておきましょう。

 本機は4K解像度で、色域ボリュームはsRGB 99%/Adobe RGB 96%/DCI-P3 98%を訴求していますが、ここで若干ただし書きがあります。公式の仕様表には「カバー率」ではなく、「ボリューム」という言葉が使われていたので「面積比」として読むのが妥当そうですが、たぶん誤りです。

 手元で計測すると、Adobe RGBとP3系を両取りするタイプの広色域ディスプレイなのが分かります。これで面積比がsRGB(緑の三角)に対して99%というのはあり得ないので、実際には「カバー率」を指した値なのでしょう。ともかく、印刷から映像までを広く対応できる発色能力を持ったディスプレイです。

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測定器で本機をチェックしてみました

 発色モードはネイティブ以外にsRGB/Adobe RGB/DCI-P3プリセットを選べます。カラーキャリブレーターを持っていなくてもAdobe RGBやDCI-P3を目標にした制作をしやすいですが、初期値がAdobe RGBに設定されています。本機を入手したら最初にsRGBに設定するか、Adobe RGBが使いたいならば勉強してOSとアプリの設定を見直す必要があります。

海外メーカーあるあるの「Pro Pen 2」そっくりペンが付属

 さて、付属のペンをチェックしましょう。本機にはGAOMON最新世代の「G-Pro」ペンが付属しています。ワコムの現行から1つ前の世代の「Pro Pen 2」に近い外観と握り心地のペンです。

 消しゴム側はなし、サイドボタンは2つで、横置き/縦置きに対応したペンスタンドには、芯抜きと替え芯(通常芯とフェルト芯)が入っています。


付属のG-Proペン。軽さやサイドボタンの押し心地から、少しチープな感じがします

 Pro Pen 2と比べると、グリップがふんわりして柔らかい握り心地なのは好印象です。一方で芯の軸のアソビがやや大きく、始筆でカチカチ揺れる感触があるのは気になりました。描画の正確性に問題が出るほどではないと思います。

ペンの性能テスト:弱点を探るも実用上の問題はなし

 ペンの性能や弱点のテストもしましたが、おおむね問題なかったので手短に見ていきましょう。沈み込み感なし、斜め線の揺らぎもなし、遅延も問題なし、かなり弱い筆圧から強い筆圧まで自然な反応で描けました。ブラシの設定を変えずに薄くも濃くも塗ることができ、筆圧で細い線から太い線まで安定してコントロールできます。


ペンの使い心地をチェックします

 素早く文字を書く場合や、素早くハッチングを描く時などは、線が少しなめされた感じや、ヒゲの出やすさはあるようでした。他社にもよくある程度ですし、ハッチングを沢山描かなくてはいけないとかでなければ、イラスト作業で気になることはほぼないと思います。

 最近たびたび言及しているように、HUIONやXPPenのペンは弱点がどんどんなくなっていき、十分な完成度になっています。本機のペンも、ワコムの「Pro Pen 3」ほどではないにしても、それらのペンに対しては十分競える性能と描き味になっていると言えそうです。

ドライバの完成度は改善の余地あり

 見た目や性能面では感心することが多かったのですが、使っていて引っかかりを感じたのがドライバです。基本的には他の海外メーカーに似た機能のドライバで、ワコムほど多機能ではありませんが、それ自体が問題ではないです。

 手元のテスト用のWindows PCで使う限りではですが、完成度に疑問が残る点や不思議な挙動がちょくちょくあり、見る機会の少ない一部のUIには中国語が残ったままになっているなど、ローカライズの課題もあります。

 まず気になるのが、Windowsのスケーリングに対応していない点です。普通のアプリはWindowsのディスプレイ設定「拡大/縮小」に応じてGUIが拡大されますが、本機のドライバはそれに対応しておらず、4K画面の中では表示が小さすぎて見づらいです。


200%設定での表示例。CLIP STUDIO PAINTの表示に対して文字などが小さすぎるのが分かるでしょうか

 また、サイドボタンに割り当てた右クリックが、一部のUIを右クリックできない、またはカーソルと離れた位置の右クリック扱いにされてしまうのも気になりました。

 自分が試した中ではスタートメニューやタスクマネージャー、Microsoft EdgeのコンテンツエリアやOutlookなどで発生していました。マウスで操作すればいいので詰むわけではないですが、描画以外のPC操作をしようとしたときに引っかかるのは、忙しい制作をしている時にはストレスがありそうです。


「スタート」ボタンは左クリックに0.5秒ぐらいのラグがあり、これも不思議です

 また、2台のテスト用PCのうち1台で、ドライバが液タブを認識していないことがたびたびあるのにも気付きました。実は最近のWindows PCはタブレットドライバが入っていなくても描けてしまうことが多く、良いといえば良いのですが……。


「デバイスが検出されません」と表示されています。タスクバーアイコンからドライバを終了してから起動し直すと稼働し始めるようでした

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