16:10と16:9はどっちがいい?――「画面サイズ/解像度/アスペクト比」を整理するITmedia流液晶ディスプレイ講座II 第3回(3/3 ページ)

» 2009年01月22日 10時30分 公開
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映像を正しいアスペクト比で表示するスケーリング機能

 液晶ディスプレイにおけるスケーリング機能とは、液晶パネル本来の解像度未満の解像度を入力したとき、どのように表示するかを選択できる機能を指す。具体的には、WUXGA(1920×1200ドット)の液晶ディスプレイに対して、1080i/pや720p、SXGA(1280×1024ドット)などの解像度を入力する場合の表示機能だ。スケーリング機能が充実していれば、異なる解像度とアスペクト比の映像を入力してもきちんと表示できるため、購入の際に確認しておくといいだろう。

ナナオのワイド液晶ディスプレイは、複数のスケーリング機能を選択できる

 スケーリング機能は、大きく3種類に分かれている。液晶ディスプレイのメーカーによって機能の呼び方は異なるが、表示の仕方は同じだ。

 1つめは、入力する解像度に関係なく、常に全画面(フルスクリーン)に拡大する表示方法だ。入力解像度のアスペクト比は無視されるため、映像のアスペクト比は正しく表示できない。16:10や16:9のワイド画面に4:3や5:4の解像度を入力すると、横に引き延ばして縦につぶれたような表示になってしまう。また、低解像度の映像信号を高解像度パネルで表示するためにドット補間が働くことから、表示がぼやけたようになる。

 2つめは、入力解像度のアスペクト比を保ったまま、最大限に拡大する表示方法だ。拡大表示なのでドット補間が働き、表示がぼやけて見える場合もあるが、入力したコンテンツを本来のアスペクト比で正しく表示できる。PCゲームの解像度を落としてプレイしたり、AV入力を備えた液晶ディスプレイでAV機器やゲーム機の映像を表示するときに役立つ。

 3つめは、入力解像度の1ドットと液晶パネルの物理的な1ドットを、「1:1」で対応させる表示方法だ。一般的には「ドットバイドット」と呼ばれる。具体例を挙げると、WUXGA(1920×1200ドット)のワイド液晶ディスプレイにSXGA(1280×1024ドット)を入力すると、液晶パネル中央の「1280×1024ドット」だけが小さく表示され、それより外側の物理的なドットは真っ黒の状態になる(グレーなど別の色にできる製品もある)。ドットバイドットの利点は、入力解像度のアスペクト比が崩れないうえ、ドット補間/間引きが発生しないことだ。入力したコンテンツのドットを忠実に再現できるため、映像やゲームの表示に向く。

1920×1200ドット/16:10パネルを採用した24.1型ワイド液晶ディスプレイ「FlexScan SX2461W」にSXGA(1280×1024ドット)を表示した例。左から、アスペクト比を無視したフルスクリーン拡大表示、アスペクト比を維持した拡大表示、ドットバイドット表示だ

 加えて、入力解像度の横ドットと縦ドットを2倍に拡大して表示したり、16:10画面に16:9信号を映す場合に縦解像度を画面いっぱいまで拡大して左右をカットして表示するなど、応用的なスケーリング機能を搭載した液晶ディスプレイもある。

 少し前までは、アスペクト比を固定した拡大表示や、ドットバイドット表示を備えた液晶ディスプレイは少なかった。どのような解像度を入力しても常に全画面拡大されてしまうため、実質的に使いものにならない入力解像度が多かったのだ。

 しかし、現在では液晶ディスプレイ内部の処理チップの性能が底上げされ、アスペクト比を固定した拡大表示とドットバイドット表示が可能な液晶ディスプレイもかなり増えている。特に1920×1200ドットといった高解像度なワイド液晶ディスプレイで映像やゲームを楽しみたいならば、上記した3種類のスケーリング機能を持った製品がおすすめだ。

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提供:株式会社ナナオ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年3月31日