W5Feの基本スペックは、個人で使うメインマシンとして不満のないレベルにある。CPUはCore 2 Duo T5500(1.66GHz/L2キャッシュ2Mバイト)、チップセットはグラフィックス機能統合型のIntel 945GM Expressを採用。メインメモリはPC2-5300対応で、標準1Gバイト(オンボード512Mバイト+512Mバイトモジュール)、最大1.5Gバイトまで拡張可能だ。80GバイトのSerial ATA HDDとDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブを搭載した2スピンドル構成となっている。プリインストールOSは、Windows Media CenterやHDV編集、DVDオーサリングなどの機能を備えたWindows Vista Home Premiumだ。
液晶ディスプレイは、1280×768ドット表示の12.1インチワイド液晶パネルを搭載している。モバイルノートPC用の液晶パネルということで視野角は上下方向が少し狭くなるものの、バックライトの高輝度化で明るい表示を実現する「Crystal Shine」と、光沢処理の「Color Shine」という2つの技術により、映像コンテンツをメリハリがある画質で楽しめる。
ASUSが海外展開している液晶TV用の画像処理エンジンと同様の機能を持つ、独自の映像処理エンジン「Splendid」(スプレンディッド)の搭載も特徴だ。Splendidは1フレーム単位で映像を解析して色合いや彩度、暗部の表現などを自動的に補正するため、映像コンテンツをよりTVらしい画質で表示できる。用途に応じて、Normal、Gamma、Vivid、Theater、Soft、My Profileの各モードを選択可能だ。
さらに液晶ディスプレイの上部には、回転式の130万画素Webカメラも備えている。液晶ディスプレイのフレーム部には、マイクのオン/オフ、ズームイン/アウト、Webカメラ用ソフト「LIFEFRAME」の起動(撮影開始/停止)に対応したボタンがあり、Webカメラの使い勝手は良好だ。LIFEFRAMEには、カメラ、ボイスレコーダー、サイレントカムコーダー、カムコーダー、モニター、プレビューの各モードが用意されている。
キーボードはキーピッチ、キーストロークともに余裕がある。変則的なキーレイアウトは見られず、カーソルキーが1段下がっていないことを除けば、総じてタイプしやすいほうだ。キーボードの左上には、無線LANとBluetoothのスイッチ、省電力モードの切り替えスイッチが並ぶ。電源ボタンは青色LEDで点灯し、ボタンの周囲をASUSの刻印入りメタルパーツが囲むなど、デザインにもこだわりが感じられる。
タッチパッドはシンプルな2ボタン式で、パームレスト部から段差がなくシームレスにつながっている。タッチパッドには細かいドットプリントが施されており、ざらりとした手触りが心地よい。左右のクリックボタンはパッチパッドを囲む金属パーツと一体化されており、ヘアライン加工が施されている。加えて、左右ボタンの間のスリットが青色LEDで光るという非常に凝った作りだ。
ユニークなところでは、標準バッテリー(3セル)、大容量バッテリー(6セル)の2本のリチウムイオンバッテリーが付属する。SideShowのみを使用した場合、アイドル時のバッテリー駆動時間は、標準バッテリーで約155時間、大容量バッテリーならば約300時間にも達する。また、ヘッドフォン接続状態でSideShowから音楽再生を行う場合のバッテリー駆動時間は、標準バッテリーで約110時間、大容量バッテリーならば約220時間とポータブルオーディオプレーヤーを大きく上回る形だ。ノートPCの利用時は、省電力ユーティリティの「Power4 Gear xEtreme」を活用するとよいだろう。Power4 Gear xEtremeには、High Performance、Entertainment、Quiet Office、Battery Savingの4つのモードがあり、各モードで電源管理設定を細かく設定できる。
本体サイズは305(幅)×220(奥行き)×26.8〜37.5(高さ)ミリ、重量は標準バッテリー装着時で約1.7キロ、大容量バッテリー装着時で約1.9キロだ。携帯しての運用も行えるサイズにまとまっている。
インタフェースでは、USB 2.0ポートを左右の側面と背面に1基ずつ設けているのが使いやすい。4ピンのIEEE1394、ExpressCardスロット(54/34)に加えて、SDメモリーカード、MMC、メモリースティックPRO、xDピクチャーカードなどに対応した8in1メモリカードリーダーも内蔵している。ネットワーク機能についても、100BASE-TXの有線LAN、V.92対応のFAXモデム、IEEE802.11a/g/bの無線LAN、Bluetooth 2.0+EDRを網羅しており、このサイズのノートPCにしては充実した装備だ。
SideShow機能が目立つW5Feだが、以上のようにノートPCとしての基本性能や機能を見ても大きな不満は見あたらない。価格はオープン、実売価格は22万4800円前後となっており、SideShowを筆頭にさまざまな機能を持つことを考慮すると、コストパフォーマンスは上々だ。サポート面にも抜かりはなく、購入日より2年間のグローバル保証(バッテリーは1年間保証)が付加され、世界各地のサポートセンターでサポートが受けられる。
W5Feは、いち早くSideShowの機能を試してみたいといった先進的なユーザーの要望に応えられるのはもちろん、漠然と持ち運びやすいノートPCの購入を検討しているユーザーにとっても候補に挙げられるだけの完成度を備えている。現状ではまだSideShowガジェットの数が少なく、W5Feの潜在能力は未知数の部分もあるが、今後SideShowガジェットが増えていけば、SideShow非対応のPCでは決して味わえない“一歩進んだVista体験”が得られるだろう。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年6月25日