理論値以上のゲーミング性能を発揮できる秘密は? MSI Claw 8 EX AI+で知る「Intel Arc G3 Extreme」の実力(2/5 ページ)
IntelがポータブルゲーミングPCに特化したSoC「Intel Arc G3」シリーズをリリースした。このSoC、理論性能だけを見るとライバルに劣るのだが、実際にゲームを遊ぶと性能面で“逆転”することがある。その秘密に、「MSI Claw 8 EX AI+」を通して迫る。
理論性能で不利ながらも実性能では勝つ!?
鬼武者ベンチの結果は以下の通りだ。
- Claw 8 EX AI+(Arc G3 Extreme)
- 中設定/レイトレーシングOFF:1万5073ポイント
- 中設定/レイトレーシング中:1万3689ポイント
- 高設定/レイトレーシングOFF:1万3662ポイント
- ROG Xbox Ally X(Ryzen AI Z2 Extreme)
- 中設定/レイトレーシングOFF:1万3897ポイント
- 中設定/レイトレーシング中:1万2280ポイント
- 高設定/レイトレーシングOFF:1万2619ポイント
ポータブルゲーミングPCのCPU(SoC)の世界では、Ryzenシリーズが長年トップの座に君臨してきた。だからこそ、この分野の古参ユーザーほど、理論的には勝ち目がなさそうなArc G3 Extremeが全てのテストで勝利を収めたという今回の結果には驚いていると思う。
ただ筆者は、2026年1月にArc G3シリーズのベースとなるPanther Lake(開発コード名)の内蔵GPUの優秀さを目の当たりにしていたので、そこまでの驚きはない。むしろ「Arc G3 Extremeの内蔵GPU(Arc B390 Graphics)恐るべし」という納得感が強まった。
なお、実際の動きがどんなものかチェックしたい人のために、それぞれの動作を動画として収録した。参考にしてほしい(映像は別のPCを使って録画しているため、ベンチマーク機のパフォーマンスには影響していない)。
もう少し結果を詳しく見ていこう。
まず、同じ設定におけるスコアを比較するとClaw 8 EX AI+はROG Xbox Ally X比で8%程度高い。この差は「計測誤差」ではなく、有意に「性能差」と言ってよい。明らかにClaw 8 EX AI+の方がゲーミング性能は“上”だ。
「まぁ、そういうこともあるでしょうよ」という意見はごもっともだが、先述した通り、理論的な性能だけを見ると1.68倍ほどの開きがある。なのに、ここまでの“逆転劇”を演じるのは珍しいことなのだ。この逆転劇に対する考察は、後ほど行う。
そしてもう1点、RTを有効化した場合のパフォーマンスの落差がClaw 8 EX AI+の方が小さいことも注目に値する。落ち込み幅はROG Xbox Ally Xが約11.6%だったのに対して、Claw 8 EX AI+は約9.2%に抑えられている。逆に、同一ハードウェアにおける「中設定」と「高設定」の落差は、共に約10%で、負荷の増加割合は同等だったようだ。
2026年9月時点では、TDP(熱設計電力)が40W以下クラスのゲーミング性能重視型ポータブルゲーミングPCを選ぶ場合、信じられない人も多そうだが、Claw 8 EX AI+(Arc G3 Extreme)に軍配が上がるということになる。
「ではRyzenはこのまま崩れ去るか?」と言えば、筆者はそんなことはないとも考えている。このことも、後ほど触れることにしたい。
実際にゲームをやってみるとどう?
「実際のゲームをプレイしている様子を見比べたい!」という人は、フロムソフトウェアの「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」(アーマードコア6)をプレイした動画を用意したので、参考にしてほしい。「なぜこのタイトルか?」といえば、シンプルに筆者が大好きだからである(笑)。
解像度はフルHDで、グラフィックスは「高設定」としている。
Claw 8 EX AI+の方は、「高設定」でも40~60fpsで動作している。これはなかなかに立派といえる。「中設定」にすると、下限の40fpsの部分がもう少し底上げされるような感じだ。
一方で、同一条件でROG Xbox Ally Xを使って遊ぶと、高負荷時の最低フレームレートは35fpsあたりになる。そういう意味ではClaw 8 EX AI+と大して変わらないが、40~50fpsあたりのフレームレートだと、Claw 8 EX AI+が常時2fpsくらい上回るイメージだ。
先のベンチマークテストで出てきた8%程度のスコア差は、この「常時2fpsくらい上回る」という所に現れている。
この後は、このベンチマークテストの結果を“深掘り”していこう。
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