FORIS.TVの画質を独り占めしたい人に捧ぐ――「FlexScan HD2451W/HD2441W」開発者は語る開発者インタビュー(2/2 ページ)

» 2007年06月20日 10時00分 公開
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至近距離ならFORIS.TVより高精細なハイビジョン映像を体感できる

――こうしてできあがった画質は、どこまでFORIS.TVに近づけたのだろうか?

新田 FORIS.TVと同等の画質と言いたいところですが、PC用の液晶パネルを使うということで視野角の差はあります。ただ、今回はデスクトップ・ハイビジョンというコンセプトから、近距離かつ正面で使っていただくことが前提になります。こうした利用シーンを考慮すると、わずかな視野角の差が大きな画質の差になるとは考えにくいです。

 液晶パネルはVA方式で、厳密な視野角ではIPS方式に譲る面もありますが、視野角は上下/左右とも178度でほとんど遜色ないレベルです。そもそもIPS方式であれば、すべての面で優れているというわけではありません。店頭などで、黒の締まりといったIPS方式より優れた部分を実際に見て納得していただければと思います。S2410W、S2411Wと商品を出してきましたが、日々液晶パネルも性能改善を行っており、最新の画質をぜひご覧いただきたいと思います。

 さらに、24.1インチワイドという画面サイズでフルHDを表示できる液晶パネルはTV用にはないので、近距離から視聴した場合の精細感はFORIS.TVより勝っていると感じるかもしれません。FORIS.TVと比較して、視聴距離が近くなることによる有利さがあるのです。

1080i/pの映像はドットバイドットで表示可能。さらに、映像の上下/左右を5%カットしたオーバースキャン表示にも対応する

――確かに視聴距離が近いPC用の液晶ディスプレイでは液晶TVほどの明るさは不要で、動画表示時の視野角もさほど気にならないだろう。また、HD2451WとHD2441Wは、AV入力の映像を正しいアスペクト比で表示できるスケーリング機能やオーバースキャンのオン/オフ切り替え機能もあるため、さまざまな映像コンテンツを整然と表示できる。とはいえ、実際のAV機器やゲーム機との接続性、動画の応答速度、ゲームプレイ時の操作のレスポンスなども気になるところだ。

金田 現行のゲーム機や主要なAV機器については開発時に入手し、1つ1つ接続検証を行いました。HDMIで接続する機器の検証など苦労しましたが、結果として一般的なゲーム機やAV機器との接続は問題ないように仕上がっています。

新田 動画の応答速度を向上させる試みは、ナナオとしても継続して開発中です。HD2451WとHD2441Wは従来機と変わらない応答速度ですが、それでも黒白間で16ms、中間階調はオーバードライブ回路により6msを実現しています。AVコンテンツを楽しめるPC用の液晶ディスプレイとしては、現状でも不満のない動画再生品質を備えていると思います。

 ゲームプレイ時の操作レスポンスに関しては、ゲーマーが重視するポイントと認識しています。確かに、I/P変換などの処理が入ることでレスポンスは若干遅れますが、スピードを求められるようなゲームタイトルでも違和感なくプレイできるようには作り込んでいます。細かいところでは、ゲーム機側でプログレッシブの信号を出力してディスプレイに入力するとレスポンスがより改善されるので、気になる方は試していただくといいでしょう。

 映像入力端子について1つ余談ですが、いわゆるD5の信号も実は入力できるように設計してあります。これはナナオの開発ポリシーの話になりますが、D5という規格はD端子を標準化したEIAJ(現JEITA)の正式な仕様として策定されていないので、カタログには記載していないのです。

操作性の向上に貢献するUSBオーディオと静電式スライドバー

静電式スライドバーで各種設定を行う

――映像の面以外でユニークなのが、USBオーディオ機能の内蔵と、指で左右になぞることで操作する静電式スライドバーのユーザーインタフェースだ。いずれもHD2451WとHD2441Wで追加された新機能となる。

新田 FlexScanシリーズは以前からUSBでPCと接続し、PC側でディスプレイの各種設定が行えるアプリケーション「ScreenManager Pro for LCD」を標準添付してきました。しかし、製品を購入された方でも使われていないというケースが実は結構あったのです。そこで、PCの音声信号もUSBで入力できれば、ステレオミニの端子を接続する手間が省けるうえ、ScreenManager Pro for LCDの認知度も上がるのではないかと考えて、USBオーディオ機能を実装しました。2系統のPC入力の音声も切り替えられますし、一石二鳥のよいアイディアだと思っています。

金田 スライドバー方式のユーザーインタフェースは、一番調整すると予想される音量を手軽に変えられるようにいろいろと検討した結果、この形に落ち着きました。FORIS.TVとは異なり、リモコンが付属しない製品なので、この操作方法が初心者の方にとっても最も使いやすいのではないかと思います。

 なお、USBオーディオ機能と音声入出力の端子を装備している一方でスピーカーを搭載しなかったことに、積極的な理由はありません。スピーカーを搭載するとボディの設計が大幅に変わり、画作りに加えて音作りにも時間が割かれます。また、開発が決まってからは1日も早く市場に出したいという願いもありました。そのため、今回はあえてスピーカーを外しています。高音質を求める方は、思い思いのAVアンプや外付けスピーカーに接続していただくのがいいでしょう。

プライベートな空間でハイビジョンを堪能したい人におすすめ

――HD2451WとHD2441Wは、AV入力を最大限に生かすためにFORIS.TVと共通の意識で画質を追求し、使い勝手を高めるUSBオーディオ機能やスライドバーも追加した。見た目は従来機とほとんど変わらないが、その中身はまったく新しいハイエンドAVワイド液晶ディスプレイに生まれ変わったと言えるだろう。最後に、開発者の立場からHD2451WとHD2441Wについて、アピールしたいポイントを聞いた。

金田 まずは、スライドバーによる使いやすさに注目してほしいです。また、PC入力の映像を親画面、AV入力の映像を子画面に表示するPinP機能も搭載し、PCを操作しながらAVコンテンツも視聴できるというスタイルは、FORIS.TVでは実現できません。プライベートな空間でFORIS.TVの画質を独り占めできる点が最大の魅力でしょう。

新田 HDMIを2系統も搭載しているということで、現状では最先端の液晶ディスプレイになります。したがって、映像にこだわる方を中心におすすめしますが、希望としては、そこからユーザー層の裾野を広げて一般の方にも積極的に使っていただきたいと考えています。まずは製品コンセプトに共感していただき、パーソナルな距離感でハイビジョンのコンテンツを心ゆくまでお楽しみください。


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