EIZOの液晶ディスプレイが大量導入された背景には、“レクサスクオリティ”を満たす高品位な製品デザインがあった。だがもちろん、それは理由のひとつに過ぎない。専用CGソフトによるデザインシミュレーションにおいて、どれだけ実車に近いクオリティでレクサスの豊富なカラーパターンを再現できるかが、最重要の選定要件であった。
レクサスの「カラー」へのこだわりは尋常ではない。エクステリアだけで22色をラインアップし、すべて6コートの複層塗装。カラーごとにコートパターンを変化させ、レクサスSCのコスモシルバーでは8コートの複層化を果たしている。また配色パターンも、従来のクルマが利用していたカラー領域を超えて、深みや透明度、反射率まで計算し尽くしているという。ショールームで実車を前にすると、広告の写真やTV-CFとはまったく違う表情豊かな色合いに驚くはずだ。
例えば、ポピュラーな色であるシルバーにしても、レクサスにはプレミアムシルバー、シルバーマイカメタリック、コスモシルバーを中核に、グレーやブルー、レッドなど色味が入ったシルバー系のメタリック色が存在する。それらは光の加減、見る角度で「はっきりと違う」ものだ。
だが、その違いを紙のカタログだけで見比べるのは難しい。そこでお客様へのコンサルティングで活用されているのが、専用CGソフトと高画質液晶ディスプレイを活用したデザインシミュレーションである。
「レクサスを購入されるお客様はクルマの全体のイメージに、こだわりを見いだす方が多いですね。ですから、(部分的な)色見本でさまざまな配色のご紹介をするだけでなく、ディスプレイ上でクルマ全体像を見ていただき、その場でカラーパターンを変えて見ていただくことは重要になります」(レクサス星が丘店マネージャーの吉田哲也氏)
CGシミュレーションの画面ではさまざまなカラーをあわせることが可能であり、オーナーはそれぞれのカラーパターンごとに「見え方の違い」を比べることができる。また視点位置がスムーズに変えられるので、角度によるそれぞれの色の表情の違いも見比べられる。これは紙のカタログでは不可能なことである。
「レクサスを検討される方は『私にあう色』を求めるケースが多いですね。色へのこだわりは強いと感じています。例えばシルバー系でも少し色味がはいったカラーを選ばれたり、他社(のクルマ)では設定のないめずらしい色を購入される方もいます」(吉田氏)
だが、それだけ「色へのこだわり」が強いということは、CGシミュレーション上での色再現性に求められるハードルは高くなる。EIZOの19インチディスプレイ「FlexScan L788LX-BK *」(以下、L788LX)がレクサスに選ばれた最大の理由が、まさにこの色再現性の高さにある。
同機に搭載されている自社開発の制御ICチップは、PCから出力された1677万色の色データをいったん10億6433万色まで拡張し、その中から最適な1677万色を選び直して画面に表示できる。また、コントラスト比1000:1の液晶パネルによりリアルで奥行きのある映像を表現。レクサスの求める色へのこだわりに応えた。
「レクサスの豊富なカラーパターンを、可能なかぎり実車に近いクオリティで再現できること。特に深みのあるクルマの色がどれだけ出せるかがポイントで、これが最重要の選定要件でした。
EIZOの製品は(他社製ディスプレイも含めた)比較評価の結果、トータル的な性能で最も優れており、導入を決める決定打になりました」(レクサス国内営業部ブランドマネージャーの中村聡氏)
確かにL788LX *に映し出されるレクサス各車は、豊富なカラーによる表情の違いをしっかりと描き出しており、「同じエクステリアでも、色が変わるとこうも見え方が変わるものか」と感心させられる。デザインやカラーへのこだわりの強いレクサスオーナーも、これなら納得できるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日