モバイル向け新2010インテル CoreプロセッサーのTDP |
末尾のアルファベット | TDP |
---|---|---|
フラッグシップのExtreme Editionモデル | XM | 55ワット |
クアッドコアのモデル | QM | 45ワット |
通常電圧版 | M | 35ワット |
低電圧版(Low Voltage) | LM | 25ワット |
超低電圧版(Ultra Low Voltage) | UM | 18ワット |
2010 インテル Core プロセッサーには、通常のノートPC向けラインアップのほかに、より省電力な「低電圧版」、さらに省電力な「超低電圧版」のラインアップも用意する。先ほども触れたように、CPUの消費電力は駆動電圧の2乗に比例して増大するので、動作電圧を下げることは消費電力を下げるために非常に有効な手段だ。もっとも、従来までのCPUと比べると通常電圧版も十分に省電力なのだが、これらの低電圧版・超低電圧版モデルはそれ以上に省電力性能が望め、特に長時間のバッテリー動作時間を必須条件とするモバイルユーザーにとって非常に魅力的な存在になる。
モバイル向けの2010 インテル Core プロセッサーには、プロセッサナンバーの末尾に“Mobile”を示す「M」が付けられている(例:Core i5-520M)が、低電圧版では“Low Voltage”を意味する「LM」(例:Core i3-330LM)、超低電圧版は“Ultra Low Voltage”の意味の「UM」(例:Core i7-660UM)が付けられていることで区別できる。消費電力の目安になるTDP(Thermal Design Power:PCを設計する際に考慮すべき電力)は、通常版で35ワット、低電圧版で25ワット、超低電圧版で18ワットとなっている。
なお、旧世代のCore 2シリーズは低電圧版が17ワット、超低電圧版が10ワットだった。一見上昇してしまったようだが、実はそうではない。2010 インテル Core プロセッサーは前述の通り、メモリコントローラやグラフィックスコアなど、従来チップセットが受け持っていた多くの機能を統合するので、対応するチップセットはどれもTDP 3.5ワット程度にとどまる。一方、旧世代のCore 2システム向けのチップセットのTDPは、2チップ合計で14.5ワット(12ワット+2.5ワット)。CPUとチップセットの合計値は、2010 インテル Core プロセッサーのシステムの方が省電力であることが分かる。
そして、消費電力が少ないということは、バッテリー動作時間以外にも大きなメリットがある。それはノートPCのデザインやスタイルも大きく進化できることだ。
消費電力が少ないということはそれだけ発熱が少ないので、放熱のための設計も容易に、シンプルにできる。その結果、PCのデザインの幅も大きく広がることになる。そう、2010 インテル Core プロセッサーを搭載したモバイルノートPCは、小型・薄型でクールなデザインの製品が多い。それは決して偶然ではないのだ。
昨今のモバイルノートPCにおいて、ワイヤレス通信手段は非常に重要な要素だ。
アプリケーションやWebサービスの利用をインターネットや企業ネットワーク経由して行うクラウドコンピューティングのトレンドを持ち出すまでもなく、2010年現在、PCがいくら高性能で省電力だとしても、使いたい時に通信できなかったり、安定していないでは、モバイルノートPCの魅力は半減──いや、ほとんどないといっても過言ではない。
インテルの通信デバイス製品は、従来よりその性能や信頼性から高く評価されており、最新Centrino® ブランドの無線通信モジュール「インテル Centrino ワイヤレス 802.11n製品」はモバイルノートPCの多くに採用されている。Centrinoといえば、かつてはCPUとチップセットに無線LANモジュールを加えたプラットフォーム全体のブランドとして展開し、高性能と省電力、そして無線LANのコネクティビティまで含めた高信頼性を象徴する存在であったが、このたび、無線LANモジュール単体のブランドとして帰ってきた。2010 インテル Core プロセッサーとの相性や信頼性は、もちろん疑いようがないところだ。
Centrinoブランドのラインアップは別表にまとめたが、中でも2010年のモバイルノートPCに“ぜひ搭載してほしい”のが、IEEE802.11a/b/g/nに対応した無線LANと、IEEE802.16e-2005対応のモバイルWiMAX、両方の機能を1つの小型モジュールに集約した「インテル® Centrino® Advanced-N + WiMAX 6250」だ。従来のインテル® WiMAX/WiFi Link 5150の後継モジュールにあたり、より省電力性を高めるとともに、モバイルWiMAXの通信速度を従来の下り最大13Mbps/上り最大3Mbpsから「下り最大20Mbps/上り最大6Mbps」に向上させている。無線LANとモバイルWiMAXを簡単に切り替えられるツール「インテル® PROSet/Wireless WiMAX接続ユーティリティー」も健在である。
