クリエイティブ用途、WQHD環境のゲームに“ちょうどいい”「Radeon RX 9070 GRE(12GB)」を試す:先行レビュー(4/4 ページ)
AMDの最新GPU「Radeon RX 9070 GRE」が国内でも発売される。RDNA 4採用の注目株をベンチで徹底検証した。
重量級ゲームでのパフォーマンスをチェック
続けて、重量級のゲームタイトルでも動作を検証していく。筆者もそうなのだが、PCでゲームを楽しみたい人は最新のゲームコンソールにも提供されるゲームタイトルでもPC版があればそちらを購入する人が多い印象だ。
そこでPCでも重たいゲームで、後にゲームコンソールにも移植されたようなタイトルや、同時に発売になったタイトルがどこまで動くかをチェックしていく。
なおここからのスコアはRadeon RX 9070 GREの結果のみを掲載する。
Cyberpunk 2077
「Cyberpunk 2077」は、最近の重量級PCゲームタイトルの代名詞にもなっている。まず、このタイトルにおける平均フレームレートを測ることにしよう。
今回は、ゲームのグラフィックスオプション内にあるベンチマークテスト機能を使って4K解像度における平均フレームレートを計測する。とはいえ、GPUのスペックを考えるとネイティブで4K解像度の描画をするのは厳しいため、超解像技術であるFSRとフレーム生成機能をオンにした上で、その他の設定は「レイトレーシング:ウルトラ」としている。結果は以下の通りだ。
- フルHD:192.26fps
- WQHD:145.14fps
- 4K:87.40fps
超解像度技術とフレーム生成をオンにしているが、特に重たいCyberpunk 2077でも4K解像度で平均60fps以上を記録した。
ゲームコンソールとテレビの組み合わせでは60fps、または120fpsが上限であるため、ここまでのフレームレートが出るのであれば、Radeon RX 9070 GREを搭載したPCはゲームコンソールの代わりに、最新のゲームタイトルを遊ぶのに十分な性能があるといっていいだろう。
Microsoft Flight Simulator
続いて処理が重たいゲームの定番である「Microsoft Flight Simulator」を試してみよう。今回は、最新版(Microsoft Flight Simulator 2024)の1つ前のバージョンだ。
「1つ前」といっても、現時点でも十分に“重たい”ゲームである。高解像度でプレイするとCPU/GPUで処理するために大量のデータを読み込むため、ベンチマークとしては最適なアプリであることには変わりがない。
今回はFSRをオンにした上でフレーム生成も有効とし、フルHD/WQHD/4Kの3つの解像度においてディスカバリーフライトの「モナコ」をAI操縦し、「CapFrameX」で2分間の平均フレームレートを計測した。結果は以下の通りだ。
- フルHD:90.6fps
- WQHD:88.1fps
- 4K:82.6fps
こちらは解像度による平均フレームレートの差があまりない結果になった。過去のRadeon RX 9070/9070 XTのテスト時にも同じような結果になっているのだが、これはゲームの性質によるものだろう。
過去のテスト時にも書いているのだが、グラフィックスこそきれいなMicrosoft Flight Simulatorだが、アクションゲームなどに比べるとデータの読み込みなどは単調であり、フレーム生成の効果が薄く、十分な量のビデオメモリやデータ転送速度を備えた近年の高性能GPUであれば、解像度によるフレームレートの差が出づらいのだろう。
アーマードコア6
実際のゲームを使っての計測の最後は2023年発売の「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」(以下、アーマードコア6)だ。
決して重たいゲームというわけでもないのだが、これもゲームコンソールと同時に発売になったゲームタイトルであり、最高画質がゲームコンソール同等と考えたときに「ゲームコンソールメインで展開されるゲームタイトルが、どこまでちゃんと動くのか」の指標として分かりやすいだろう。
設定でグラフィック設定を最高画質に、解像度もフルHD、WQHD、4Kの3種類を「CapFrameX」で2分間の平均フレームレートを計測した。結果は以下の通りだ。
- フルHD:119.7fps
- WQHD:119.1fps
- 4K:75.1fps
結果は今回の他のテストの傾向に近く、WQHDまでは高いフレームレートを記録する一方で、4K解像度になるとフレームレートが下がる。
