2560×1600ドットの超高解像度、ワイド大画面、高色再現にディスプレイの新世界を見た――「FlexScan SX3031W-H」(2/3 ページ)

» 2008年01月16日 10時00分 公開
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利用シーンが広がる縦UXGAの2画面同時表示

 SX3031W-Hの大きな特徴の1つに、2系統入力の2画面同時表示、いわゆるピクチャーバイピクチャー(PBP)機能がある。これは、シグナル1とシグナル2に入力したPC画面を、画面の左半分と右半分に同時に表示する機能だ。シグナル1とシグナル2の両方に、1200×1600ドット(縦UXGA)の信号を入力したとき、最大の画面表示(2400×1600ドット)となる。1200×1600ドットの信号を出力する環境が必要だが、現行のGeForce、Radeonシリーズならほぼ問題なく対応できる。

 ちなみに、WQXGA未満の解像度を表示する際は、ドットバイドット表示、アスペクト比を保った拡大表示、フルスクリーン拡大表示が選択可能だ。これらのスケーリング処理は、2系統入力の2画面同時表示を行うときにもきちんと機能する。

 2画面同時表示には、2つの活用法が考えられる。1つは2台のPCを1画面で利用する方法だ。例えば、WindowsとMac OSの環境を1画面で同時に使うことが可能になる。もちろん、2つのWindows環境、2つのMac OS環境を同時に表示したり、Linux環境を交えてもよいだろう。入力系統の切り替えをせずに2台のPCを同時に使えるため、場合によっては作業の効率がぐっと高まる。1台のPCあたりの表示領域は約半分になるとはいえ、1200×1600ドットの解像度があれば十分に快適だ。

PCとディスプレイの電源をオフにした状態で、「SIGNAL 1-2」ボタンを押しながら電源を投入すると、2画面同時表示のOSDメニューが起動する仕組みだ(写真=左)。Windows XPとMac OS X Leopardを同時に表示した例(写真=右)。2画面を同時に表示しても、それぞれの作業領域は縦位置のUXGAと広い

 もう1つは、ちょっとした裏技と呼べるかもしれないが、デュアルリンクDVI-Dに対応しないPC環境でもWQXGAに近い解像度を実現する方法だ。これには、1台のPCで2系統出力を持ったグラフィックスカード、あるいは2枚のグラフィックスカードを使う。2系統の出力をSX3031W-Hのシグナル1とシグナル2に接続し、さらにOSやグラフィックスドライバのマルチディスプレイ機能を有効にすると、最大で2400×1600ドット(1200×1600ドット+1200×1600ドット)の表示解像度が得られるというわけだ。

 OS上の画面1と画面2を横に並べる設定にすると、画面1と画面2がSX3031W-Hの表示上で連結される。画面1と画面2の境界も「0」に等しくなり、画面1と画面2をまたがるマウスカーソルの往来にも、まったく違和感がない。少し古いグラフィックス環境のPCと接続する場合に覚えておくと役に立つテクニックだ。

Adobe RGBカバー率97%/NTSC比100%の広色域に対応

三角形の面積が大きいほど色再現範囲が広い。Adobe RGBカバー率97%の広色域は、sRGBで再現できない色をカバーしているのが分かる

 SX3031W-HはVA系で広色域タイプの液晶パネルを採用しており、Adobe RGBのカバー率は97%、NTSC比では100%を誇る。これはSX2461W(Adobe RGBカバー率96%、NTSC比92%)やSX2761W(Adobe RGBカバー率95%、NTSC比92%)と比べて最も広い。Adobe RGBの色空間に統一した環境で作業している印刷や出版、デジタル写真といった分野や、NTSC色空間で映像制作を行っている現場などに最適といえる。

 さらに、広色域をsRGBに変換して表示するEIZO独自の映像プロセッサ(ASIC)を搭載しているため、プリセット画質モードの「FineContrast」で「sRGB」を選択することにより、sRGBの色空間をかなり正確に再現できる。広色域パネルでは、インターネットコンテンツなどで一般的なsRGB色域の表示が派手な発色になりがちだが、SX3031W-HならばsRGB色域を正しく再現して表示してくれる。一般ユーザーがWebサイトやsRGB色域の画像を正確な色で閲覧したい場合に加えて、クリエイターがWebサイトのデザインやsRGB環境で簡易的なカラーマッチングを行いたい場合にも便利だ。

 実際にAdobe RGB色空間の画像をAdobe Photoshop CS3で表示し(Adobe RGBカラースペース設定)、SX3031W-HのsRGB以外のFineContrastモードとsRGB対応の液晶ディスプレイで見比べてみると、発色の違いがよく分かる。SX3031W-Hのほうが高彩度の緑と青をしっかり表現できており、赤にも深みがあるのだ。sRGBの液晶ディスプレイでは色が飽和してしまうような階調も、SX3031W-Hではきちんと判別できる。

左がAdobe RGBカバー率97%の表示、右がsRGBモードに切り替えた場合の表示。水辺の鮮やかなシアンや緑のみずみずしさ、フラミンゴのピンクといった発色が大きく異なる

 基本的なハードウェアスペックも軽くまとめておこう。輝度は260カンデラ/平方メートルで、コントラスト比は900:1、視野角は上下/左右ともに178度、応答速度は黒白間が12ms、中間階調が6ms(オーバードライブ回路搭載)となっている。大型パネルながら応答速度が速いため、動画コンテンツの表示、3次元CADなどにも有効だ。

 最近の液晶ディスプレイとしては輝度が低く感じるかもしれないが、主にクリエイティブワークを想定した液晶ディスプレイとしては、十分な明るさといえる。クリエイティブワークの一般的な視聴距離は約50センチ程度だが、100%の輝度で使うと明るすぎるくらいだ。

 また、電源投入から短時間で表面輝度を安定させる輝度ドリフト補正や、周辺環境や経年による輝度の変化を自動で補正してくれる独自の「自動調光機能」も搭載している。液晶ディスプレイの電源を入れてすぐに画像編集ができるほどの安定した輝度が得られたり、長期の運用でも輝度に支障が出にくいという特徴は、実際に使ってみて気がつく人は少ないかもしれないが、ナナオらしい細やかな配慮が感じられる部分だ。

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提供:株式会社ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年3月31日