これはドキュメントスキャナの“省スペース革命”だ!――キヤノン「imageFORMULA DR-C125」徹底検証カラー毎分25枚+ダブらんスキャン+新デザイン(2/4 ページ)

» 2011年06月08日 13時45分 公開
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重送をとことん低減する“ダブらんスキャン”と「超音波重送検知」

 ラウンド・スキャンという特殊な搬送機構を採用しつつ、強力な紙詰まり対策を行っているのも見逃せない。紙詰まりの原因になりがちな給紙不良、特に重送(誤って、紙を重ねて送ってしまうこと)の防止策として、リタードローラーが2枚目の原稿をやさしく抑える構造によって、送りローラーと逆方向の力で原稿を傷めず確実に分離させ、1枚ずつきちんと搬送するという“ダブらんスキャン”を実現しているのだ。

 こうしたリタードローラーによる重送抑止機構「リタード方式」は、主に業務用ドキュメントスキャナの上位機種に採用されるもので、このクラスの製品で搭載しているのは、お得感がある。このクラスでは搬送機構に重送を抑えるパッドを内蔵しているものも多いが、リタード方式はパッドより精度が高く、安定した搬送が行えるのが強みだ。

 加えてDR-C125では、「超音波重送検知」も併載している。この機能をドライバでオンにしておけば、重送発生時にスキャンを停止し、アラートメッセージで知らせてくれる。例えば、写真やカードなどを貼り付けた原稿だと検知に引っかかってしまうので、そうした原稿では機能をオフにすればよい。

 実際のところ、用紙の分離はしっかりと行われ、超音波重送検知が働くことはなかった。検証として行ったのは、ステープラーでとじた書類から、つづり針を取り除いた状態で給紙し、スキャンするというものだ。針でとじていた部分が吸着しやすく、重送が発生しやすいケースとなる。まずは針を外したままの原稿をセットし、重送が発生したら軽く原稿をバラしてから再挑戦するつもりだったが、最初の段階で問題なくスキャンできた。

 続いて行ったのは、束にした原稿を強く折りたたみ、クセを取らずに用紙をセットするというものだが、これも難なくクリアした(排紙後に原稿がトレイからこぼれ落ちることはあったが)。さらにマットコートされたはがきのコート面を2枚重ねて、ローラーとの摩擦を小さく、はがき同士の摩擦が大きくなるようにして給紙したが、これもきちんとスキャンできた。

 これだけでも十分に高精度の搬送性能だが、さらに限界を追求すべく、財布の中でしわくちゃになっていたレシートや領収書なども片っ端から試してみた。全体にヨレヨレで端は折り曲がっており、しかもサイズはバラバラという内容だったので、さすがにこのままでのスキャンは無謀かと思ったが、これもあっさりとスキャンできてしまった。相変わらず、キヤノンの用紙制御はよくできており、ドキュメントスキャナの核といえる用紙搬送が実に安定している。

 とはいえ、新品の状態で搬送精度が高くとも、ローラーにホコリなどが付着することで当然ながら精度は落ちてくる。このため、メンテナンス性も重要になるが、この点についても、DR-C125は内部へのアクセスが容易で作業をしやすい。給紙側のローラー部は天面のボタンを押し込み、排紙トレイを手前に引くことでアクセスでき、排紙側のローラー部はシルバーのフロントトレイを手前に倒せば現れる。どちらも大きく開口するので、清掃は簡単だ。万が一、紙詰まりが発生した場合でも、すぐにリカバリできるだろう。

天面のボタンを押し、排紙トレイを手前に引くと、給紙側のローラー部が大きく開口する(写真=左/中央)。排紙側のローラー部は、シルバーのフロントトレイを手前に倒すことで現れる(写真=右)

 こうした使い勝手のよさを支える基本スペックも充実している。公称のスキャン速度は、カラー、グレー、白黒を問わず、片面で25枚/分、両面で50面/分のスピード(A4縦/200dpi設定時)を確保。CISセンサーの光学解像度は600dpi、256階調のグレースケール/24ビットカラーに対応しており、速度と画質の両面に不満はない。

原稿給紙の使い勝手を高める「見たままスキャン」

原稿を見たままの状態で給紙できる「見たままスキャン」は、大量の文書を電子化する際に重宝する

 使い勝手の面では、「見たままスキャン」機能の採用もポイントだ。通常、ドキュメントスキャナは原稿を上方向から給紙するため、手に持った文書の天地を逆にしてセットする必要があるが、DR-C125の見たままスキャンでは文字通り、ユーザーが文書を見ている方向、つまり原稿の天地を逆にせず、そのまま給紙できる。

 細かいことだが、大量の資料に目を通しつつ、電子化する文書の選別を行うような作業では、手に持ったままの向きでトレイにセットできるという、小さな労力の軽減だけでも十分に助かる。視線を給紙トレイに向けるだけで、スキャンの進捗状況が即座に把握できるのもなかなか便利だ。また、手前に排紙しないラウンド・スキャンと合わせて、対面業務でスキャナの後ろ側から給紙するような場面でも役立つだろう。

 さらに、DR-C125は斜行補正、用紙サイズ自動検知、カラー/グレー/白黒の自動判別、文字向き検知、白紙面のスキップ、裏写りや地色の除去といったキヤノン製スキャナでおなじみの機能も網羅しているので、それこそ給紙トレイに原稿をポイポイとラフに放り込んで、さまざまなサイズや用紙種別、カラー/モノクロの原稿を次々にスキャンしても、見やすく質の高いデータに自動で整えて出力してくれる。

カードや厚紙はストレート排紙も可能

 用紙サイズはA4サイズを基本として、幅50.8〜216ミリ、長さ53.9〜356ミリの範囲で対応できる。さらに、カードや紙焼き写真など曲げたくない原稿や、はがき、名刺など厚めの原稿は、従来と同じストレートパスによる排紙が行える。この場合でもフロントトレイを開く必要はない。本体右下のレバーで搬送方向を切り替えておけば、スキャナ下部にそのまま排出される仕組みだ。原稿の厚さは、0.06〜0.15ミリに対応する。

 A4サイズ以上の原稿についても、給紙切り替えレバーを非分離にし、原稿を半分に折ってスキャンすることで、表裏で読み取った画像を1つの画像に合成できる「半折りスキャン」機能を利用可能だ。これにより、最大A3サイズまでの原稿をスキャンできるのがうれしい。

右下のレバーを上に入れると、ラウンド・スキャンが行える(写真=左)。レバーを下に入れると、本体下部に排紙されるので、厚みのあるカードなども問題なくスキャンできる(写真=中央/右)

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