4K解像度でプレイしている最中に極端にゲーム画面がカクつくことはなかったので全く性能が足りていないわけではないのだが、計測値で見たときには上位GPUなどと比べると4K解像度でのパワー不足を感じるといった具合だ。
各種テストを通じチェックした結果として、Radeon RX 9070 GREは「WQHD解像度までは快適に動作し、4K解像度ではゲームタイトルによっては厳しい場面もあるかもしれないが、遊べないほどではない」といったところだろう。
高いグラフィックス設定と高いフレームレートを両立させて4K解像度で遊ぶには厳しいが、そのどちらかさえ満たせればゲームプレイに支障のないゲームタイトルであれば、4Kでも十分通用するGPUだ。
クリエイター向けアプリの動作をチェック、動画の書き出しも速い
ここまでのテストは主にゲーム性能の確認を行ってきたが、最後にクリエイター向けアプリケーションの動作もチェックしていく。
今回は「動画の書き出し時間」を計測し、Radeon RX 9070 GREのクリエイター向けアプリケーションでのパフォーマンスを確認した。
今回は「Adobe Premiere Pro」で4K動画のエンコードに要する時間を比較してみよう。今回は「GoPro HERO 10」を使って撮影した数本の4K動画を30分ほどにまとめて書き出すのに要した時間を比較した。結果は以下の通りだ。
- Radeon RX 9070 GRE:3分19秒
- Radeon RX 9070:3分8秒
- Radeon RX 9060 XT:4分22秒
書き出し時間はRadeon RX 9070と比べるとわずかに遅く、Radeon RX 9060 XTと比べると1分以上も速い。
Radeon RX 9070との差はわずかであることから、GPUにゲームではなく動画の書き出し時間を重視してのアップグレードを考えた場合には、Radeon RX 9070 GREは有力な選択肢になりそうだ。
多くのニーズに対し「ちょうどいい」GPUに
Radeon RX 9070 GREは、GPUに性能を求める多くのニーズに対して「ちょうどいい」選択肢となるGPUだ。
ゲームは現在最も多いWQHD環境において十分なフレームレートを出せるので、性能不足を感じることがない。また、4K解像度においてもゲームタイトル次第、または設定次第では十分に実用的な速度で動作し、ゲームコンソールと比べた場合でも動作が重たいという場面も少ない。
そして動画の書き出し速度においても上位のRadeon RX 9070との差も小さく、クリエイター向けなど用途が限定された使い方において、ゲーム性能は求めず日常的な作業をより快適/高速に行えるGPUを探しているなら、ちょうどいいアップグレード先として選びやすいだろう。
関連記事
WQHDゲーミングに適した新型GPU「Radeon RX 9070 GRE」登場 搭載グラボはまもなく発売 549ドルから
AMDのGPU「Radeon RX 9000」シリーズに、新たな製品が登場する。WQHDゲーミング向けとしてはエントリーに相当するモデルだ。AMDが新型GPU「Radeon RX 9000シリーズ」を正式発表 アーキテクチャを一新してゲームやAIをもっと楽しめる 米国では3月6日発売
AMDが新型GPU「Radeon RX 9000シリーズ」を正式に発表した。とにかくハイスペックを求めるというよりは、PCゲーマーが真に必要とするスペックを高めるべく機能改善を図るという方向性だ。【更新】モンスターハンターワイルズは快適に遊べる? 結構強いミドルレンジGPU「Radeon RX 9070/9070 XT」を試す
3月7日11時、AMDの新型GPU「Radeon RX 9070」「Radeon RX 9070 XT」を搭載するグラフィックスカードの発売が解禁される。それに先んじて、PowerColor(TUL)製のグラフィックスカードでその実力を試してみよう。AMD、ミドルレンジのゲーミング向け新GPU「Radeon RX 9060 XT」を発表
AMD Radeon RX 9060 XTは新アーキテクチャ「RDNA 4」ベースで、CUは32基、RTアクセラレータは32基、AIアクセラレータは64基を搭載している 。「Radeon RX 9060 XT(16GB)」は性能と価格のバランスが絶妙な高コスパGPU フルHD/WQHDでゲームをするならお勧めできる理由
COMPUTEX TAIPEI 2025に合わせて発表されたRadeon RX 9060 XTを搭載するグラフィックスカードがついに発売される。発売に先んじてレビューする機会を得たので、その実力をチェックしていこう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.