ただ、手持ちのテレビにPBP機能が装備されていたとしても、特に使う気にはならないという人もいるかもしれない。画面サイズや解像度によっては、視聴に堪えない表示になってしまう可能性もあるからだ。しかし、「SP831」のツインスクリーンは、高い本体性能に裏打ちされ、十分に実用的なレベルで「2画面」を提供してくれる。
この「SP831」ではBenQのビジネス向けプロジェクターとしては初めて、WXGA(1280×768)解像度のネイティブワイドDLPデバイスを搭載した。そのため、ツインスクリーン使用時には、各入力に最大640×768の領域が割り当てられる。解像度だけ見れば、これでも不十分に感じるかもしれないが、DLPによる明瞭な映像、および、高いスケーリング品質により、800×600などはもちろんのこと、1024×768を左右に2画面並べたとしても、画面上のテキストを十分に判読可能だ。さらに、1280×1024の2画面表示でも、なんとか利用できるレベルの視認性を確保している。
本体に装備されている入力端子は、PC系がDVI-I(HDCP対応)とミニD-sub15ピン(アナログRGB)、AV系がS映像、コンポジット映像、コンポーネント映像(480i/480p/1080i/720p/1080p対応)で、AV系入力どうしの2画面はできないものの、PC系とAV系、さらには、PC系どうしの2画面表示も可能。
また、ツインスクリーンはデフォルトでは「均等に分割」という表示モード(全画面に出力)になっており、このままでは4:3画面が縦長に引き伸ばされてしまうが、メニュー画面の「分割画面の関連性」という項目で「プロポーショナル」へ切り替えれば、オリジナルの画面比を維持できる。ほかに、片方の画面だけプロポーショナルを維持する「左側を大きく」「右側を大きく」という表示モードも用意されている。
想定される用途としては、やはり、片方にPCのプレゼンテーション画面、もう片方にはDVDプレーヤーなどを出力し、関連するビデオ映像を流すといったところだろう。映像と資料を同時に眺めながら行うブリーフィングやミーティングなどにも最適だ。また、かなり特殊な例にはなるものの、CPUやグラフィックスカードの製品発表会で行われる、2台のPC環境による速度比較なども、1台のプロジェクターで対応可能というわけだ。
パーソナルユースでもさまざまな利用方法が考えられるが、少し変わった使い方としては、“1台のPCから2画面出力”というのはどうだろう。最近のグラフィックスカードには、たいてい2系統の出力が備わっているので、DVI-IとアナログRGBの双方をプロジェクターへ接続し、それぞれをメインおよびセカンダリとする拡張デスクトップ構成にすればいい。
実際にこの構成で利用してみたが、前述のとおり視認性にも問題はなく、なかなか快適だ。特にグラフィックスカードのシアターモード(オーバーレイのみをセカンダリにフルスクリーン表示)を併用すると面白い。ネット動画を視聴しながらWebブラウズする場合、シアターモードならメイン側でWindows Media Playerをミニモードにしても、セカンダリ側で映像がフルスクリーン表示されるため、デスクトップ上で動画再生ウィンドウがじゃまになることはない。
さらに、ツインスクリーン機能はOSDメニューを呼び出さなくても、リモコンからワンボタンでオン/オフが可能だ。また、動画、Webブラウザのいずれかにフォーカスしたい際にも、リモコンのみでの切り替え操作が可能だ。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年9月30日