2009年7月の正式サービス開始時点より実効通信速度の速さに定評のあるモバイルWiMAX。2010年現在はサービスエリアも順調に拡大され、最近では大都市圏のみならず地方都市もカバーしつつあるうえ、世界標準の規格なので海外のモバイルWiMAXエリアでも同様に利用できる。主要サービス「UQ WiMAX」は料金プランもシンプルで分かりやすく、リーズナブル。2年間の長期利用契約やそれにともなう契約解除料が発生しない点もモバイルノートPCユーザーには大きなメリットだ。新PCの購入を機に「PCを自由に持ち出したい」人、あるいは現在のモバイルデータ通信サービスに不満を持つユーザーにとって、モバイルWiMAXは実に魅力的な「これからのノートPCに必須」となる機能だろう。
さて、無線LANを外付け機器で使うなど“今やありえない”のと同様に、モバイルデータ通信機能もノートPCに「標準で内蔵」されていることが望ましい。既存のPCに追加できるUSB接続タイプの端末でモバイルWiMAXを導入するのもよいが、外付け機器はどうしても紛失や盗難、破損の可能性が高まるうえ、なによりわずらわしい。モバイルノートPCをいつでもどこでも、さっと自由に活用するなら、高速無線LANとシームレスに使い分けできる「インテル Centrino Advanced-N + WiMAX 6250」を内蔵するPCを選ぶのが理想的ではないだろうか。
Centrinoブランドの無線通信 モジュールのラインアップ |
無線LAN | モバイルWiMAX |
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Centrino Ultimate-N 6300 | IEEE802.11a/b/g/n(最大450Mbps) | ─ |
Centrino Advanced-N +WiMAX6250 | IEEE802.11a/b/g/n(最大300Mbps) | IEEE802.16e-2005(下り20Mbps、上り6Mbps) |
Centrino Advanced-N 6200 | IEEE802.11a/b/g/n(最大300Mbps) | ─ |
Centrino Wireless-N 1000 | IEEE802.11b/g/n(最大300Mbps) | ─ |
インテルはSSD(Solid State Drive)の分野でもトップブランドとしての地位を確立しつつある。SSDは、記録媒体に半導体メモリ(多くはNAND型フラッシュメモリ)を利用する新世代のストレージデバイスだ。
長い間PCストレージの主役であったHDDは、アクセスタイムがメモリよりも数百倍も遅く、PCのパフォーマンスの足を引っ張る存在だった。物理部品で動作するHDDと違い、SSDは電気信号のやりとりのみでデータの読み書きができることから、アクセス速度を高速にしやすい。特にランダムな読み込みではヘッドを何度も移動させる必要があるHDDよりはるかに高速だ。SSDを導入するだけでPCシステムのボトルネックがなくなり、PC全体のパフォーマンスが一気に改善されることさえある。動く部品がないので動作音もなく、振動や衝撃に強い。加えて消費電力も低く、バッテリー動作時間にも貢献──。モバイルノートPCのストレージとして、まさに理想的ともいえる存在だ。
ただ、SSDはまだデバイスとしての過渡期にあり、製品ごと、メーカーごとの性能や信頼性の差が大きいのが現状である。NAND型フラッシュメモリは、その性質上書き込みが苦手で、データの上書きができないうえに書き換え回数に上限あるため、メモリチップの読み書き動作を制御するコントローラチップの設計が性能や信頼性を大きく左右する。現在PCパーツショップなどで流通している製品群には、パフォーマンスに天と地ほどの差があるものが入り交じっているので注意したい。
その点、半導体メーカーとしてNAND型フラッシュメモリの優れた製造技術を持つだけでなく、CPUとストレージとの性能差という大きな課題を解消すべく、SSDの開発に早期の段階から取り組んできたインテルは、性能・信頼性の両面で業界トップレベルにある。「性能を追求するならインテル製を」と市場でも高い評価を得ている。
重ねて述べるが、「SSDはモバイルノートPCにとって理想的なストレージ」だ。SSDと組み合わせれば、2010 インテル Core プロセッサーの高性能・省電力というポテンシャルもより生きてくる。2010 インテル Core プロセッサーを搭載するモバイルノートPCを購入するなら、少し価格が高くなったとしてもSSD搭載モデル、あるいはSSDオプションを選んでおくことを勧めたい。
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提供:インテル株式会社、マイクロソフト株式会社、UQコミュニケーションズ株式会社(50音順)
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2010年9月30日