“スタンディングフォルム”にデジタル放送チューナーと内蔵DVD/CDプレーヤーを搭載し、高品位な映像と音響を1台のテレビで完結させる“シンプリーコンプリート”コンセプトを具現化したナナオの液晶テレビ「FORIS.TV」SCシリーズのある意味で完成形とも言える新モデルが登場した。ここでは26V型の「SC26XD2」を見ていこう。
PC向け液晶ディスプレイの市場で、確固たる地位を築いているナナオ。同社が提案するEIZOブランドのカラー液晶テレビ「FORIS.TV」は、十八番である画像品質のみならず、ホームユースにふさわしい高いインテリア性、そして、豊かな音響出力をも備えた製品だ。さらに、これらの要素はただ散りばめられているだけではなく、各々に“ナナオの考える液晶テレビのあるべき姿”を具現化している点が大きな特徴と言える。
始祖でありながら、すでにFORIS.TV(SCシリーズ)のデザインアイデンティティである“スタンディングフォルム”、および、高品位映像と音響を1台のテレビで完結させる“シンプリーコンプリート”コンセプトを確立していた「SC23XA1」。分離型のレシーバーボックスを採用することで、いち早く地上/BS/110度CSデジタル放送受信に対応した「VT32XD1」「VT23XD1」。さらには、スタンディングフォルムを維持しつつ、デジタル放送チューナーの内蔵を実現した「SC26XD1」などへと、これまでFORIS.TVシリーズはさまざまな展開を示してきた。
今回新たに発表された3モデルは、スタンディングフォルムにデジタル放送チューナーを搭載しつつ、「SC26XD1」「SC19XA1」では省略された内蔵DVD/CDプレーヤーを復活させた、ある意味ではSCシリーズの完成形とも言えるものだ。基本スペックはほぼ共通で、32V型の「SC32XD2」、26V型の「SC26XD2」、20V型の「SC20XD2」というサイズバリエーションが用意されている(10月10日の記事を参照)。全モデルとも11月15日発売で、価格はSC32XD2が22万500円、SC26XD2が18万9000円、SC20XD2が13万6500円だ(いずれも税込み)。
ただ、“ほぼ共通”といっても、細かく見ていくと違いは結構あり、本体サイズを反映して各モデルでスピーカー口径が違うのに加え、D端子/HDMI端子の数(SC32XD2とSC26XD2は各2基、SC20XD2は各1基)、高さ調整機構(SC32XD2はなし、SC26XD2は4段階、SC20XD2は3段階)などが若干異なる。パネルに関しては、画素数はすべて1366×768ドットで、SC32XD2とSC26XD2はIPSモード、SC20XD2はVAモードだ。
また、SC32XD2のみ“電動”リモートターン機能(左右各30度)を備え、60フレームの映像を120フレームに拡張したうえで、暗めの画面では多く、明るい場面では少なく黒挿入を行う「フレキシブル黒挿入技術」も採用ずみだ。もちろん、FORIS.TVの最大の特徴とも言える「ナチュラルオーバードライブ」は全モデルで継承しており、液晶パネルの応答速度性能を最大限に引き出すとともに、パネル特性に合わせた動き補正を実現している。
今回はこの新モデルの中から「SC26XD2」を試用してみた。本体サイズは幅647×高さ949/999/1049/1099×奥行き410ミリで、26V型ながら質量30.0キロとなかなかの重さとなっている。
ただ、これは安定性に起因するもので、あえて重厚感のあるスタンド部を採用している点は、むしろ歓迎すべきだろう。もちろん、転倒防止フックの取り付けも可能だが、ほかの多くの薄型テレビと比較して、群を抜いた安定性を有しており、ちょっとやそっとの振動や衝撃では、揺れはしても転倒することはほとんどなさそうだ。
前面から見たスタイルは従来のSCシリーズとほぼ同様だが、背面に視線を向けると、上半分一面に張られたアルミ板が目を引く。表面にヘアライン仕上げが施されつつ、ネジ穴以外の成型は一切されておらず、シンプルかつ明確に存在感を主張している印象だ。もちろん、これはデザイン要素だけではなく、放熱性を確保するために採用されており、実際に手で触ってみても、ほかの部分と比べて際立って低い温度を感じられる。これにより、放熱孔は上面のみに設けられているにもかかわらず、その部分での発熱もきわめて少ない。
本体左側面の主電源スイッチを入れ、本体前面右、またはリモコンの電源ボタンを押せば起動する。DVD視聴を行うのであれば、「DVD開閉」あるいは「DVD再生」を押すだけでもよい。自動的に電源が投入され、ディスクトレイのオープンや再生を実行してくれる。
とりあえず、デジタル放送を視聴してみると、即座に一般的な液晶テレビとは一線を画すデフォルト設定に気づく。店頭での販売を主とするテレビ製品では、極度に明るい店内で展示された際にも際立つよう、あらかじめ明度やコントラストをかなり高めに振った映像に設定されている場合が多い。実際に自宅へ導入した際には、それらを落とし気味に設定し、ようやく納得の行く映像が得られたという体験を持つ人も少なくないはずだ。
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提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日