スタンドには「EZ-UPスタンド」を採用した。チルト(上25度)、スイベル(左右172度)、昇降(165ミリ)、画面の90度回転と、可動範囲が非常に広いスタンドだ。本体の奥行きが279.9〜296.4ミリと若干長いが、高さ調節の幅が広いのは使いやすい。PCの画面を縦位置表示にするソフトウェアは付属しないが、インテルのチップセット内蔵グラフィックス用ドライバやAMD(旧ATI Technologies)のRadeonシリーズ用ドライバ「Catalyst」、NVIDIAのGeForceシリーズ用ドライバ「ForceWare」など最近のディスプレイドライバは縦位置表示機能を標準搭載しているので問題ないだろう。
縦位置表示が便利なシーンは、Webや文書、ポートレート写真の表示などだ。特にWebや文書の表示では、あらゆる人が恩恵を受けられるだろう。EZ-UPスタンドはスムーズに縦/横に90度回転できるので、一度使うと手放せなくなる。
前面下部のボタン類はプッシュ式だ。左から順に、スピーカーボリュームのダウン/アップ、入力系統切り替え、画質モード、Enter、左、下、上、右、電源と並ぶ。OSDはEnterボタンで呼び出し、上、下、左、右の各ボタンで項目や設定を選び、再びEnterボタンで決定する。従来からのOSDメニューと操作性を踏襲しているので、ナナオの液晶ディスプレイに触れたことがあれば、迷わずに使えるはずだ。
ボタンの左側には環境光の明るさを検知するセンサーが設けられ、周囲の明るさに応じて画面の輝度を自動調節する「BrightRegulator機能」も搭載している。BrightRegulatorはデフォルトでは無効になっており、OSDで有効にする。
画質モードの「FineContrast」には、「Text」、「Picture」、「Movie」、「sRGB」(sRGB対応は色温度とガンマで、色域はサポートしていない)、「Custom」が用意されている。また、付属ソフトウェアの「ScreenManagerPro for LCD」を使って、起動アプリケーションごとに割り当てた画面モードを自動的に切り替えるAuto FineContrast機能も備えている。
画質の調整項目は、ブライトネス(輝度)、コントラスト、色温度(14段階:4000K〜10000Kまで500K単位、および9300K)、ガンマ値(1.8/2.0/2.2)、色の濃さ、色合い、RGB各色のゲイン調整だ。輝度調整の変化幅が大きく、かなり暗くできるのは重要なポイントだろう。調整項目は画質モードで異なる。すべての調整項目が使えるのはCustomモードで、例えばsRGBモードだとブライトネスのみ変更できる。PC上のScreenManagerPro for LCDからでも、各調整項目のパラメータを変更可能だ。
画質モードや調整項目の設定は、入力系統で個別に記憶される。スペックに表れにくい部分だが、使い勝手を大きく左右するところだ。もちろん、入力系統ごとに記憶されたほうが便利なのは言うまでもない。また、WSXGA+未満の映像信号が入力された場合は、フルスクリーン拡大、アスペクト比を固定した拡大、ドットバイドット表示の3通りのスケーリングが選べる。こちらも、高解像度なワイド液晶ディスプレイでは必須の機能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:株式会社ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年3月31日