そうだ、休日はロボットを作ろう――「Robotics Developer Studio」でロボット製作を体験無料で始める“自作ロボット”(1/4 ページ)

「ロボットを趣味にする」と聞くといかにもハードルが高そうだが、マイクロソフトが無料で提供している開発環境「Microsoft Robotics Developer Studio 2008」を使えば、手軽に“自作ロボット”の世界を体験できる。今回はMITとLEGOが共同開発した「MINDSTORM NXT」を使ってロボット製作にご招待。

» 2008年12月15日 10時00分 公開
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意外に身近な「趣味、ロボット製作」

 近年、自作ロボットに対する注目度、ロボットを趣味とするユーザーの数は非常に増えている。つい数年前までは、ロボットといえば産業用ロボットか、高専のロボコンに登場するような、高度な知識や加工技術などをあわせ持った技術者のものだった。完成したものも当然ながら実用重視であり、一般人にとってあまり面白みのあるものではなかった。

 ところが、人間型の二足歩行ロボットが登場してくると、映画やアニメで見たロボットの実現を夢見てにわかに熱を帯びてくることになる。そして、フルスクラッチではなく、誰でも作ることができる自作キットが販売されるにいたって、ロボットを趣味とする人たちの数は一気に増加した。

 それでもロボットはまだまだ“マニアの世界”という印象があるが、実際は意外なほどハードルが低く、間口の広い趣味なのである。低価格ミニPCを購入するよりも安い価格で、エンターテインメントから実用まで、さまざまなロボットを製作できるまでになっているのだ。

フリーでそろえる開発環境――マイクロソフト「RDS 2008」

 今回は開発環境として、マイクロソフトが提供している「Microsoft Robotics Developer Studio 2008」(以下、RDS)を用い、実際に動作させるロボットとしてLEGOとマサチューセッツ工科大学が共同で開発した「MINDSTORM NXT」(以下、NXT)を取り上げた。もちろん、この2つを取り上げたのには理由がある。

 趣味でロボット製作を行う場合、最初はなるべくコストをかけずに始められるほうがいい。その点、マイクロソフトのRDSには無償版のExpress Editionが用意されている。RDSは汎用的に利用できるロボット用の開発環境であり、これを覚えればさまざまな種類のロボットを制御できるようになる。将来的にNXT以外のロボットにも手を伸ばしたいと思ったとき、最初から開発手法を学び直す必要がないのは大きなメリットだ。

 また、ロボットに興味はあるけれど、どんなものか分からないとお金は払えない、と思っている人でも、とりあえずRDSをインストールしてみるといい。RDSにはゲーム機などにも採用されている物理演算エンジン「PhysX」を活用したロボットシミュレータが含まれており、仮想空間の中でロボットを動かせる。もちろん、これにはコストはかからない。実際にNXTを購入するかどうか判断するのはそれからでも遅くはないだろう。また、さらに高度な開発を行う際に必要となるVisual Studioも無償のExpress Editionが利用できる。学生の場合は、開発ツールが無償で利用できる「DreamSpark」でProfessional Editionを使うという選択肢もある。

 一方、ロボットにNXTを選択した理由は、開発環境でRDSを選んだ理由と同様に、低コストということが挙げられる。ハードウェアなので無料というわけにはいかないものの、約4万円という価格は日本で入手できるほかのロボットと比べても格安だ。しかも、NXTはブロックで構成されているため、どんな形のロボットでも作ることができる。これは単に見かけの違いではない。旋盤などの工作機械を持っていなくても、ギアパーツやアームなどを組み合わせることで、ロボット然としたものだけではなく、CD-Rオートチェンジャーのような外付け機械を作ることもできるわけだ。

NXTの基本ロボットの1つ「Tribot」(写真=左)。Tribotの駆動部分であるモーターに直結したホイール。操舵装置はないが、左右独立した回転数を設定可能だ。それぞれからケーブルが伸びている(写真=中央)。NXTの頭脳部分、NXTブロック(Brick)。単三電池6本で動作する(写真=右)

 レゴと言えば上面にポッチのついた直方体のブロックをイメージするが、NXTのパーツは等間隔に穴のあいたフレームと、そこに差し込むペグやシャフトが中心となる。これはレゴの中でもテクニックシリーズと呼ばれるもので、基本的に上に積み重ねていくのみのレゴ・ブロックとは異なり、横方向の接合が容易になっていること、ギアやプーリーなどの駆動部品が充実しているのが特徴だ。もちろん、豊富なレゴ・ブロックパーツを流用することもできる。このあたりの入手の容易さやバリエーションの幅広さ、そしてコストに追従できるメーカはほとんどないはずだ。

 NXTのロボットとしてのパーツは、頭脳部分となるNXTブロックをはじめ、タッチセンサ、サウンドセンサ、光センサ、超音波センサの4種のセンサ、それに3つのサーボモータから構成されている。NXTブロックは4入力4出力を持っており、センサを4つ、モータを4つ同時に扱うことができる。それぞれのパーツは追加購入することが可能だ。なお、NXTとPCは有線のUSBか無線のBluetoothで通信する。

NXTブロックのモーター接続ポート。USBポートも見える(写真=左)。NXTブロックのセンサ接続ポート。4ポートあるが、今回は未使用(写真=中央)。NXTブロックのモニタとボタン。Bluetoothの設定などはここから行う(写真=右)

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企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年1月19日